「VIX短期先物指数」(1552)の問題点

水瀬ケンイチ

<お知らせ>
ほったらかし投資術 インデックス運用実践ガイド」(山崎元・水瀬ケンイチ著)の書評を、まっき~さんyanokさんかつをさんが書いてくださいました。ありがとうございました。
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「国債のETF VIX短期先物指数」(1552)が12月20日に大証に上場されましたが(関連記事)、これについての詳しい解説記事がありましたのでご紹介します。

QUICK MoneyLife
投信ニューフェース 大証ETF『VIX短期先物指数』(国際投信)(10/12/27)

詳しくは上記記事をご覧いただきたいのですが、自分なりに大事だと思われるポイントを以下のとおりまとめてみます。

・「VIX短期先物」(1552)の実質運用コストは約1%で安くない。ただし米国の同種の商品と比べると同じ程度
・「VIX短期先物」(1552)の連動対象はVIX指数ではなく、“S&P500 VIX短期先物指数”の円換算値
・VIX指数とS&P500 VIX短期先物指数の値動きはずいぶん違う。過去5年で、VIX指数は1.4倍になり、S&P500 VIX短期先物指数は84%の下落
・値動きが違う理由は、①VIX先物はVIXを予想して動くから、②VIX先物のロールオーバー時のコンタンゴ
・リーマン・ショック時はしばらくバックワーデーションだったが、それ以外の大半の時期はコンタンゴ
・ゆえに長期保有には向かない



はて?コンタンゴ?バックワーデーションって何?と思われたかたがいらっしゃるかもしれませんが、先物の限月間価格差のことです。
詳しくは上記記事に分かりやすい解説がありますのでご覧ください。
ちなみに、コンタンゴは、このVIX先物指数だけでなくコモディティ先物関連指数でも同様に発生しているので、コモディティファンドやコモディティETFを検討しているかたは、これを機に覚えておくといいかも。
<関連記事>
2009/12/07 商品投信の上手な使い方は?(日経新聞より)

このETFが発表された頃、「いざという時のお守り代わりに持っていてもいいかも」という意見が散見されましたが、上記の理由で、平常時でもだんだん価格が下がってくる可能性が高いので、長期保有にはあまり向かないかもしれません。
逆に、相場がある程度読めるかたにとっては、手軽で便利なツールなので、ピンポイントで活用されたらよいと思います。

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Posted by水瀬ケンイチ