ETFは株式の配当等を内部留保して再投資できないのか、金融機関に聞いてみました(その2)

水瀬ケンイチ

先日の記事「シティグループ世界国債インデックス連動の国内ETFが登場!」に、ベムさんから「ETFですから債券から受け取った利金を内部留保して再投資することはできません」という主旨のトラックバックをいただきました。

ETFが内部留保したり再投資したりできないとは知らなかったので、なるほど~とその時は思いました。
でも、自分で確認しないと気がすまない性分のため、証券会社・運用会社・証券取引所などの関係機関に、ETFの運用における配当・利息相当額の扱いについて質問をしました。
国内運用会社3社からの回答があったので、記事にとりあげました。

2009/09/11 ETFは株式の配当等を内部留保して再投資できないのか、金融機関に聞いてみました

「ETFに含まれる株式の配当や債券の利息は、分配されるまでどのように運用されているのか?」という質問に対して、結論は、「3社とも基本的にはキャッシュで保管。一部、現物・先物で運用するところもある」ということでした。
これをベムさんは、「キャッシュで保管されていたことが確認された」と捉えられたようで、そのような記事を書かれています。
僕の考えはそうではなく、一部運用されている事実があるのだから、「ETFですから受け取った利金を内部留保して再投資することはできません」というのは、言い過ぎではないかという疑惑を持ったという意味の記事だったのですが。

さて、実はもう一社、米国の運用会社にも、同様の質問をしていました。
回答がありましたので、記事に取り上げさせていただきます。

≪質問≫
ETFに含まれる株式の配当や債券の利息は、分配されるまでどのように運用されているのか?



<回答> バンガードの場合(原文)
バンガードのETFの中の個別銘柄から発生する配当金は、入金次第速やかに当該ETFの対象銘柄に再投資されます。ちなみに、当該ETFの分配金の支払いに必要な現金は、支払い間際に用意し(必要に応じて株式等を売却して)、払いだされます。他社のETFについては、異なった処理をしているかもしれませんので、別途お調べください。

まとめると、

・バンガードETFに含まれる株式等の配当は再投資される

ということだと思います。
運用会社によって配当等の扱いは違うのですね。

さらに、今までは「分配するまで」の話をしてきましたが、バンガードに限らず、「ユニット・インベストメント・トラストではなく、オープンエンド型のETFは、運用会社の方針しだいでは分配せず再投資可能」ということが分かりました。
(出典:楽天証券 海外ETF入門講座 第9章 海外ETFの再投資について

つまり、ベムさんの「ETFですから受け取った利金を内部留保して再投資することはできません」というコメントは、「誤り」であるとの結論にたどり着きました。
ETFが受け取った利金を再投資するかどうかは、ETFのタイプと運用方針によるのであり、決して、「ETFだから再投資できない」のではありません。

世の中には、配当等を得ているのに分配していないETFが、実際に存在します。
日本のETFにも、海外のETFにも、両方に存在します。
その銘柄は……気になるかたは、ご自身でお調べください。

今回のことで、自分で直接確認することの大切さを学びました。
一時期、ベムさんの「ETFですから受け取った利金を内部留保して再投資することはできません」という記事・コメントが、いっせいにインデックスブロガーの間に広まり、多くのかたが無条件に信用したように見えました。
重要な判断をする際に、情報をブログ記事・コメントのみに頼ることは、危険だと思いました。

皆さんにも、大事なことは、ぜひ自分で確認するようにしてほしいと思います。


(追伸)
本記事は、ベムさんのコメントの内容の真偽について検討したまでであり、ベムさん個人を攻撃することを目的としていません。
もしご気分を害されたら申し訳ありません。お詫び申しあげます。
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Posted by水瀬ケンイチ