第2回インデックス投資ナイト実況レポート(その4)

第2回インデックス投資ナイト実況レポート(その1)
第2回インデックス投資ナイト実況レポート(その2)
第2回インデックス投資ナイト実況レポート(その3)
の続きです。
本レポートについては、私が現場で見聞きした内容に基づいた解釈・まとめなので、曲解・誤解などがあるかもしれません。あらかじめご了承ください。

イーノ氏
「ありがとうございました。ここで皆さんから質問をお受けする前に、壇上のかたが他の壇上のかたに対して、何か質問ありませんでしょうか?」

田村氏
「内藤さんにお聞きしたい。外国債券を入れるかどうかについて。金利の高い国はインフレ率も高いので、通貨の価値は下落すると言われている。過去1980年から2008年までの試算で、日米の平均金利差は10年債で3%程度あったが、その間、円高が進んでちょうどチャラになっている。日本がこのまま成長率・インフレ率が低い状態が続いたら、更に円高が進むかもしれないというリスクがあると思うが、どう考えているか?」

内藤氏
「外国債券と日本債券は、金利差分は為替で相殺されるというのは、理論上でも実証研究でもそうなっている」

イーノ氏
「山崎さんが仰る、“外国債券と日本債券は期待リターンが同じだ”ということでしょうか?」

(水瀬注:うちのブログ記事「山崎元氏、ブログで外国債券の期待リターンは国内債券と同じだと頑なに主張」参照)

内藤氏
「そういう話だ。期待リターンが同じでも2つに分ける意味があるのかというのがひとつの論点で、もうひとつは、先進国債券と新興国債券では実質成長率が違ってくるので投資する価値があるかもしれないということ、この2点の論点があると思う。
私はなぜ外国債券を入れているのかというと、外貨比率をどうするかが重要だと考えていて、外国株式と外国債券で分けることになるが、外貨比率を4割とするなら外国株式を3割取ったなら外国債券が1割入らざるを得ない。そうすることで円安リスクを防止できると考える。日本債券と外国債券どっちがリターンがいいのかということは正直よく分からないことで、個人的には円安になると思うが、そういう観点で外国債券を組み入れている。まぁそんな感じで…」

イーノ氏
「当然のことながら、山崎さんにもお聞きしなきゃ行けないと思うのですが」(会場爆笑)

山崎氏
「期待リターンは同じようなものだと思う。円安になるか円高になるかという相場予想の次元の話ではなく、一般論として考えると、将来の支出は円で行なうわけで、外国債券を買うと、為替リスクをたくさん取ってリスクが大きくなるがほとんどリターンが増えないという状態になってしまう。ただ、外国の株式に対してはぜひ投資をしたい。日本にないビジネスを買えるし期待リターンも高いので投資したいが、どうしても為替リスクが付随してくるので、更に外国債券をかぶせると為替リスクが過大になる。
もうひとつの問題は、外国債券に投資するにあたって適当な商品が個人の場合ない。証券会社が小金持ちから手数料を引っ剥がすという意味では、外国債券というのはなかなか都合がいいアセットクラスではあるが、個人が資産形成する上では、生債券は信用リスクの判断が難しいし、分散投資したいといっても具体的商品名は言わないが相当なボッタクリファンドが多い。外国債券は、期待リターンが特に高いと想定しない限りリスクを拡大するということになるので、あまり買いたくない。
ちなみに、国家公務員共済の運用委員会のメンバーをやっているが、そこでは外国債券は持っていない。ただ、GPIFでは外国債券を少し持っているが、積立金の運用方法を検討中で、その委員会に出ているとひっちゃかめっちゃかで、ここでの意見の違い方よりももっと極端な意見の違いがある。
年金がそれじゃ困るのだけれども、まぁ個人の資産運用で言えば、先ほどからいろいろなパターンが出てきたが、どれをやってもそう差し支えないだろうなとも…」

(会場、ズコーーーーーーーーーーッ ^^;)

内藤氏
「変わりましたね山崎さん、なんか人格が…」

山崎氏
「まぁちょっとね」

内藤氏
「円熟の域に?」(会場爆笑)

山崎氏
「ただ、基準を決める良し悪しはハッキリあるとは思いますけどね」

イーノ氏
「次の質問行きましょうか」

内藤氏
「はい。カンさん以外のかたは、かなりホームバイアスがかかっていると思われる。円資産の比率が高くなっている傾向があるが、それはどうしてか?」

イーノ氏
「全員に聞くと時間がかかってしまうので、小松原さん、竹川さん、カンさんに、ホームバイアスについて意見をお聞きします」

小松原氏
「日本株式・日本債券を多くしようとする根拠は、老後取り崩す時は円なので円をもっていようと言われたりするが、要は外国株式・日本株式などの期待リターンとリスクをどういうふうに推計するかでウェイトは判断される」

カン氏
「私はそんなに頭が良くないので、“国がない”と考えている。日本人が投資するのも、マレーシア人が投資するのも、フランス人が投資するのも、収益の機会を求めて、自分が持っている限りある資本をどう振り分けるか、単純なんですよ。なので、私のポートフォリオの意味は、先進国(日本含む)と新興国を半分半分でいくというだけ。これでマレーシアの人にもわかっていただけるのではないかと」

竹川氏
「私は日本比率は45%なのでそんなに高いと思っていない。日本は金融サービスが進んでいないので、欧州のようにいろいろな通貨で先進国と新興国に投資をして、今はユーロが有利なのでユーロで決済しようとか、米ドルで決済しようとか、もっと世界的に投資をして、なおかつ使っていく部分でも世界的になれば、もうちょっと海外資産を増やしたいなとは思う」

山崎氏
「はい」

イーノ氏
「どうぞ」

山崎氏
「端的に、将来円で支出するから。ライアビリティが円だから、円建ての資産が増えるということ。もうひとつは、為替のヘッジを前提としていないということ。為替ヘッジをかなりオペレーションできるとするならば、私のポートフォリオ(日本株50%)では、日本株は20%くらいに落ちるんじゃないかと思っている」

イーノ氏
「じゃあ、会場からのご質問をお受けします。ご質問あるかたー?」

観客さんA
「ハイ!」

イーノ氏
「どなたに質問するかをご指定ください。もしなければ私の方で指定させていただきます」

観客さんA
「山崎さんと皆さんのプロレスが見たいんですけど(笑)、外国債券に関して、先ほど内藤さんのコメントはいただいたが、竹川さんやカンさんもどういう意味合いを持って外国債券を入れておられるのかお聞きしたい」

イーノ氏
「ではまず山崎さんに、もう一度くり返しになるかもしれないが、なぜ外国債券を入れていないのか一言もらってから、竹川さん、カンさん、内藤さんにコメントいただきたいと思う」

山崎氏
「外国債券の期待リターンが円債の期待リターンよりハッキリ高いと考えられないから。それから外国債券を入れたらリスクは増えるの?減るの?それは効率はいいの?ということを聞きたい。なんらかのウェイトがあるならば、その裏側には期待リターンとリスクの想定が必ずあるはずだから……もう少し激しく言った方がいい?(会場笑)そこの所の前提条件をごまかして、例えば、将来円安になるのではないかというような話でちょっと入れてみたら?などというのは、インデックス投資ナイトにいらっしゃるようなお客さんに対しては失礼ではないか。もっとちゃんとした根拠を示すべき!」

イーノ氏
「かなりハッキリと論点が提示されたので、竹川さん、カンさん、内藤さん……もういいやその他全員におうかがいしちゃいましょう」

内藤氏
「田村さんは酔っ払っているんでしゃべらないほうが…(笑)」

(水瀬注:僕もいっしょに飲んだことがありますが、田村氏の飲んだくれキャラ(失礼)はサイコーです^^)

竹川氏
「なんかねー、また難しい話になっちゃったけど。さっきも言ったが、使っているデータの期待リターンは、2009年度の国内信託銀行平均を使っている。国内債券が1.1%、外国債券が2.2%と、外国債券のほうが極めて高いかというほどでもないが高い。まぁリスクについてはたしかに、日本債券2.3%、外国債券10.5%と外国債券が高くなっている。なので、期待リターンの割にはリスクが高いといえる。でも、リターンがそれほど変わらなくても、分散効果を考えた時に若干なりとも入れておいたほうがいいという考え方」

カン氏
「ちょっと酔っ払ってきてるのでシンプルに。皆さん映画をご覧になると主役と脇役で分かれますよね?ポートフォリオでは、主役は株式だと思う。脇役に債券をもってくる場合に、1人の脇役を持ってくるのか2人の脇役を持ってくるのか。ドラマがどのように展開してどれだけ面白くなるか、面白くなくなるか?以上です」(会場、えっ?という感じに包まれる)

(水瀬注:要するに、将来どのアセットクラスが上がるか分からないので投資しておくということだと勝手に理解しました)

小松原氏
「面白いですねー。いろんな考えかたがあると思う。私のポートフォリオに外国債券が入ってきていないのは、かなりハイリスク・ハイリターンのポートフォリオにしているから。外国債券と他のアセットクラスの相関係数を計算するとそうなる。現在米国を中心に超低金利政策を続けている。こういった状況の中での債券投資というのは、タイミング投資をすすめているわけではないが、非常によくない」

山崎氏
「タイミング投資をすすめてるみたい。“アセットアロケーションの父”とも思えぬ発言だが…(笑)」

(水瀬注:イボットソン・アソシエイツ社は、投資収益率のデータ分析、アセットアロケーション・コンサルティングなどで世界的な信頼と評価を受けている企業です。イボットソン・アソシエイツ・ジャパンはその日本法人です)

小松原氏
「アロケーションが重要だというのはアロケーションを変えてはいけないということを言っているわけではないんですよねー。本音で言ってしまうと、債券投資は簡単だ。金利が低い時には債券に投資すべきではないというだけ。昔、ある銀行に勤めていたが、利回り9.6%が付いた商品があった。その時、前日から多くの投資家がすごい列で並んだ。コレ大正解」

山崎氏
「長期信用とかいう、全然信用できなかった銀行ですね(笑)」

(水瀬注:うひゃーーー ^^;;)

小松原氏
「10年で倍以上になった。債券は利回りの高い時に投資するべきであり、仮に日本の金利が8%ついたら、もう株式買う必要はない」

イーノ氏
「内藤氏お願いします」

内藤氏
「先ほども言ったが、外貨比率をどこまで取るかということがある。外国債券の定義が人によって違う。私は為替リスクのある金利型の商品だと思っているので、例えば外貨MMFも外国債券に入れる。短期金利商品なのでデュレーション、金利変動リスクはあまりない。
もうひとつは、リスクと期待リターンの関係だが、アセットクラス間の相関を考えなくてはいけない。それをトータルに考えると10%くらいは持っていてもいい。大事なことは外貨資産を持たないリスクに備えるということ。
海外旅行も行かないし、日本でずっと生活するといっても、日本で買うものは外貨に連動している。例えばワインはユーロが高くなれば日本円の値段が高くなる。ヴィトンのバッグも、オージービーフも、中国のチンゲンサイも同じ。輸入品の値段が円安になると上がるというリスクがある」

山崎氏
「それなら外国株式で外貨資産を持てばいいんじゃない?」

内藤氏
「そうすると相関の問題になる」

山崎氏
「期待リターンはどれくら高い想定か?」

内藤氏
「外債も円債も同じくらいだと思う。山崎氏と同じ。ただ、新興国債券は、もしかしたら実質成長率が高い分、投資するメリットはあるかもしれないと思うが、日本に効率的に投資する商品があるかどうかは別問題」

山崎氏
「ライアビリティサイドの外貨比率はどのくらいの想定?」

内藤氏
「4割くらいだと思う」

(水瀬注:その後しばらくライアビリティについての解説とやりとりがありましたが、水瀬の理解不足でうまく表現できませんので、飛ばさせていただきます。すまんです^^;)

田村氏
「山崎さんとはたまにお酒飲ませていただくが、皆さんここで聞いていると山崎さんは毒吐きっぱなしみたいに思うかもしれないけど、飲むと非常に、いや飲まなくてもいい人でですから(笑)
外債の話になると、なぜ私は入れたほうがいいと思うかというと、期待リターンは同じかもしれないけれど、各アセットクラスで何が上がるか分からないということ。ITバブル崩壊の時は2000年から国内株が元値に戻るまで5年間かかっていたが、その5年間で外国債券が9割も上がっていた。その時に外国債券持っていなかったら悔しいと思う。同じように2007年当初、日本債券なんて超低金利で投資妙味ナシと言われていたが、終わってみれば一番リターンがいいアセットクラスは日本債券だった。要するに分からないので、ある程度ちょっとずつ入れておこうという考え。このデータは、小松原さんからのデータ提供に基づく僕の「しぶとい分散投資術」に書いてあるので、あの、いい本なので買ってください」(会場笑)

イーノ氏
「ありがとうございました。では一旦休憩に入ります。お疲れさまでした!」

軽やかな音楽とともに登壇者退席。


非常に面白いやりとりが続いたと思います。
山崎氏の「ほぼ外債不要論」に対して、いろいろな反論が出ていました。
うちのブログでも白熱した議論になっていたテーマで、各登壇者がどう答えるのか非常に興味深かったです。
何を信じるかは、投資家それぞれが判断すればいいと思います。

また、この辺になってくると、登壇者の口も滑らかになってきて、本や雑誌ではなかなか出てこないような本音トークがズバっと出てきたりして、面白かったです。
こういうのがライブの良さだと思いました。

※実は、この後、来場者との質疑応答の時間がしばらくあったのですが、水瀬痛恨の取材機器操作ミスでソースがありませんので、質疑応答のレポートは割愛させていただきます。申し訳ありません<(_ _)>

(次回に続く)


<追記>シリーズ記事一覧
第2回インデックス投資ナイト実況レポート(その1)
第2回インデックス投資ナイト実況レポート(その2)
第2回インデックス投資ナイト実況レポート(その3)
第2回インデックス投資ナイト実況レポート(その4)
第2回インデックス投資ナイト実況レポート(その5)
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コメント

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臨場感溢れるレポートありがとうございます!
その1~4まで楽しく読ませて頂いております。
大変でしょうが次回以降も期待していますね。
なお私個人は、
円債・外債の期待リターンは一緒だと思うけど、
リバランスでの利ざや期待で組み入れる派です。
田村氏の考えに一番近いかもしれません。

参加が出来なかったのでこの様な記事を載せていただけて大変助かります!
ありがとうございます!

初心者ですが
次回はぜひ参加したいと思っています。

感謝

詳細レポートありがとうございます!
とてもとても参考になりました。

「どうせ先のことはわからないのだから、外債も入れておこう」ということで私もこの意見に賛同です(笑)
2次会では虫とり小僧さんと早々に席をあとにしてしまいましたが、また次回いろいろとお話し出来ればと思ってます。

>SJPさん、じろらもさん

うちのブログの議論でも「何が上がるか分からないから外債にも分散」というかたがけっこういらっしゃいました。
その辺が「ほぼ外債不要論」に対する反証の落としどころなんですかね。


>のぼりさん

参加されるときっとレポートの何倍も楽しいですよ(^^)

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