野村総研の分散投資の評価

野村総研の月刊誌「金融ITフォーカス」2009年3月号に、「分散投資は機能しなかったのか」という興味深いレポートがありました。

金融ITフォーカス 2009年3月号 「分散投資は機能しなかったのか」 

詳しくはレポートをご覧いただきたいのですが、こう結論付けられています。

運用環境の暗転は年金資産に大きな損害を与えており、分散投資の効果にも疑問が投げかけられている。
しかし本稿の検証によれば、ポートフォリオのリスク配分を管理することで、環境変化に対して耐性の強いリターンの享受は可能であり、リスク分散の意義は依然として健在であったといえる。


レポートから何を読み取るかは人それぞれだと思いますが、個人的には、「分散とリバランスの重要性」がデータとともに述べられていたと思います。
(どちらかというと、リバランスの重要性に重きが置かれているかも)

細かいところでは、データ期間が2008年12月までとなっており、金融危機を含めた直近までの最新データで検証されているのがよいところ。一方で、データ期間が12年間と短いところがちょっと惜しいところと思いました。
また、いくつかのポートフォリオを検証しているのですが、伝統的4資産をリバランスしただけの「伝統資産・リスク均等型」ポートフォリオ、シンプルな割にはなかなかやるなと感じました。

わずか2ページのレポートです。
分散投資の効果を理解していたはずなのに、昨今の相場環境でグラグラきているかた、読んでみる価値はあるかもしれませんよ。


※レポートは野村総研の見解であり、水瀬の意見そのものではありません。本記事は単なるレポートの紹介と感想であることを予めご了承願います。
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コメント

興味深い情報ありがとうございます

レポートでは、≪リスク構成比に基づくリバランスは、ボラティリティやポートフォリオ全体との相関が高まった資産を足下に対してアンダーウエイト、逆のものをオーバーウエイトする。≫とあります。したがって、現在のような、株式や為替の相関が高まっている状況では、そのウエイトを下げ、国内債券のウエイトを上げるようにポートフォリオのバランスを変更しているのではないでしょうか。普通にリバランスというと、≪ポートフォリオの構成比を元に戻す≫ことを指し、株式や外国債券のウエイトを足下に対して上げることになります。逆の運用になるのでしょうね。

確かに、このようにリバランスによってリスクをコントロールすることは重要ですね。しかし、具体的な手順や方法は、≪リバランスは、月末時点で一ヶ月前までの過去36ヶ月ウィンドウをローリングし、実績リターンから推定した共分散行列に基づいて行う≫となっていますが、小生にはとうてい理解できそうにありません。

おもしろいレポートが発表されているんですね。
内訳を見た瞬間…「分散ってどこ?」と思ったのはわたしだけでしょうか。
大きな範囲で見ればペーパーにしか投資してないですよね(^^ゞ

このレポートに書かれているように、
過去(米国)に学ぶべきところが多い気がしますね。
せっかく良い失敗例を示してくれているのだから^^;

 これは結局日本国債を増やしていって現時点での損失が減っているということでしょう?ひとつの結果論で内容の無い論考だと思いますけど・・・。
日本国債を増やす水瀬さんは見たくないですね(笑)黙々とアメリカ株買ってください。

水瀬さん、こんばんは

面白いデータをありがとうございます。
要するに、株価の上昇期と下降期でアセット・アロケーションをダイナミックに変化させると良い結果が出るということですね。で、そのときに参照するデータは、過去36ヶ月云々を使用すると。

そのデータの入手が可能かどうかは分かりませんが、要は、株価が底をうって上昇期に入るときは、徐々に株にウエイトを移し、逆に株価が過熱気味でそろそろ下降する時期にあるときは、債券にウエイトを移せばよいということかなと想像しております。

--
余談になりますが、本日新しいアノマリー(トリビア)が誕生しました。それは、
カーネルおじさんの呪いが解けると株価が上がる。
失礼しました。 m(__)m

>Sean.さん

僕も④の運用手法はちんぷんかんぷんです。
②の運用がそこそこだったので、それで十分納得しました。


>Oちゃんさん

過去の歴史から学ぶことは大切だと思います。


>田舎物さん

面白い考え方ですね。


>Tansney Gohnさん

リバランス方法もいろいろあるようです。
勉強になります。

ところで、引き揚げられたカーネルおじさん、すごい笑顔になってましたね。
呪いがとけて今年は阪神が優勝でしょうか!?(^^)

分散投資の有用性

水瀬さん、はじめまして。

分散投資についてのレポート興味深く拝見させて頂きました。

私は資産運用にとって、リスク管理は最重要項目の1つだと考えていますが、このレポートはその確認になりますね。

景気が後退し、世の中の人が投資に消極的になると、この手のレポートが増えるような気がします。やはり、世の中がこういった情報を求めるからでしょうか?

個人的には世の中に「利子」が存在し、「経済成長」が続く限りはマネーサプライは増え続け、わずかなインフレが持続的に続くと考えているので、分散投資が有効なのは至極当然かと思います。

(もちろん個別の動きが把握できる人は自分で投資対象を選定したほうがパフォーマンスが良くなると思います)

今現在は、行き過ぎた経済が調整のために一服していると捉えるのが長期投資家として正しい姿ではないでしょうか?

追伸:

うちのみはるんがモロ初心者なコメント残してすいません。もっと勉強させときます(笑)

>ヒデさん

はじめまして、ヒデさん。

>>景気が後退し、世の中の人が投資に消極的になると、この手のレポートが増えるような気がします

世のなかの雰囲気が一方向に偏り過ぎるのを良しとしないかたが、他にもいらっしゃるのだと思います。
うちのブログでも最近は、ネガティブ一色の報道に対するアンチテーゼ的な話題の取りあげ方をしているかもしれません。

みはるんさんともども、また遊びにきてください。

分散投資の「分散」が何を示しているか考えることが重要ですね。
「投資対象資産の分散」をもって分散投資とすることの危険性をこのレポートでは指摘しているのだと思います。
「リスクの分散」を意図してモデルポートフォリオを構築していますが、市場環境が急変したときにヤラレが少ないポートになるようですね。
リバランスの観点も面白いと思います。一般的に、「資産配分比率が乖離したらリバランス」とすることが多いと思います。今回の局面では、株の比率が下がったから株の比率を上げるというものです。これは一種の逆張り投資で、株が下がり続ける局面では逆効果です。
一方、レポートの手法は「株のリスクが高まったから株の比率を下げましょう」というものです。今の局面では有効な手法だと思います。

このポートフォリオはアップサイドのリターンはそこそこでもいいから、ダウンサイドリスクをとにかく抑えたいという人には検討する価値があると思います。
一方で、このポートフォリオを構築するのは手間がかかるので、個人レベルではあまり浸透しない気がします。というのは、例えば「4資産均等配分で投資」というのは毎月の投資比率が明確で導入しやすいですが、「4資産同じリスクになるように投資しましょう」というのは個人投資家が簡単にたどり着ける手法ではないからです。各資産のベンチマーク収益率を毎月収集して、最適化してから投資するのは手間のかかる作業だからです。

>セルさん

的確なまとめ、ありがとうございます。
仰るとおりで、「リスク構成比を均等」というのは言うのは簡単ですが実際にやるのは難しそうです。
リバランスの方法にもいろいろあるんですね。

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