購買力平価は大正初期から成り立っていた

水瀬ケンイチ

日経電子版に、金利と為替についての良記事が掲載されています。


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高金利通貨はずっと上昇する? 外貨投資の誤解(1)


詳しくは上記記事をご覧いただきたいのですが、無理矢理ひと言でまとめると、「高金利通貨は下落して日本円との金利差は消える」ということです。
いわゆる購買力平価説です。それを長期のデータを用いて解説しています。
一例ですが、これは日本債券と外国債券の総合リターンはほぼ一致しているというグラフです。

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(日経電子版上記記事より引用)

これをもって、「ほぼ一致している」と言っていいかどうかは少々疑問(始点と終点は一致してるが途中はややブレ?)ですが、少なくとも、外国債券クラスのリターンが日本債券クラスに大きく勝っているようには見えません。

もうひとつ、びっくりなのが……


これは円ドルにおける購買力平価が1913年、つまり大正初期から成り立っていたというグラフです。
photo_20100524_2.jpg
(日経電子版上記記事より引用)

これにはやられました。円ドルレートと購買力平価がほとんどピッタリに見えます。(ただし、対数グラフであることを割り引いて見る必要はあると思いますが)
今まで、購買力平価説については、為替の変動要因の一要因に過ぎず、実際には他の様々な要因の影響を受け、理論どおりの動きにはならないことも多いという認識でした。
ところが、この記事を読む限り、30年とか100年とかの長期スパンで見ると、少なくとも日本円とドルなどに関してはかなり購買力平価に近い動きになっているということがわかりました。

ところで、以前、ポートフォリオの債券クラスに外国債券クラスを組み込むべきかどうかについてブログで議論になりました。
購買力平価により、日本債券クラスと外国債券クラスの期待リターンが同じなら、為替リスクを負う外国債券クラスを持つ理由は乏しいのではないかというお話でした。
上記のデータを見ると外債不要論派が勢いを盛り返してきそうです。
(関連記事)
2009/12/06 ポートフォリオの債券クラスに外国債券クラスを組み込むべきかどうか
2009/12/28 山崎元氏、ブログで外国債券の期待リターンは国内債券と同じだと頑なに主張

ちなみに、日経記事では、そうはいっても外貨投資は分散効果と円安対策の観点から必要と言っているようです。(「外貨投資」と言って、「外債投資」とは言っていないところがミソですが)

自分の考えとしては、上記関連記事の時と変わらず。
ポートフォリオにおける債券クラスの比率はそのままに、そのなかの日本債券:外国債券の比率について、日本債券クラスを徐々に増やしている最中です。いずれ外国債券クラスの比率と逆転させて為替リスクを抑えようと目論んでいます。(2010年1月時点でこのくらいの比率。現在はもっと進捗してるはず)

最終的に外国債券はゼロにするのか?そこはまだ悩み中であります(^^ゞ


※言わずもがなですが、投資判断は自己責任でお願いします。
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Posted by水瀬ケンイチ