第2回インデックス投資ナイト実況レポート(その3)

第2回インデックス投資ナイト実況レポート(その1)
第2回インデックス投資ナイト実況レポート(その2)
の続きです。
本レポートについては、私が現場で見聞きした内容に基づいた解釈・まとめなので、曲解・誤解などがあるかもしれません。あらかじめご了承ください。

「では、小松原さん、アセットアロケーションのご説明をお願いします」

<小松原氏のポートフォリオ>
日本株式 23%
先進国株式 34%
新興国株式 30%
新興国債券 2%
日本REIT 3%
外国REIT 8%

小松原氏
「生活防衛資金を除いたリスク性資産のみのアセットアロケーションという前提。9個のアセットクラスで考えた。株式が日本・先進国・新興国、債券が日本・先進国・新興国、REITが日本・外国、そしてキャッシュ。それぞれの期待リターンとリスク(標準偏差)、アセット間の相関係数を事前に推計し、いわゆる効率的フロンティアを計算する。そのなかで、キャッシュと金利状況で投資妙味の少ない国内債券は除いたポートフォリオを2つあげる。
ひとつはこちらにある新興国株式をちょっと大目の30%にしたものと、もうひとつは半分の14%にしたもの…」(水瀬注:手違いかスクリーンには1つしか表示されず)

イーノ氏
「もうひとつのグラフ出ます?1個だけ?」

小松原氏
「じゃあ新興国30%のポートフォリオで行くと、ざっと標準偏差を計算すると20%。仮に分散が効かず相関係数が1で全部同じ動きをするとすると24%くらいになる。やられる時は平気で40%~50%やられてしまうポートフォリオだ。が、全部をこれにしろと言っている訳ではなく、キャッシュ8割、リスク性資産2割、でもいい。どれだけリスク性資産にどれだけ投資できるかは人それぞれ。
もうひとつのポートフォリオは口頭で説明するが、新興国株式比率を半分の14%、日本株式30%、先進国株式43%、新興国債券2%、日本REIT5%、外国REIT6%、という風にすると標準偏差が18%弱になる。ということで、新興国株式はこれから危ないんじゃないかと考えるかたには、こういうポートフォリオも考えてみた」

(水瀬注:こういうアクシデントもライブの醍醐味です(^^) 小松原氏はうまく切り抜けておられました。今後の新興国株式をどう考えるかによってアセットアロケーションが変わるというお話でしたが、カン氏同様、やはりポイントは新興国のようです。水瀬の新興国に対する考え方は、昨年のこの記事あたりに書かせていただきました。ご興味があればご覧ください)

イーノ氏
「ありがとうございます。続いて、内藤さんのアセットアロケーションをご説明お願いします」

<内藤氏のポートフォリオ>
日本株式 20%
先進国株式 20%
新興国株式 10%
日本債券 20%
外国債券 10%
日本REIT 5%
外国REIT 5%
コモディティ 10%

内藤氏
「このグラフは私の…?そうですね、かなり酔っ払ってきました(笑)。自分がやっているアロケーションと皆さまにおすすめするアロケーションは同じ。生活費については、3か月分とか6か月分とか、木村剛さんは2年分必要と言っているがある程度は必要。私は3ヶ月でいいと思っている。それから、10年以内に使うお金はアセットアロケーションには向かない。だから、生活費の3か月分と10年以内に使うお金を差し引いた残りのお金を配分するのがこのアロケーション。
資産配分の一番大きなリスクが、株価リスクと為替リスク。株式の比率を全体の何%にするのかと、外貨の比率を何%にするのかをまず最初に考える。
外貨資産は、全体の4~5割持っていていい。外貨は「持たないリスク」がある。明日1ドル50円の円高になっていたらどうか?自国通貨が高いのは素晴らしいこと。逆に1ドル200円になっていたら?困るでしょう。円安になった時に困らないために外貨資産をどれくらい持っていたらいいのかを自問自答すると、自分の場合は4~5割持っていていいと考える。
株式は、全体の5割くらい入れてもいいんじゃないかと思う。
先進国と新興国の比率は先ほどから議論になっているが、世界の株式時価総額の比率にするという考え方もあるし、カンさんのように将来のGDP比率という考え方もあると思うが、私は2:1くらいでいいのではないかと考える。新興国のほうが魅力が高いので100%にすればという考えもあるがボラティリティの問題があるので、先進国と新興国の比率は2:1にしておいて、日本株を2割すると外国株は3割になり、全体として株式は、日本が20%、先進国が20%、新興国が10%ということになる。そうすると外国株式が30%になるので、外貨比率を40%とすると、あと10%あるのでこれを外国債券に入れる。
その他資産は、REITとコモディティの2つを10%くらい入れるとすると、日本債券は20%くらいになる。そのように考えた」

(水瀬注:いわゆる「内藤式標準アセットアロケーション」です。人におすすめするアロケーションで自分も運用しているというのは、誠実さがあらわれているような気がします。一方で、お題の30代夫婦と内藤氏が同じアロケーションで本当にいいの?という点については、ちょっと調整が必要そうな気もしました。ただ、個人投資家が備えるべきなのは円高ではなく円安リスクであるという強いメッセージは、僕自身高い外貨比率で運用している者からすると心強いメッセージだと感じました。まぁ為替は予測不能だと割り切っているんですけどね…^^;)

イーノ氏
「じゃあ、田村さんのアセットアロケーションのご説明お願いします」

<田村氏のアセットアロケーション>
日本株式 35%
先進国株式 30%
新興国株式 5%
日本債券 15%
外国債券 15%

田村氏
「これは、1988年以降のそれぞれアセットクラスの代表的指数の相関係数を取って、平均リターンはGPIF、公的年金のものを使っている。新興国はGPIFにないので外国株式にプラス1.5%、これはえいや!ですけども。有効フロンティアを計算した。期待リターンが5%くらいになるように運用効率のいい組み合わせを選んだ。
住宅ローンを抱えているならそれを返済したほうがいい。余裕資金で運用するならこれくらい。ただ、今回のリーマン・ショック後の金融危機では45%くらい下がっている。このポートフォリオで考えるとリスク十数%のはずだが、一時的に下がる時には大きく下がる。ただそれでも長期で考えれば、これくらいのリターンを狙ってもいいのではないかというポートフォリオ」

(水瀬注:一時的な暴落があっても、長期ではこういうアセットアロケーションでいいんだというメッセージだったと思います。この辺のもっと詳しい考え方は、「しぶとい分散投資術」に出ていましたので、勇気をもらいたい方はご一読いただくとよいかもしれません)

イーノ氏
「ありがとうございました。ここで皆さんから質問をお受けする前に、壇上のかたが他の壇上のかたに対して、何か質問ありませんでしょうか?」


ここまでで、6名の登壇者のアセットアロケーションの説明が終わりました。
それぞれ、かなり違いがあったように思います。
日本株式だけ取ってみても、一番高い比率は山崎氏の50%から一番低い比率はカン氏の5%まで、相当な開きがあります。
アセットアロケーションに正解はないと言われていますので、大事なのは、そのアロケーションに至るまでの「考え方」だと思います。
参考になる部分がかなりあったのではないでしょうか。

次回から登壇者同士の議論が始まります。お楽しみに♪

(次回に続く)


<追記>シリーズ記事一覧
第2回インデックス投資ナイト実況レポート(その1)
第2回インデックス投資ナイト実況レポート(その2)
第2回インデックス投資ナイト実況レポート(その3)
第2回インデックス投資ナイト実況レポート(その4)
第2回インデックス投資ナイト実況レポート(その5)
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コメント

オツです!

昨晩から実況レポートの続きをずっと楽しみにしている自分がいます^^  期待がプレッシャーになってしまっていると考えるとなんだか申し訳ないですが、純粋に楽しませてもらってありがとうございますm(_ _)m

しっかし、田村さんは最高のキャラでしたね。。ぶっちゃけトークを連発し、酔っ払いながら自著を自賛する田村さんのファンになってしまいました(笑)

とてもためになります

はじめまして。いつも楽しく拝見しています。

ところで今回のレポート非常にためになり会場にいるような感覚で読ませていただきました。
私もインデックス投資ナイト行きたいのですが地方在住のため行けないのでこういった詳しいレポートはとてもありがたいです。

それにしてもパネラーのみなさんの株式投資比率は様々ですね。私は山崎さんのポートフォリオに似て株式のみで運用しているのですが、他の方の意見を見てみたら海外債券も必要なのかなと迷ってしまいます。

大変でしょうけど続編を楽しみにしています。

力作ですね!

読み応えがあり、楽しませてもらっています。
(書き応えもものすごくあるみたいですが)

アセットアロケーションの各人の違うものの、
生活防衛資金確保しとこうというメッセージはみなさん強く持っているんだな~
と感じました。

今度は内藤氏のアロケーション?

小松原氏はデータの扱いや資格(CMA)など、流石にプロって言う感じがします。
でも、これって相場が悪ければ6割程度はやられる可能性が有るので、安全資産をどうやって使うかがポイントではないかなって思います。

さて、内藤氏の場合ですが、円安リスクについて述べられているようですが、仮に1日で1$=600円に突如下落するようならば、実は金融資産以外にもヘッジ手段が有ります。
ただ一時的には絶対的貧困に陥る人も出てくるので、そこは考えなくてはなりませんが、長期的には金融資産以外でのヘッジが可能になります。
で、アロケーションですが、これってどこかの年金基金のお手本見たいな感じがします。
内藤氏のポートフォリオに物価連動国債、ハイイールド債、ヘッジファンドを加えると、どこかの大学の寄付基金のような感じになります。

田村氏のアロケーションですが、GPIFのデータから効率的フロンティアを計算し、更に期待リターン年5%の組み合わせって所が分かりやすいです。

>虫とり小僧さん

いっしょに飲んだことがあるのですが、とても楽しいかたですよ。
日経の編集委員さんなので、とても偉いかただと思うのですが…(^^;


>ぶっきーさん

僕も転勤族なので、地方在住のかたのお気持ちは分かるつもりです。
たまたま現在東京在住なので、少しでもお役に立てれば幸いです。
また地方転勤になったら、誰かのレポートを参照させていただきます(^^)


>くつさん

生活防衛資金は大切だと思います。
ただ、生活費の3か月分でいいというかたから2年分必要というかたまでまちまちですので、あとはご自分のリスク許容度と相談ですね。


>タカちゃんさん

円安に対する金融資産以外のヘッジ手段って何ですか?
もしよろしければご教示お願いします<(_ _)>

こういった想定で意見を聞けるのはほんと参考になります。
どれも参考にしたいですし、どれもにちょっと注文をつけたくなる・・・。
あーあーできればそれを現場でしたかったです(笑)

詳細レポートありがとうございます!

為替レートの変動要因を2つに分ける

通常の為替変動ならば必ずマーケット要因が有るので、その前兆は必ず現れます。
例えば、欧州通貨危機の時の1日でポンドの3割下落は(1992/09/16)、実はイギリスでは高金利時代を迎えていたので、金利で判断ができます。

では、ここでは「マーケット要因ではなく単純に1$=600円に突如下落し、その後の為替変動は購買力平価で動くと仮定」した場合についてです。
この場合は一時的には日本の食料自給率の低さと購買力低下が問題になりますが、長期的には海外との賃金格差が逆転する場合が有ります。
具体的には中国やインドとの名目賃金の関係です。
分かりやすく言ってしまえばヨーロッパ連合内での東ヨーロッパ諸国とヨーロッパ先進国を比較した場合、現在、東ヨーロッパ諸国は深刻な労働者不足で賃金が上昇しています。
ですから、ヨーロッパ先進国と東ヨーロッパ諸国との賃金格差が2倍程度になるまでは名目賃金が調整されると考えられます。
これと同じで、仮に日本の名目賃金が諸外国と比べて低くなれば少子高齢化も有るので賃金上昇圧力がかかる筈です。
その他にも食料自給率向上も期待できます。
つまり、為替下落分は長期的には賃金で補う事が出来るので今までに比べれば労働収益が期待できるようになります。
特に日本はOECD相対的貧困率ワースト4の低賃金で問題になっているだけに、円安を味方につけながらも労働で稼ぐ能力を身につける事が結果的に円安ヘッジになる筈です。
ただし、初期のころは購買力低下と食料自給率の低さも有るので、生活防衛資金が有ると有利ですし、海外ETFの配当も有れば更に有利な筈です。

ただし、マーケット要因(経常収支、金利、物価上昇率、株価、財政収支、景気格差など)が無くて1日でここまで為替が下落するって言うケースは現実論としては考えられないと思います。
大抵の場合は通貨の下落の前兆として高金利時代や経常収支の大幅な赤字を迎えているケースが多いようです。
ちなみに、日本では少子高齢化で長期的には円安って言うのは、将来、長期的には経常収支が継続的に赤字に転落すると考えられているからです。

>かえるさん

来年はぜひご参加の方向で(^^)


>タカちゃんさん

>>労働で稼ぐ能力を身につける事が結果的に円安ヘッジになる筈

そういうことでしたか。
仕事頑張らなくては。

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