大手証券の存在価値

水瀬ケンイチ

週刊ダイヤモンド2006.2.25号「山崎元のマネー経済の歩き方」によると、ネット証券が個人投資家の売買の8割を取り込んでおり、なぜ大手証券がかくも簡単に個人の株式委託売買のマーケットを手放したのか不思議であるとのこと。
山崎氏の分析によると、(1)対面セールスとのビジネスの競合、(2)コスト競争に自信が持てなかったこと、が原因ではないかと。いずれにしても、大手証券の経営判断のミスと手厳しい内容でした。

僕もそんなところなのだろうと思います。株式に関して、大手証券の存在価値はあまり感じません。強いて言えば、営業マンと仲良くしていればIPOに当りやすいという話(真偽の程はわかりませんが…)があることくらいでしょうか。
どこの駅前でも一等地にある大手証券の店舗、僕が見る限り大抵はがらがらで、アレもったいないなぁ~といつも思います。

記事でもぼろくそに書かれていた大手証券ですが、アドバンテージを持つ分野もあると個人的には思っています。それは、株式ではなく「外国債券」についてです。
ご多分に漏れず、大手証券では「外国口座管理手数料」なる手数料が毎年かかったりする高コスト体質なのですが、ネット証券には無いアドバンテージがあります。
それは……


「配当や償還資金を外貨MMFで外貨建てのまま保有できること」です。

もちろん、一部のネット証券でも外国債券の取り扱いはありますが、配当や償還された資金は、強制的に円転されてしまいます。その時点で為替レート的が円安なら為替差益になり問題ありませんが、円高であった場合、為替差損が確定してしまいます。
大手証券なら、とりあえず外貨MMFにしておいて、円安になるのをじっと待つという選択肢が取り得るのですが、ネット証券だと、為替リスクに対しては選択肢がありません。これは大きな違いです。
その他にも、大手証券はネット証券と比べて、国内債券も含めて債券の「ラインナップ」が常に豊富に揃っていることもアドバンテージです。ネット証券では、思いついたように、ランド建てが出てきたり、ユーロ建てが出てきたり、期間もまちまちであったり、すぐに売り切れになったりと、対応がバラバラで、計画的な資産運用に活用しづらいです。

ということで、現在のところ、証券会社についてはこういう組み合わせがよいと思います。

○ 株式についてはネット証券を使う。
○ 債券については、大手証券を使う。


ただし、情勢は常に動いています。
大手証券では、野村證券がついにネット専業証券の立ち上げを発表していますし、ネット証券でも、先日のマネックス証券のセミナーで、松本社長が、債券の取り扱い強化に意欲を見せていました(松本社長は債券ディーラー出身だそうです)※参考記事はこちら
よく情勢をウォッチして、良いサービスが出れば、貪欲に取り込んでいこうと思っています。


<ご参考>
週刊ダイヤモンドは読み物として結構面白いです。山崎元氏の「マネー経済の歩き方」コーナーだけでも読む価値はあると思います。予約購読すれば、1年分で3500円の得、2年分で13500円の得、3年分で33000円の得です。
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Posted by水瀬ケンイチ