団塊世代の両親の投資スタンス その1

水瀬ケンイチ

身内の話で恐縮ですが、お正月と言う事でご勘弁いただき、両親の投資スタンスのお話を少々したいと思います。

父はモーレツ社員、母は専業主婦という、典型的な団塊世代であります。約2年前にサラリーマンを定年退職しており、今は年金で十分生活できているようです。退職金も年金も満額もらえる、いわゆる「逃げ切り世代」の特権というやつでしょうか。我が両親ながら、ちくしょー元気なんだから年金消費しないで働けコノヤロー!とも思います(笑)
それはさておき、両親は公的年金以外にも、それなりの余裕資金があるようなのですが、運用方法については概ね以下のとおりです。

・サラリーマン時代の社員持ち株会の株
・年金保険
・定期預金
・普通預金
・持ち家

具体的資産配分は控えさせていただきますが、良し悪しは別としてまあ団塊世代ではよくある資産構成なのではないでしょうか。
でも、この中でも特筆すべきなのは、「サラリーマン時代の社員持ち株会の株」です。入社時から約40年間積み立て続け、退職後もそのまま保有し続けいるもので、相当な株数であります。しかも、入社時は非上場企業でしたが、会社人生の終盤で会社が株式上場したもんだから、アホみたいに大きな含み益を抱え、総額ウン千万円にまでなっています。同世代の仲間たちと共に「会社からの最後の慰労だ」と大喜びしているそうです。

しかし、アセットアロケーションの観点から見たら、たった一銘柄への、恐ろしいほどの集中投資です。集中投資で有名なウォーレン・バフェットも真っ青です。
しかも、この会社は、景気変動の影響を受けやすいセクターの市況銘柄であるばかりか、内部留保が厚く配当をあまり出さないグロース型銘柄なのです。若者が将来の資産形成のために投資するならともかく、退職後の高齢者が集中投資する銘柄ではないのは明らかです。


そこで、銘柄の分散、債券・外貨を含めた資産クラスの分散を薦めているのですが、これが一向に分かってもらえません

僕の説明が悪いのでしょうか?
たしかに、僕はFP資格があるわけでもないし、普段資産運用にかかわる仕事をしているわけでもありません。しかし、おそらくそうではないと思います。なぜなら、父はこういう理屈で反論してくるからです。

「うちの会社以上に良い投資先などない!」

えーと……つまり理屈ではないのです。
団塊世代に共通することかもしれませんが、自分たちが殆どの時間を捧げて、作り、育て、そして成長させてきた会社に対する愛社精神がとても強いのでしょう。自分が一生を賭けた会社を信じている。だからその自社株を売るなんてあり得ない。理屈など知らん。そういう事です。

……こいつは手強い。

【次回へ続く】
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Posted by水瀬ケンイチ