楽天証券サービス開始11周年記念投資セミナー、小泉純一郎氏&竹中平蔵氏講演メモ

水瀬ケンイチ

楽天証券サービス開始11周年記念投資セミナーに参加してきました。
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2010/04/19 楽天証券サービス開始11周年記念投資セミナーのゲストがすごい

たくさんのゲストが講演をしていましたが、目玉である小泉純一郎氏と竹中平蔵氏の講演について、備忘録代わりに気になったキーワードをまとめておこうと思います。
(長文注意)


■小泉 純一郎 氏 (元内閣総理大臣/国際公共政策研究センター顧問)
「日本の歩むべき道」

・政権交代はあってよかったが、川柳「自民党 らしさ出てきた 民主党」になっている
・民主党は一般会計・特別会計の無駄を省けば15~20兆円は簡単に出てくると言っている。期待したいが無理だろう
・民主党が言っていた国債発行減らす、4年間消費税上げない、いずれも実行できなかった
・高速道路と郵政といういちばん大きな税金を使っていたところを民営化して自力運営させてきたが、高速無料化や郵政改革後退で逆行している
・後期高齢者医療制度、差別法案だと批判された。ネーミングは悪かったが一律にできるわけがない
・日米安保は基軸であるが、当時米国偏重と批判された。最近民主党も学んできて同じ事を言っているが批判されていない。マスコミも冷静になってきた。政権交代してよかった
・この50年で戦争に巻き込まれなかったのは日本だけ

・日本はピンチをチャンスに変えるのがうまい
・過去石油ショックでパニックになった。理由は①備蓄なかった、②省エネやってなかった、③代替エネルギー取り組んでなかった。それを少しずつやっていき克服してきた
・今や環境・地球温暖化対策の取り組みで日本は世界に評価されている
・寿司ロボット、米から石や砂利を取り除く技術など、少しでも便利なものをという技術
・日本経済全体の発展のためには世界を見なくてはいけない

・変化しなければならない部分と変えてはいけない部分がある
・明治時代は素晴らしい時代だと言うが、国民は大変だったはず
・『自助論』(サミュエル・スマイルズ著)、『学問のすゝめ』(福沢諭吉著)
・時代が変わっても、ひとりひとりの独立が大切
・チャンスを掴むためには準備が必要。いつかチャンスが来る。楽天的にいこう

前半は、民主党が小泉政権時代の改革路線を逆行させていることに対して警鐘を鳴らしつつ、後半は、日本人のピンチをチャンスに変える力を見直し、国民ひとりひとりが独立して頑張ろうと発破をかけてくれたように感じました。


続けて、竹中平蔵氏の講演のメモです。


■竹中 平蔵 氏 (慶應義塾大学教授 グローバルセキュリティ研究所所長)
「グローバル経済と日本の進路」

・グローバル経済はラブ=LUVがキーワード
・L字回復は欧州経済、U字回復は米国経済、V字回復は中国をはじめとした新興国
・欧州→ギリシャ問題は100年で50回のリスケと言われ今に始まったことではないが、EUの3%のウェイトしかない
・むしろ問題はスペイン(EUの12~13%)で、国債を仏独の銀行が持っているのが懸念材料
・米国→会ったサマーズ氏は自信たっぷりに「金融機関のBSは多少傷ついたが、米国経済のファンダメンタルはなんら傷ついていない」
・問題があるとすれば、当面の財政政策のEXIT、正常化の道筋が描かれていないこと
・中国→リーマンショック直後も8.7%成長、今年10%成長と言われている
・今年日本のGDPを上回る。8年後、日本のGDPの2倍に
・経済成長に加え元高により、意外に早く米国GDPを上回るかも
・しかし、2010年代半ばに生産年齢人口の伸びは止まり、社会的反動が出てくる不安要素がある

・日本→今朝の日曜討論を見ていると菅さん正直大丈夫か?
・将来を考える時、事実を把握するべき。マスコミ情報が事実と違うことがよくある
・失われた20年は×。失われた12年、下げ止まった5年、最も失われた3年というのが正しい
・失われた12年は1%成長、下げ止まった5年は2.2%成長。不良債権処理と郵政民営化、雇用100万人増加、財政赤字は28兆→6兆円に減少
・G20で各国が財政赤字を減らす方針のなか、日本だけ例外だった理由は何故か?
・他の国は需給ギャップを埋めてデフレ脱却したので財政再建へ。日本はまず需給ギャップを埋めてデフレ脱却しなさい。財政再建はその後だという意味
・経済を民間の活力を活性化して税収を上げる
・民主党の最大の問題は、未成熟な政権交代をしたこと
・政権交代は必要だ。しかし例えば、英国の労働党のブレア氏が首相になった。何をしたかというと、サッチャーがやったことを批判しながら、しかしサッチャーがやったいい事を全部取り入れて、労働党らしいことをちょっと付け加えてうまくやった。これこそ政権の継承だ
・民主党は感情的に全否定した。この9ヶ月大混乱。経済も郵政も

・とはいえ、菅さんはリアリスト。外交は日米同盟の深化と言って学んでいる。しかし経済は×
・小泉政権は小さな政府と言われるが、GDPに占める割合は横ばいだった。増やしていないだけ
・増税しても経済成長するのは2つのケースしかない。1つは大恐慌で民間が金を全く使わない時、もう1つは民より官の方が賢い時。現在はそのどちらでもない
・大きな政府を目指すなら、何%経済成長させるのか明示すべき。「強い経済」とか抽象的な言葉は×
・次第に現実が見えてきたところはある。法人税引き下げを言い出した。去年の民主党のマニフェストにはどこにも書いていない。しかし、どのように何%にするかという議論がない
・私なら香港並みの17%にするべきだと思う。極めて簡単にできる。子供手当てをやめればいい
・現在の法人税10兆円、子供手当て5.6兆円。56%の比率に法人税を下げられる。40%→17%になる。チャンスはある

・消費税を引き上げる前にやるべきことがある
・アルバート・アリシナ(?)が戦後世界中の財政再建が行われたケースを取り上げて、うまくいくケースとうまくいかないケースに結論を出した
・うまくいかないケース。まず増税すること。経済悪く、国民の不満が出る、政府が転覆して増税ができなくなる
・うまくいくケース。経済成長させる、税収増やす、公務員の給料を減らす、厳しいが社会保障を切り詰める、その上で増税する、これが成功する法則
・日本には技術・資本があり優秀な人材もいる。政府がしっかりとしたリーダーシップを発揮すれば日本経済は良くなる。2005年、郵政民営化を決めた年、日本の株価は42%上がった。これが日本経済

・1981年の仏ミッテランを菅さんに参考にしてほしい
・現在の民主党と似ている。①企業の一部を国有化、②家族手当支給、③法廷労働時間短縮やった。→仏経済ガタガタに
・ミッテランは2年かけて政策大転換をした。その時、大義名分として「欧州統合」をうち立てた。そのために約束が守れないが許してと。もうひとつ、シラクという政敵を政権に入れたことにより、必然的に政策が変わるようにした
・菅さんもやっている。大義名分は「脱小沢」だ。シラクに当たるのは「連立の組み替え」だろう。可能性はある
・菅さんの立場で小泉・竹中を褒めなくていい。貶していいから、実際の政策を取り込んで自分のフレーバーを上乗せして、しっかりとやっていってくれればいい

・民主党のかた全員に言いたい。一人一人と話すと話が分かる。しかし「わが党にもいろいろありまして」とか大企業の中間管理職みたいなことを言う。政治家なんだからリスクを取ってほしい
・小伝馬町に小さな公園がある。そこに吉田松陰の辞世の句がある。「身はたとえ 武蔵の野辺に 朽ちぬとも 留め置かまし 大和魂」。私の命がたとえこの武蔵野の野で終えることになっても、この国を思う心を留めておこうという意味
・当時、国を改革しようとすると命を奪われることがあった。今、改革をしようとすると、自分も経験したが無茶苦茶言われることはあっても命を奪われることはない。ぜひ民主党の若い政治家にはそのことを肝に銘じて頑張ってほしい


竹中氏は講演がうまいですね。理路整然としていて、聞いていて納得感がありました。
過去の事実の再認識から始まり、民主党政策の悪いところを指摘し、改善案を諸外国の例を参考に具体的に提言していました。最後は、民主党の政治家への熱いメッセージまでありました。

自民党の二人とも揃って、政権交代はして良かったと言っています。
自民党政権が長く続いてきた弊害は大きなものがあるのでしょう。
あとは民主党に政策の中身をしっかりしてほしい、ひいては日本が良くなってほしいという切実な思いが、二人から感じられました。

小泉氏の講演は、Ustreamでインターネット中継されていましたが、竹中氏の講演は中継されていなかったようです。
ですので、竹中氏の講演部分を厚めにメモしてみました。これでもかなりかいつまんでいますが。
皆さんの何かのご参考になれば幸いです。


※本記事は、水瀬のメモとあやふやな記憶をもとにまとめたものですので、誤解や曲解があるかもしれません。予めご了承ください。
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Posted by水瀬ケンイチ