バートン・マルキールセミナーレポート(その1)

5月17日に行なわれたイベント、「バートン・マルキールセミナー」。

バンガード・グループ主催 マネックス証券・クレディセゾン・セゾン投信協賛セミナー
「不透明な時代に勝つための投資術 ~バートン・マルキール教授を招いて~」
日時:5月17日(日) 13:30~16:30
会場:有楽町朝日ホール

参加してきましたので、レポートします。
通訳機器を使用した同時通訳はメモが取りづらく、苦戦しました。
内容については、水瀬の主観による省略やまとめが含まれますことをご了承ください。

さて、会場となった有楽町朝日ホールの座席は、だいたい埋まっていたように思います。
客層は、普通の証券会社のセミナーよりも少し若く、女性も思ったよりも多い感じ。
生で見るマルキール氏は、凛としていて元気でした。とても78歳とは思えません。

肝心の内容ですが、現在の金融危機の解説に多くの時間を取り、それからインデックスファンド、投資戦略について話が進みました。最後にはQ&Aがありました。
メモ内容を箇条書きに書き出してみたいと思います。ところどころに、水瀬のコメントを付けさせていただきます。

・銀行システムが古いシステム(組成して保有する)から、新しいシステム(組成してバラまく)に変わった。
・銀行は住宅ローン担保証券を2~3日保有するだけで、投資銀行やヘッジファンドに売却するようになった。
・投資銀行は、影の銀行システムとして、一部サブプライム証券が入っていても、トリプルAの格付けをつけて売っていった。
・投資銀行はレバレッジをかけすぎた。ベアスターンズは破たん前、33倍のレバレッジをかけていた。

(水瀬コメント)
金融危機の原因について、金融機関側の問題を取り上げでいました。
いい加減な格付けと過剰なレバレッジを問題視していました。


・インフレ調整後の米住宅価格は1990年代まで横ばい(住宅価格の上昇とインフレが同じ程度)だったが、2000年~2006年にかけて一気に倍に上がった。
・住宅バブルがはじけ住宅価格が暴落、不動産担保証券はトリプルAでさえデフォルト、値が付かなくなった。
・債券市場は、米国債以外は凍結状態に。
・多くの金融機関が債務超過に、残りも過小資本に。
・信用危機が実体経済に波及、金融機関が融資をやめてしまい、米国だけでなくヨーロッパやオーストラリアでも破綻。アイスランドにいたっては国が破綻。

(水瀬コメント)
住宅バブルの崩壊により債券市場が凍結し、多くの米金融機関が債務超過・過小資本になってしまった。しかも、米国から世界に悪影響が波及していってしまったということだと思います。


・一般消費者も過剰借り入れ。平均的な負債額が所得額を上回っていた。
・買った住宅に価値がつけば、2つ目、3つ目のモーゲージローンを借りて消費に回していた。
・アメリカ人にとっては住宅はATMみたいなものだと思われていた。貯蓄率は0%に。
・これらが良好な経済環境を提供していた面がある。

(水瀬コメント)
一般消費者の過剰借り入れ&過剰消費を取りあげていました。
住宅バブルだったとはいえ、住宅がATM代わりというのは、すごい感覚ですね。
ちょっとよく分かりません。


・住宅バブルの崩壊により、住宅を使って消費できなくなった。
・一般消費者は締め出され、学生ローンを借りることも出来なくなった。
・逆資産効果が生まれた。不動産市場、株式市場が暴落することで、一般消費者は以前のような消費をしなくなった。
・トヨタが赤字。自分もトヨタに乗っているが、ディーラーの販売は止まっているようだ。
・日本・中国の輸出が減少しているのも影響のひとつ。

(水瀬コメント)
住宅バブル崩壊により、米一般消費者の過剰借り入れ&過剰消費がなくなってしまった結果、世界経済全体が停滞してしまったということだと思います。


ここまでインデックスの話は一切なし(笑)
次回、今後の見通し等について話が及びます。

(次回に続く)
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コメント

僕も伺って話を聞きました・・・・・

・・・・・住宅を購入することがATM代わり?凄い間違った感覚だと思いました。でも、周りも同じだと気がつきにくいものなんですかね。。

ただ、今はショクバです。

とても良い講演会でした

水瀬さま

 教授の説明は、簡易で分かりやすいけれど本筋はしっかりと押さえた金融危機の解説だったと思います。

 以前に、NHKスペシャルで米国の個人の借金(クレジットカードや住宅ローンの借換え)の実態を特集したのを見ましたが、感覚が別世界の話でした。
 すべてが逆回転したために、需要の“蒸発”となったのでしょうね

 同時通訳での講演会というのは初めてでしたが、まったく違和感のない日本語だったと思います。通訳の方のレベルもかなり高いのでしょうね。

今回の問題

格付けについては、債券については古い歴史とノウハウが有りますが、サブプライムローンについては比較的新しいものなので、ノウハウが無い問題も有りそうです。
かつては米国債についで格付けが高かったファニーメイ債はどうなってしまったのでしょうね。

ただし、きつい言い方をすれば今回の金融危機については全ての投資家と消費者に対して教訓になったとも言えそうです。
そもそも、米国の景気が借金で回していた事自体がおかしいと思いますし、投資家についても円高と株価急落で痛手を負っている人は多いですが、問題はリスク管理の在り方に問題があったと思えます。
最近は社会保険事務所に行った時に職員から言われましたが、確定拠出も株価急落で失敗している人が多いそうです。
アメリカ人にとっては住宅はATMみたいなものだと思われていたと言うのはちょっと我々の金銭感覚から大きく逸脱しています。

でも、これからはインデックス投資家が大きく躍進するチャンスだと思います。
何よりも仕事を続けて収入を得る事が出来れば幾らでもチャンスは有ります。
今回の件は傷が癒えるまでは時間が掛かりそうですが、一日も早く世界中の人が立ち直れるように頑張って欲しいです。
僕自身にとっては大きなチャンスだと思ってやっています。

住宅がATM代わり

何年か前に新聞で 「アメリカ人の貯蓄率が低いのを問題視するのはおかしい アメリカ人は資産を現金で保有して遊ばせておくより 住宅や株に投資する方が(高リターンを得られるため)合理的だと考えている」という記事を読みました その時はアメリカではそういう考え方をするのか ふーんと思ったぐらいでしたが 今にして思えば そのときからアメリカの住宅バブルは始まっていたのでしょうね

住宅がATM代わり

自宅を担保にしたホーム・エクイティ・ローンを想定しているのでしょう。

自宅の評価額から、住宅ローンの未払い残高を引いた残りの部分を担保にしてローンを組むことで、さながらATMからお金を引き出すがごとく、自宅の評価残額を現金化することができたのです。

昨年までは、住宅の評価額が上昇傾向にあったため、住宅ローンをほとんど返済していなくとも、自宅の評価額が取得時よりも上回っていた場合、ローンを組むことができたのです。

住宅価格が上昇を続ける限り、将来の売却益でローンを返済する事ができますし、濡れ手に粟で現金化したお金ですから、かなりの部分が消費にまわったようです。

が、住宅バブルがはじけ、自宅の価値が下がると実質的な債務超過となり、せっせとローンを返済しても、住宅の評価額は現在価値に引き直したときのローン残高より低くなっていることがザラですから、返済に苦しくなると自己破産でチャラにしたほうがましということになります。現在価値に引き直したときのローン残高と自宅の価値の差がマイナスであれば、自己破産が合理的な選択となるのです。それで、後は裁判所へまっしぐらという塩梅です。

住宅価格が下げ止まらない限り、潜在的な自己破産予備軍は増え続け、住宅ローン債権を保有している金融機関の損失も確定しない罠。S&P/ケース・シラー住宅価格指数の下げ止まりが注目される要因はこんなところにもあります。


>矢向さん

住宅がATMがわりというのは、よく分からない感覚ですね。


>Zelkovaserrateさん

同時通訳での講演会は僕も初めてでした。
途中、通訳のかたが何人かでバトンタッチしながらやっていました。
きっとすごく集中していて疲れるのでしょうね。


>タカちゃんさん

>>何よりも仕事を続けて収入を得る事が出来れば幾らでもチャンスは有ります

まったく同感です。
相場の低迷さえチャンスになりえます。


>hinoさん

バブルははじけてみないとそれと気づかないのでしょうね。


>名なしさん

詳しい解説ありがとうございます。
なるほど~と納得してしまいました。
ニュースが世界経済の動向を語るときに、米住宅価格と雇用統計に注目し過ぎでは?と思っていたのですが、そういう理由もあるんですね。

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