国内運用会社の利益率は欧米の3分の2

水瀬ケンイチ

国内運用会社の利益率は欧米の3分の2だそうです。

ロイター 2010/05/17より引用】
国内運用会社の利益率は欧米の3分の2
「日本の資産運用会社の利益率は欧米運用会社の3分の2」──。野村総合研究所(NRI)が米コンサルティング会社と共同でまとめたリポートでこんな結果が明らかになった。

公募投信ビジネスのコスト負担が大きく非効率なことが要因で、国内運用会社が競争力を強化するためには、投信の集約、国内資産に集中するホームカントリーバイアスの修正、インセンティブが働く報酬体系の導入が必要と提言している。
【引用おわり】

提言として、(1)投信の集約、(2)国内資産に集中するホームカントリーバイアスの修正、(3)インセンティブが働く報酬体系の導入、をあげていますが、個人的には(1)(2)には賛成、(3)には反対です。




(1)の投信の集約はいちばん重要だと思います。
日本には現在、3,000を超える投信があると言われています。なかには、設定時だけ持てはやされ資産額を集めた後は資産額を減らし続け、ごく小規模のまま「流され」ている投信が数多くあります。
記事の「競合他社の商品の模倣や、販売会社が回転売買させている一過性の強い商品に無駄な時間を費やすべきではない」という指摘はごもっともだと思います。
こういった投信でも、償還しない限り運用は続けられ、運用報告書作成などの管理は継続していかなければならないので数が増えれば増えるほど効率は落ちていくでしょう。

余談ですが、以前twitterで似たような話が話題に上った時、僕が冗談で、「数の大半を占める運用成績下位のダメファンドを全て合併し、パッシブ運用の“ゴメンナサイファンド”でも作ればスッキリする」と言ったところ、「そうだそうだ」「感動した」という予想外に大きな反響をいただいて驚いたことがあります。


(2)の国内資産に集中するホームカントリーバイアスの修正も重要だと思います。
日本の運用会社ですから日本市場に強みがあるのは分かりますが、縮小傾向の日本市場にこだわり過ぎると、儲からない投信が増える可能性が高まってしまいます。

投資家側から見ると、グロソブ人気や通貨選択型投信人気に見られるように、(分かっているのかいないのかは別にして)意外とホームカントリーバイアスは強くないのかもしれません。
日本だけでなく周辺のアジア各国などに対しても強みを持ってほしいです。


(3)のインセンティブが働く報酬体系の導入については反対です。
投資家側としては、成功報酬型の投信が増えてもらってはたまりません。
記事では、「グローバルな運用会社を見習い」と書いてありますが、これは悪しき慣習だと思っています。
時折、ヘッジファンドが暴走して市場に深刻なダメージを与えたりしますが、この成功報酬型の報酬体系が、運用者の「リスクを取るだけ取って大勝負した方が得」という判断に結びついてしまうと、とんでもない運用がまかり通ってしまうのではないかと危惧します。


日本の運用会社には、(1)(2)あたりを改善して、利益率の向上を図ってほしいです。
あ、「利益率の低いインデックス商品はやめる」というのはナシでお願いしますね(^^;
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Posted by水瀬ケンイチ