みずほ総研の2010・11年の内外経済見通し

水瀬ケンイチ

みずほ総研が2010・11年の内外経済見通しのレポートを公開しています。

みずほ総合研究所 調査レポート
2010年8月18日 2010・11年度 内外経済見通し

詳しくは、上記全31ページの長編レポートをご覧いただきたいのですが、サマリーを紹介させていただくと、以下のとおり。

<海外経済>
○2010年後半の世界経済は、各国の景気対策効果が剥落することにより、減速局面を迎える。需給ギャップが大幅な供給超過の状態にある米国などの先進国の一部では、デフレ懸念が強まる。
○2011年の成長率は2010年と比べて低下を余儀なくされるものの、先進国では民間需要が緩やかに持ち直し、中国をはじめとする新興国が高成長を維持することによって「二番底」は回避される見通し。
○ただし、先進国を中心に財政緊縮が予想以上に景気を下ブレさせるリスクは高まっている。自国通貨安も狙って先進諸国間で金融緩和競争の様相が強まると、かえって世界貿易の回復を阻害する懸念がある。また、先進国で供給された過剰流動性は新たなバブルを生み、世界経済を不安定化させる要因ともなりうる。

<日本経済>
○2010年度の後半から、2011年度にかけて、景気は一時的な調整を伴いつつも回復基調を維持する見通し。
○2010年度は、子ども手当の支給による所得の下支えやエコカー補助金支給停止前の駆け込み需要を受けて秋口までは消費が盛りあがるものの、それ以降は、耐久財購入支援策の終了を受けて内需が弱含み、海外経済の減速を背景に外需主導の回復も期待し難い状況となる中、生産活動の停滞感強まる。
○2011年度は、緩やかな回復軌道に復帰。過剰ストックの調整が次第に進捗する下で民需は回復傾向に。一方、海外経済の減速を背景に輸出拡大テンポは緩やかとなり、公共投資の減少も続くことから、成長率は2010年度と比べてやや鈍化。
○需給ギャップの供給過幅は縮小するも解消しない。自然体で「2011年度中にデフレ脱却し安定的に物価上昇」という政府目標の達成は困難。




みずほ総研は、海外経済の二番底は回避される見通しと言っていますが、実際はどうなるか分かりません。
現に、レポートで懸念されている「自国通貨安も狙って先進諸国間で金融緩和競争の様相が強まる」という状況に、今まさになっているように感じます。
先進各国政府は通貨安を黙認しているように見えますし(そして欧州経済はドイツを中心に輸出が絶好調)、日本でも政府・日銀に単独為替介入しろという緊急声明が民主党の「デフレから脱却し景気回復を目指す議員連盟」から出されているようです。

日本経済についても、回復基調とのことですが生活実感がまるで伴っていないような気がします。
水瀬家が子どもがいないし車も持っていないので、子ども手当やエコカー減税・高速道路休日1000円などの施策の恩恵にあずかっていないだけかもしれませんが。
雇用状況を見ていても、失業率は高止まっているように見えます。

あまりネガティブなことは言いたくありませんが、個人的にはこのレポートはやや楽観的なような気がします。
もちろん、僕の印象など外れて、経済が楽観的に推移する方が望ましいのですが。

シンクタンクの経済見通しが当たるかどうかは分かりませんが、「こういう見方がある」ということは知っておいて損にはなりません。
できれば、複数のシンクタンクの経済見通しを見て比較するともっと面白いと思います。

ただし、経済レポートを見るにあたり、投資家として注意すべきと自戒していることがあります。
仮にシンクタンクの経済見通しどおりになったとしても、必ずしも経済状況=株価にならないということは頭に留めておく必要があると思っています。
株価は投資家の期待と現実のギャップで動く面があり、好況下の株安や不況下の株高という事態もありえますし、実際過去にもありました。
経済レポートの見通しに賭けて投資することのないようにしたいと僕は思っています。

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Posted by水瀬ケンイチ