マイアセットアロケーションを肴に語る(その5) どう自分を納得させているか

水瀬ケンイチ

前回の記事、
マイアセットアロケーション
マイアセットアロケーションを肴に語る(その1) ポートフォリオが非常識な理由
マイアセットアロケーションを肴に語る(その2) 高い株式比率について
マイアセットアロケーションを肴に語る(その3) ああ、悩ましい外貨比率
マイアセットアロケーションを肴に語る(その4) 高い外貨比率の理由
の続きです。今回でこのシリーズは最後になると思います。


僕の資産運用には、高い外貨比率の悩みが常について回ります。
為替が円安になったら儲かりますが、円高になったら損します。そして為替の動きは、株式のように長期で上昇していく方向性を持ちません。つまり今後の為替動向は読めないと考えています。
そこで、高い外貨比率について、僕がどう自分を納得させているかについて書きたいと思います。

○ 自分への言い訳(1) 今後もらう給料は全て円建てじゃないか
早期リタイアするまでの間、当分はサラリーマン身分が続くわけですが、当然ながら給料は円建てでもらいます。その中から、投資資金を毎月追加していくわけです。つまり、今後も継続的に円建て資産が入ってくるということです。
それなら、資産運用途中に恐怖の円高になっても、その時はむしろ有利なレートで外貨資産を追加購入できるチャンスということになります。たとえ、恐怖の円高傾向が続いたとしても、有利なレートでの外貨資産追加購入の継続により、そのショックを相当程度和らげることができるのではないでしょうか。

○ 自分への言い訳(2) 円高に強い銘柄があるじゃないか
一般的に、円高になると、日本株は下落する傾向があると言われています。しかし、中には、円高で逆に儲かると言われている企業もあります。例えば、原料の大半を輸入している電力会社や石油会社等です。こうした企業の株を持っていることで、少しでも円高抵抗力を高めることができるのではないでしょうか。
前回の記事で指摘したように、日本株式クラスは、必ずしも現代ポートフォリオ理論が当てはまるとは限らないと考えているので、インデックスファンドだけでなく、個別企業銘柄でもチャンスがあるような気がしています。個別銘柄選定の基準は人それぞれあると思いますが、そのひとつに、「円高で儲かるか」という観点を加えてみてもいいのではないでしょうか。

○自分への言い訳(3) FXでいつでもばっちこーい!
外国為替証拠金取引(FX)は、個人投資家が為替ヘッジでき得る、最も有効な方法だと思います。
僕は、円高進行局面で、いつでもドル売りポジションを取れるように、普段から練習を積んでいます。
ただし、株でもそうですが、為替相場も動く時には一気にドカーンと動くので、間に合うかどうかは腕次第だと思います。
ドル売りポジションで常時為替ヘッジという戦略もありますが、そうするとマイナスのスワップポイントで、粛々と資産を削られていってしまうところが悩ましいです。しかも、日本の超低金利政策のおかげで、日米の金利差が大きく、マイナススワップポイントも大きくなっています。「削られる」じゃ済まない額になってしまいます。世間で言われているように今後日本の金利が上昇してドルと遜色なくなったら、ドル売りポジションで、常時為替ヘッジも検討に値するのではないでしょうか。

○ 自分への言い訳(4) 米国民以外の人はみんな同じ立場じゃないか
自分の非常識なポートフォリオを睨みながら悩み悶えていて、ふと気づいたのは、米国以外の国の人にとってみても、同じ悩みなんじゃないだろうかということです。
全世界のGDPの46.1%、株式時価総額の49.4%を米国が占めており、国別に見るとダントツです。この国へ投資するということは、イコール、ドル建て資産を抱えるということです。ということは、別の通貨の国、例えばポンドの国イギリスや、ユーロの国ドイツ、豪ドルの国オーストラリアの国民も、国際分散投資で米国を中心に据えようとすると、どうしても為替リスクを負わなくてはいけないということになります。
だからなんだという話ですが、世界的に見たら、米国民以外みんな相当程度の為替リスクを負わざるを得ないのだと思ったら少し気が軽くなりました。(もちろん米国民でも、積極的に為替リスクを負っている人もいると思います)



とまあこんな事を自分に言い聞かせて、自分を納得させているのであります。
あわせて、あくまで僕個人の勝手な予測としては、将来的には円安気味に推移するのではないかと考えています。(ただし、為替予測はプロでも当たらないと言われていますので、僕の予測など参考にしないようお願いします)

最後に、将来の課題として、「究極の為替リスク対策」について。
非常に悩ましい為替リスクですが、極論すれば「お金を使う際の問題」なのだと思います。物やサービスを買うのに、必要なお金が、通貨によって大量だったり少量でよかったりするだけの話だと言えます。
そこで、日本(円建て)・米国(ドル建て)・ユーロ圏(ユーロ建て)にそれぞれ口座を開設し、そこでそれぞれの通貨ベースの株式クラス・債券クラス・流動性資産クラス等を保有します。流動性資産は、デビットカードorクレジットカードでいつでも引き出したり、支払ったりできるようにします。
そして、お金を使う際には、為替レートが最も高い通貨の口座のカードで支払いを行なうようにします。円高になったら日本のカードで、ドル高になったら米国のカードで、ユーロ高になったらユーロ圏のカードで支払うという具合です。
これで、常に有利な通貨で物やサービスを購入できるので、為替リスクを完全にヘッジできるということになるのではないでしょうか。
もっとも、この体制を有効活用するには、3つの口座に流動性資産をそれぞれたっぷり用意しなくてはならず、相当巨額な資産が必要になりますが、いつかはこうしたいなあという夢としてあげておきます。

以上、マイポートフォリオを肴に、悩みやら対策やらを語ってみました。あくまで、いち素人個人投資家の考え方なので、間違い・極論等いろいろあろうかと思いますが、ご覧の皆様の何かのご参考になれば幸いです。5回にわたって、長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。

(おわり)
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Posted by水瀬ケンイチ