セゾン投信&バンガード共催セミナー「忙しいあなたのためのシンプル&スマート投資」体験記(その2)

水瀬ケンイチ

<お知らせ>
ほったらかし投資術 インデックス運用実践ガイド」(山崎元・水瀬ケンイチ著)の書評を、じゅん@さん花輪陽子さん十一屋さんゆうきさんトミーBさんが書いてくださいました。ありがとうございました。
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前回の記事「セゾン投信&バンガード共催セミナー「忙しいあなたのためのシンプル&スマート投資」体験記(その1)」の続きです。

山崎元氏、加藤隆氏の講演の後に、トークセッション&質疑応答がありました。
トークセッションは、時間が押していてショートバージョンだったようです。
要点だけを書いておきます。

■トークセッション

山崎氏「米国バンガード社にはアクティブファンドもある。上品なコストで日本の投資家に投入する予定はないか?」
加藤氏「今のところ予定はない。伝えたいメッセージが錯綜する」
加藤氏「以前いたコンサル会社で年金相手にポートフォリオ最適化をやっていたが、最適化を厳密にやることの限界を感じていた。その辺をどう考えているか?」
山崎氏「コンピューターで最適化をすると良さそうな気がするが、ゴミを入れてもゴミしか出てこない。限界はあるが、ウェイトを決めるからにはリスク・期待リターンの前提条件があるはず。そこはハッキリすべき」
中野氏「有効フロンティアは運用側に都合よく捏造可能。気をつけて」

■質疑応答

お客さん「アクティブ運用はバフェットですらよくないということか?」
加藤氏「バフェットは長年良い成績をあげているが単年で見ると悪い時もあった。彼のような人が絶対に存在しないと言っているわけではない。まぐれの可能性が否定できない。まぐれでなくても、50年前にバフェットを発見できていないとだめだ」
山崎氏「“100人のピーター・リンチ”という話がある。100人のピーター・リンチがいれば、素晴らしい成績の人は確率的に必ず存在する。それが必然的なものか?事前に選べるか?が大切」

お客さん「日本でバンガードのETFに投資している。今年は新ETFが出なかった。ラインナップはこのままでいくのか?個人的にはバリュー系ETFがほしいのだが」
加藤氏「バリュー系は先になるが、新しいもののプランはある。近々、発表があるかも。今はここまでしか言えない」



お客さん「時間分散という話があるが、まとまったお金がある場合どうすればいいか?」
山崎氏「まとまったお金がある場合、時間分散に意味はない。少しずつ投資してもフルインベスト後が長いわけで、そこが大事だ。結果的に運の良し悪しは出てくるが、いつが適切かは判断できない。ファンドマネージャー時代、時間分散を勧める先輩たちを見ていてもうまくいっていなかった。時間分散は、行動ファイナンス的には“後悔の事前回避”であり、機会費用を失う」
中野氏「しかし、人間は合理的だけには動けないものだ」
加藤氏「時間分散効果はある。さっきの山崎氏の話はドルコスト平均法とは別。ドルコスト平均法の利点は買値の平準化にある。まとまったお金がある場合も、機会損失があるというがそれは市場が上がるという前提が必要。でも上がるか下がるかは分からない」

お客さん「金融業界の悪党を見分ける特徴は?」
山崎氏「まず人の不安をあおる。例えば、紫外線で肌がボロボロ、血液ドロドロ、霊感、プライベートバンクは日本の財政状況では将来円は紙くずになるなど。利回り4~6%ゾーンを狙って安定的運用イメージを醸し出し、リスクは正確には話さない。“ほぼ確実”とか“気が済む”とか“安心でしょ”という言い方をしてくる」
中野氏「セゾン投信が邪悪になったらぜひご指摘ください(笑)」

(セミナー終了)

なんといってもバンガードの新ETF情報(?)が聞けたのが大きな収穫でした。
しかも近々に発表があるかもしれないということで、期待が高まります。
個人的には、「Vanguard Europe Pacific ETF」(ティッカー:VEA)を熱烈希望!!
これはMSCI EAFEインデックス連動の、いわばバンガードのEFAです。
それでいてエクスペンスレシオは年率0.15%です(EFAは年率0.35%)。

また、中野氏と山崎氏と加藤氏は、総論では皆ほぼ同じスタンスではあるものの、各論で微妙に意見が違います。
その意見の違いを楽しむのもトークセッションの面白いところでもあるのですが、何を信じるかは、お客さん自身が判断する必要がありそうです。
セミナーだけで判断するのが不安だったら、各人の著書をひも解いてみるのもいいかもしれません。
今だったら、中野氏のお考えは「積立王子の毎月5000円からはじめる投資入門」、山崎氏のお考えは「ほったらかし投資術 インデックス運用実践ガイド」、加藤氏はおそらく本は書かれていないと思いますが、バンガード創始者のジョン・ボーグル氏の「マネーと常識 投資信託で勝ち残る道」あたりの主張がお考えに近いのかもしれません。
ご参考まで。

セミナー全体を振り返ると、これだけの充実した内容を無料で参加できるのは、すばらしいと思います。
インデックス投資の勉強になるのですが、セゾン投信の直接勧誘があるわけでもありません(セゾン投信の関係資料が封筒に入っていただけです)。
セゾン投信・バンガードでは、同様のセミナーをよくやっているようですので、気が向いたら参加してみてはいかがでしょうか。
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Posted by水瀬ケンイチ