バートン・マルキールセミナーレポート(その2)

水瀬ケンイチ

バートン・マルキールセミナーレポート(その1)」の続きです。

・今後の見通し。停滞は長期にわたるかもしれない。2009年はよくて横ばい。
・だからといって、世界大恐慌ではない。
・過去の世界恐慌の時と違う点がある。
・大規模な財政出動、金融刺激策が行なわれている。
・世界恐慌の時は25%通貨供給量が減ってしまったが、現在は世界の中央銀行による流動性供給が行なわれている。
・世界恐慌の時は各国がいろいろな税を互いに課していたが、現在は保護主義の防止が講じられている。

(水瀬コメント)
見通しは必ずしも明るくはないが、かつての世界恐慌ほどではないとのこと。


・私たちは必ず回復するだろう。おそらく2010年頃から。
・今は新聞でデフレ、デフレと騒がれているが、そのうち物価上昇してくるだろう。
・インフレは死んでいない。
・株式市場を見捨ててはいけない。
・株式のリスクプレミアムはいまだ健在。5~6%。
・シラーの株価収益率で見ると、1999年45倍、1925年35倍、今13倍と魅力的。
・配当利回りで見ても魅力的な水準。

(水瀬コメント)
「私たちは必ず回復するだろう」
マルキール氏から力強いメッセージです。




・コストの重要性。低コストのファンドは高コストのファンドより高いリターンを上げる。
・インデックスファンドは完璧な低コスト商品。
・S&P500に負けた大型株ファンドの割合。2008年末までの期間が、1年で61%、3年で64%、5年で62%、10年で54%、20年で68%。
・米国ではインデックスを2%以上上回るのは難しい。
・2007年まで9年連続でS&P500を上回った14本があるじゃないかと言われるが、そのうち2008年も上回ったのは1本のみ。これは恒常的な傾向ではない。日本でも同じことだ。


(水瀬コメント)
低コストなインデックスファンドの優位性をデータを使って懇々と説いていました。
マルキール氏の説明にも力がこもっていました。


・コア&サテライトアプローチの優位性。
・すべてインデックス運用にしろとは言わない。
・金融業界の人に、アクティブ運用はインデックス運用に勝てないと言うことは6歳の子どもにサンタクロースはいないと言うのと同じで受け入れがたい考え方。
・コアにインデックス運用を持ってきて、サテライトとしてアクティブ運用を用いるというのはよい戦略。
・私自身も採用しているおすすめしたい戦略。

(水瀬コメント)
よく誤解されていますが、マルキール氏(および「ウォール街のランダム・ウォーカー」)はガチガチのインデックス原理主義者ではありません。
アクティブ運用にも一定の理解があります。
ご本人もコア&サテライト戦略で運用しているとのこと。


・最後に2つのことを持ち帰りいただきたい。
 ①回復は遅々としたものになるが、私たちは必ず回復する。
 ②私たちが確実にできることは、コストを下げて取り分を増やすこと。


(水瀬コメント)
今日のセミナー内容は、この2点に集約されていると言っていいでしょう。
もはやコメントは不要かもしれません。


この後、あらかじめ募集していた質問で多かったものに、マルキール氏が答えるQ&Aがありました。

(次回に続く)

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Posted by水瀬ケンイチ