コモディティETFの良し悪し

最近、金価格の上昇のニュースはよく見ますが、銅価格も上昇しています。
それに対して、実需家から批判も出ているようです。

【日経新聞2010年12月9日朝刊28面より引用】
LME銅、一時9000ドル超え ETF準備で加速 実需家から批判も
銅地金の国際指標であるロンドン金属取引所(LME)の3カ月先物価格が7日、一時初めて1トン9000ドルを超えた。米国の金融緩和観測が背景にあるが、銅地金を裏付けとする上場投資信託(ETF)の上場に関連した金融機関の動きも値上がりを加速した。実需家からは批判的な声も出ている。
【引用おわり】

自分はコモディティには投資していません。
それは、コモディティというアセットクラスの性質が、株式や債券などと違い、資本として生産活動に関わっていないからです。
株式や債券などは、生産の果実があれば時間と共にプラスのリターンが期待できます。
それに対して、コモディティの価格変動は基本的に需給のみであり、見通しの違いに賭けるもの同士のゼロサム・ゲームと言われています。(厳密には消費される分ゼロサムではないという話もありますが…)

べつにコモディティ投資自体が悪いと言っているのではなく、バイ&ホールドで“ほったらかし”にしたい自分の投資方針とは合わないかなと思っていたのです。
<参考記事>古い記事ですが…
インデックス投資派の僕がコモディティインデックスに投資しない理由(その1)
インデックス投資派の僕がコモディティインデックスに投資しない理由(その2)

いち個人投資家としてはそんな考えだったのですが、この日経新聞の記事を見て、コモディティ投資は「実需家」という立場から見るとたまったものではないという面があることに改めて気づかされました。
記事には、「産業素材である銅を投資対象にしたETFが登場し、価格が高騰するとは想像すらしていなかった」(伸銅品メーカー)という批判が掲載されていました。
ごもっともだと思います。

いまやコモディティETFは金や銅だけでなく、プラチナ、アルミ、パラジウム、ニッケル、天然ガス、原油、ガソリン、小麦、コーン、大豆など、様々な商品分野に広がっています。
それぞれに実需家がいるんですよね。
アセットクラスの性質だけでなく、産業素材や食料を投資対象にすることの良し悪しについても、少し考えなくてはいけないのかもしれません。

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コメント

ETFを買う立場によってはヘッジも有り得る

今は日本円が強い通貨なので、食糧の輸入が低コストで行えますが、将来、日本円が弱い通貨に転落する事があれば長期的には食糧調達が難しくなり、日本国内でも飢餓による死亡例も出てくると心配しています。
その食糧も投機の対象として大きく価格変動するようになると食糧自給率の低い日本では苦しくなるのではないかなと考えています。
ただし、ETFの登場は投機として使う人もいればヘッジとして使う場合もでてきます。
同じETFを買っている場合でもヘッジで買う場合もあり得るので、一概に悪いとは思えません。

1つ例を挙げます。
ここでは冷夏の年に儲かるデリバティブ商品を考えます。
冷夏の年は米の作況指数は大きく低下し、農家は経済的に打撃を受けるとしましょう。

ある農家の人は、気象予報士Aさんから「今年は冷夏が予想されています」とのアドバイスから、その農家でデリバティブ商品を買ったとしましょう。
この場合は、リスクを消滅させる行為を行う者なのでヘッジャーですね。
しかし、仮に気象予報士Aさんが「これを買えば儲かるだろう」と考えてこの商品を買った場合はスペキュレーターになります。
同じ商品を買っていても立場によってヘッジャーにもスペキュレーターにもなります。

商品ETFが登場し、実需家が困惑するのは分かりますが、投機目的なのかヘッジ目的なのかは状況によるので必ずしも悪い側面ばかりではないと考えています。
また、信用取引や先物取引を使って将来の価格変動に備える事もでき、これも状況によっては投機にもヘッジにもなります。

多くの人は、自国通貨をリスク無しとし、自国通貨を基準に資産を評価します。ただお金そのものは紙切れと数字であって、それが価値を持つのはサービスやモノに交換できるからです。そういう意味で個人の生活への影響度という見方をとれば、最もリスクが低いのは物価かと考えたりします。その物価の一部になるコモディティはそういう意味では現金よりリスクが低いという見方もできるのかなと思ったりします。

>タカちゃんさん

投機もヘッジも投資家側から見た話ですよね。
もちろんそれはありだと思います。
ここで問題にしているのは実需家側から見た話です。
投資家がそんなことまで考える必要があるかどうか悩ましいところですが。


>村上たいきさん

なるほど、そういう考え方もあるのですね。

私も水瀬さんと同じく、
コモディティは長期投資には向かないだろうと考え手を出さずにいたのですが、
ごく最近になって興味を持ち始め、いろいろ調べています。

というのも、株の超過リターンの源泉が「リスクプレミアム」なのだとしたら、
商品"先物"のロングポジションは長期的にプラスのリスクプレミアムを得られるのではないかと思ったからです。
(将来の売値を確定したい生産者は、多少期待値より安くても商品先物を売る傾向があるのではないか?と考えたので)

早速「商品先物 リスクプレミアム」でぐぐってみると、やはり予想通りといったところで、
商品先物のリスクプレミアムに関して、様々な文献がヒットしました。
中には「株と同じく年5%程度のリスクプレミアムが存在し、ロングボジションをとり続けるパッシブ運用が有効」という核心的な記事も。
これは!と思ったのですが、
他にも調べてみると、どうも商品先物のリスクプレミアムについては諸説あるようでして
(というのも、先の買値を確定したい消費者(加工業者等)が先物の買いに回る可能もあるわけで)
ロングボジションにつねにリスクプレミアムが存在するかどうかは疑わしいようです。
ちょっと積極的に取り入れるのには躊躇してしまいますね。

とはいえ、商品先物が、株や債券にたいしてゼロ~マイナス相関を持つというのは重要な事実で、
もしリターンがわずかにでもプラスなのであれば、
これらと株・債券を組み合わせたポートフォリオを保つことで長期的なリターンの安定化に役立つ可能性はあるわけです。
(例えロングオンリーボジションがダメでも、情況に応じて機械的にロング・ショート・キャッシュを組み替える戦略で、長期的にプラスリスクプレミアムを確保できる可能性がある。)

商品先物のパッシブ運用は今のところほとんど注目を浴びていませんが、
可能性を感じる投資対象であることは間違いないと思います。

>スガオさん

投資家側から見ると、可能性のある投資対象なのかもしれません。
もしかしたら、リスクプレミアムが存在するのかもしれません。
伝統的資産と相関係数が低いのも事実でしょう。
でも、今回の記事で述べたかったのはそういうことではなく、実需家が困っているということなんですよね。
実需家は企業である場合も、個人である場合もあると思います。
自分が儲かれば、ガソリンや小麦の価格が急騰して喜ぶというのはどうも・・・。
今後、そんなことは言っていられなくなる世の中になるかもしれませんが。

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