投信の乗り換え勧誘監視、それがあろうとなかろうと。

水瀬ケンイチ

証券会社による投信乗り換え勧誘を監視するそうです。

【日経新聞2010/08/06朝刊4面より引用】
投信の乗り換え勧誘監視 顧客保護へ監視委方針
証券取引等監視委員会は、証券会社による投資信託の販売状況について立ち入り検査を通じて重点的に点検する方針を決めた。顧客に対して、ある投信を売って別の投信を買う行為(乗り換え)を頻繁に勧める事例が増えていると判断。投資家保護の観点から是正を促す。手数料収入を増やすため、顧客にとって有利でない乗り換えを、十分な説明をせずに勧めていないかといった点を点検する。
【引用おわり】

基本的には、良いことだと思います。
同じ顧客に新商品を回転売買させる営業方針では、証券業界の将来はジリ貧です。
もういい加減、証券各社は株式売買委託手数料の落ち込みを、新規投信の「販売手数料」で手っ取り早く穴埋めしようという発想を切り替えた方がよいと思います。

証券業界は、同じ池から同じ魚を繰り返し釣り過ぎました。
今いる魚たちはもう疲れ果てています。
(それでも新しい餌が目の前にぶら下げられると、つい食いついてしまう悲しい生き物ですが…)



投信協会によると投信銘柄数は3,751本(2010年6月末)、東証の上場企業数は2,308社(2010年8月3日)。
東証の上場企業数よりも投信の銘柄数が多いなんて、どう考えても異常です。

証券業界は、「長期投資に耐えうる定番投信」を作り、じっくり資産残高を積み上げながら、「信託報酬」等で細く長く儲ぎ続ける資産管理型のビジネスモデルに転換しないと、先がないのではないでしょうか。
この「長期投資に耐えうる定番投信」で、継続して資産流入するような運用ができるかどうかは、運用会社の腕の見せ所です。ここで運用各社は競うべきです。
ロングセラーの定番商品が魅力的なら、毎年新規顧客も集まるでしょう。

一方で、投資家側も、証券取引等監視委員会の監視があろうとなかろうと、証券会社に新規投信を「勧められたから買う」のではなく、自分の頭で考えて比較検討し、納得できるものを「自分で選択する」ようでありたいと思います。
そうしないといつまでたっても、新しい餌が目の前にぶら下げられるとつい食いついてしまう悲しい習性の魚のまま、何度も釣られることになりかねません。

自分たちも勉強するから、証券業界も変わってくれ。
そう願わずにはいられません。
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Posted by水瀬ケンイチ