三菱UFJ投信の第2回ブロガーミーティングに行ってきました(その3) インデックスファンドのファンドマネージャー

水瀬ケンイチ

前回までの記事、
「三菱UFJ投信の第2回ブロガーミーティングに行ってきました(その1) eMAXIS新興国株式インデックスの実質コスト」
「三菱UFJ投信の第2回ブロガーミーティングに行ってきました(その2) 追加ラインナップ関連情報」
の続きです。ちょっと長いですが、今回が最後です。

今回は、個人的に興味深かったお話について書きます。
それは、インデックスファンドのファンドマネージャーさんについてです。

以前、どこかのブログか雑誌か忘れましたが、「アクティブファンドはファンドマネージャーが銘柄選定と売買をしているのでコストが高いが、インデックスファンドは機械が管理しているだけなのでコストが安い」というような説明を見たことがあり、「いやいや、インデックスファンドにもファンドマネージャーはいますから!」と心の中で突っ込んだ記憶があります。
でも、実際、インデックスファンドのファンドマネージャーさんというのは、どのようなかたでどのような仕事をしているのかは、知る術がありませんでした。
(インデックスファンドのファンドマネージャーをやっているというかたからブログにコメントをいただいたことはあります)

今回のブロガーミーティングには、eMAXISシリーズのファンドマネージャーさん達が同席しており、コミュニケーションを図ることができました。
まずは、インデックス運用の仕事内容について説明をしてくれました。



三菱UFJ投信のパッシブ運用部では、41本のインデックスファンド2兆9000億円分を11名という少数で管理しているそうです。平均で1人4本くらいのインデックスファンドを運用していることになります。

仕事としては、指数との連動性とポートフォリオ構築コストのトレードオフ関係があり、運用者のセンスが問われるとのこと。完成度の高い市場のミニチュアを低廉なコストで実現するのは、職人芸っぽさもあり、意外と人間くさい仕事なんですね。
特に、日々の資金の出入りが曲者のようです。
10億円なら10億円を抱え込んでずっと運用するだけなら、指数の銘柄入れ替えの時だけ仕事をすればいいだけで楽だけれども、日々の資金の出入りを反映させて、かつ指数と連動させなくてはいけないところが難しいそうです。

以下に、海外債券と国内株式のインデックスファンドのファンドマネージャーの一日の仕事を、配布された資料より引用したいと思います。仕事ぶりのイメージが湧くのではないでしょうか。


<海外債券インデックス・ファンドマネージャーの一日>

07:40 出社 市況チェック
08:30 朝の打ち合わせ、ファンドのポジションチェック、前日決めた売買案の微調整
~09:30 為替発注(仲値)
~10:00 債券発注
10:30 確報データ到着 ポジションチェック(ファンドに当日設定・解約される確定データをチェック)
11:00 昼食
昼過ぎ 午前中に発注した分の売買結果チェック、リストチェック、開示原稿の作成
14:00以降 翌日以降に設定・解約される概算データが到来、翌日発注する売買案の作成開始
17:30 すべての概算データ(含むeMAXIS)入手
~18:00 債券発注(大口取引の場合)
18:30 翌日発注する売買案の確定 ポジションチェック
19:00 退社


<国内株式インデックス・ファンドマネージャーの一日>
 
08:20 出社 市況チェック
08:30 朝の打ち合わせ
~09:00 夜間の先物売買状況を確認、出来高分を発注
09:30 ETF(上場投信)開示作業
10:30 確報データ到着 チェックのうえで調整売買分を発注
11:00 昼食
昼過ぎ (大口連絡があれば)売買案を作成、発注
14:00 設定・解約情報到来
~15:00 資金フロー見合いの売買を市場引けまでに発注
17:30 すべての概算データ(含むeMAXIS)到来、先物発注
18:30 翌日発注する売買案の確定
19:00 退社


どうやら基本的に、ファンドの注文情報を夕方に受け取って、ポートフォリオ売買案を作り、翌日発注する、ということの繰り返しのようです。
ファンドマネージャーのかた曰く、「このような日々の作業の繰り返しなので、夜遅くまで飲みに行ったりするのは苦手」とのこと(笑)
個人的な感想ですが、インデックスファンドの持つ実直なイメージどおり、ファンドマネージャーの皆さんも、誠実で真面目そうなかたばかりでした。

インデックス投資というと、数字と計算という無機質的なイメージを抱いている方がいらっしゃるかもしれませんが、その数字の向こうには、ファンドマネージャーさんの実直な仕事があるということが再確認できました。

最後に、全体を通して、eMAXISインデックスファンドシリーズの運用報告だけでなく、運用会社の内情を少しうかがい知ることができ、大変有意義なミーティングでした。
前回の記事でも書きましたが、三菱UFJ投信さんには個人投資家の声を聞こうという意思、そして自分達も知ってもらおうという意思が感じられました。
それが、このレポートで読者の皆さまに少しでも伝われば幸いです。

(おわり)

追伸1
今回のブロガーミーティングで配布された資料は、後日三菱UFJ投信のWEBサイトで公開予定とのことなので、ご興味があればご覧いただければと思います。

追伸2
今回のブロガーミーティングがモーニングスターの記事になっていました。
『会場のブロガーからは「(割安株で構成された)バリュー・インデックスに連動するファンドを扱ってはどうか」との提案が出た。』とありますが、そいつは私です(笑)
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Posted by水瀬ケンイチ