危機でも金融緩和を行わなかった日本

日本は世界金融危機後、ずっと円高傾向が続き、生産・輸出ともに低調が続いています。

その理由を世界金融危機後の金融緩和策に求めているレポートがありました。
世界33カ国のマネタリーベース、生産、輸出、為替レート(対米ドル)、消費者物価上昇率、政策金利のグラフがずらりと並べてあり壮観です。

大和総研 リサーチレポート
2010年10月8日 危機でも金融緩和を行わなかった日本

これを見ると、世界中が世界金融危機後にマネタリーベースを拡大させているのに対して、日本だけマネタリーベースがほとんど伸びていないのが一目瞭然です。
世界中が積極的に金融緩和を行い、為替レートを下落させるか、もしくは安定させるかしています。その結果、危機の落ち着きとともに、ほとんどの国で輸出、生産ともに回復に向かっています。
日本は、積極的な金融緩和を行わなず、円高となり、輸出と生産の回復が遅れています。デフレも継続中です。

日銀はずっと適切に金融緩和をやっていると言っていた印象がありますが、こうして他国と比較してみると、それが不十分であったのかもと思わせます。
なぜマネタリーベースを拡大してこなかったのかはよく分かりません。
もしかしたら、既に市中にお金がジャブジャブ過ぎてこれ以上増やせないところまで来ていたのかもしれません。

2010年10月5日に日銀は「包括緩和」としてETFやREITを含めた買い取り基金の創設、ゼロ金利の復活、時間軸の明確化などを打ち出しました。
足元、株式市場ではとりあえず好感されていましたが、円高傾向は歯止めがかかっていません。

マネタリーベースはどうなるのか、注目して見てみたいと思います。
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コメント

個人的意見ですが

===
当然、金融政策は各国毎に異なるが、日本を除いては、基本的には同じである。すなわち、危機後すべての国が金利を大幅に引下げ、マネタリーベースを急拡大している。
===

レポートにあるここがポイントだと思います。各国は金利を大幅に下げたが、日本は世界的にも異例なマイナス金利にまで踏み込むことができなかった・・・ということではないでしょうか。

最近は、実は今はまだ円安で、将来的には1ドル60円位に落ち着くのではないかと言う気がしてきました。

>> なぜマネタリーベースを拡大してこなかったのかはよく分かりません。
>> もしかしたら、既に市中にお金がジャブジャブ過ぎてこれ以上増やせないところまで来ていたのかもしれません。

日銀がお金を刷れば問題は解決するのか? - 藤沢数希
http://agora-web.jp/archives/1030418.html

池田信夫 blog : デフレの罠
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51468824.html

が正解だと思いますが。

マイナス金利か市場介入か?

個人的にはこれ以上の緩和を求めるのは無理だと考えています。
どうしてもやらなければならないのならばマイナス金利になるような政策ですね。
これを実際に外国人に適用してインフレになった国としてスイスが挙げられます。
でも、そんな所までやったら公共料金の引き落としに使っている預金すらどうなるのか分からないです。

もう一つ言えることは米国や欧州の景気回復が鮮明になれば、米国や欧州の金利が上昇し円安に転じるだろうと思われる点です。
ただ、そこまでになる間にも不況で職が無い人が沢山いる訳ですし、派遣切りも加速しており、この円高を止める事を考えないと年金難民や自治体の財政破綻も出てきます(その前兆として自治体の中には国保の料率が異常に高い所もあります)。

各国から多少の非難はあると思いますが、意表を突いた単独介入でやり過ごす以外に方法は無いのかも知れません。

もっと緩和を

先日、日銀による緩和策拡大が表明されましたが、まだまだ不十分だと思います。

マネタリーベースの大幅な拡大は急務ですが、マネタリーベースの拡大だけでは、民間に資金需要がないため、効果はあまり得られない恐れがあります。

大規模な財政出動や、需要創出型の構造改革などとセットで実施する必要があります。

日本のような深刻なデフレからの脱却は、どれか1つの政策を行えば解決できるものではなく、あらゆる政策を総動員しなければ効果は得られないのではないでしょうか。

楽天証券の堀古さんの直近のコラムにあるように、日本の国債を日銀が買って償却してしまえば、日本国の借金が減る、構造的には円安になる。といいことづくめな気がしますが。。。
10月5日の日銀の発表の額ではまだ足りないのですかね?
いまだに円高進んでますから。

ただ、これって劇薬なんでしょうね。

>吊られた男さん

そこがポイントかもしれませんね。
ただ、

マネタリーベース=日本銀行券発行高+貨幣流通高+日銀当座預金

なので、日銀券刷りまくればとりあえずマネタリーベースを増やすことだけは出来そうな気がします。
それで円安になるかは分かりませんが…。


>anonymouseさん

藤沢氏のブログ記事のグラフ単体で見ると、氏も言うように「マネタリーベースは大幅に増加」しているように見えますが、本記事の元記事のグラフで他国と比較すると不十分なようにも見えるんですよね。

池田信夫氏は…すみませんノーコメントとさせてください。


>タカちゃんさん

これ以上の緩和は無理ですか。
マイナス金利を導入した国があったとは知りませんでした。
はたして実際にありえる政策なのだろうか。


>AKIさん

>>大規模な財政出動や、需要創出型の構造改革などとセットで実施

なるほど。
そういえば、まずは需給ギャップを埋めるべきだと竹中平蔵氏が楽天証券11周年記念セミナーで言っていました。
http://randomwalker.blog19.fc2.com/blog-entry-1441.html


>hideさん

これですね。興味深いです。
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/opinion/horiko/horiko_20100922.html

現実には日銀の長期国債の保有残高を銀行券の発行残高以内に抑える銀行券ルールがあるみたいですから、コラムのように700兆円国債を買うことはできないのでしょうね。
それにはルール変更が必要そうです。

グラフの罠と言いますか、2005年からで見ると日本だけが金融緩和をしていないようにみえますが、もう少し期間を長くとって比較すると日本も十分にマネタリーベースを増やしています。期間によってはアメリカなど以上です。
他国並ではなく他国さえもやっていない異例の対策を期待するなら話は別ですが、金利も量的緩和も金融危機前にすでに切り札を使っていたから金融危機で打てる手がなかったということかと思ったりするのです。

>吊られた男さん

グラフの罠ですか。ありえますね。
期間を長く取った比較ができるデータソースをご存じないでしょうか?
自分でも探してみたのですが、うまく見つけられませんでした。

各国中央銀行のページくらいしか分かりません。が、その場合は基準が一致しているのかは少し疑問があります。

また、長期で比べると各国の経済成長などの影響もあるので簡単に比較できなそうなので、そこが難しそうです。

*日本でも1950年代より2000年代の方がマネーストックは多いように経済規模が大きくなるとマネーストックは増える?とすると、経済成長率が低かった日本はマネタリーベースが増えにくかった?でも、不景気こそマネタリーベース増やす必要もあるし、といろいろな考えが頭の中をぐるぐる回ってしまいます。1年や2年の短期なら経済成長率なんて無視してもいいのでしょが・・・

>吊られた男さん

そうですか……残念。
各国中央銀行からデータを持ってくるとなると、通貨の統一などちょっと素人の手には負えない感じですね。

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