ネット証券4社共同プログラム『資産倍増プロジェクト』に求めたいこと

水瀬ケンイチ

本日、SBI証券、カブドットコム証券、マネックス証券、楽天証券の4社は、ネット証券4社共同プログラム『資産倍増プロジェクト』を立ち上げると発表しました。

4社共同プレスリリース

プロジェクトの内容を抜粋すると以下のとおり。

■ 共同イベントの開催(2011年7月2日両国国技館で大規模イベント開催予定)
■ 共同キャンペーンの実施
■ 投資信託に関する共同広告・PR展開
■ 共同ウェブサイトの設立と、投資信託による資産運用の普及啓蒙活動
■ 4社共同での書籍出版
■ 4社専用投資信託の組成・販売

おおっ!新たな投資信託の組成もするんですね。
プレスリリースによると、株式の売買代金については主要ネット証券で71.4%のシェアを占めるのに対して、株式投資信託の設定額ではわずか1.6%のシェアしかないそうです。ロイターの報道によると、これを3年後に30%に高めることを目指すとのこと。
たしかに、ネット証券の投資信託のコストや利便性を考えると、1.6%というシェアは小さすぎます。別の言い方をすると、伸びしろがまだまだあるということでしょう。
顧客の資産形成のサポートということなら、どんどんやってほしいです。

でも、『資産倍増プロジェクト』に求めたいことがあります。それは、



資産形成層に向けた正しい知識を広めてほしい

ということです。
決して、知識のない投資家に売れるものを、たくさん売りつけるような活動にはしないでください。

では、正しい知識って何でしょうか。
世の中にはいろいろな投資法がありますし、どんな投資法をとるかは人それぞれです。
でも、ものごとには基礎となる「型」はあろうかと思います。
仕事でもスポーツでも、基礎となる型を覚えた後、自分なりに応用・変形をさせていくというステップがあるはずです。
投資信託による資産形成も同じだと思います。具体的には、

・低コスト(販売手数料・信託報酬などが低いものがよい)
・分散(できるだけ広く分散したものがよい)
・リスク(将来発生しうる利益と損失のレベルを把握する)
・シンプル(原資産のリターンをそのまま享受できるものが良い)
・税金(課税はできるだけ繰り延べたほうがよい)

といった基礎的な知識を、主要ネット証券の皆さんの総力を挙げて広めてほしいです。
そのうえで、投資家が自分で判断して応用商品に投資するのは自由だと思います。

ネット証券の販売シェアを30%にあげるのに手っ取り早いのは、今、大手証券や銀行が売りまくっている「毎月分配型」や「通貨選択型」の投資信託を少しコストを下げて、ネット証券で売るというようなことではないかと思います(やめてくださいね)。
しかし、今それらを盛んに売買しているのは資産形成層ではなく、資産形成期を過ぎ多額の資金を持つ高齢層だと思われます。
大手証券も銀行も、目先の利益を求めてやっているのでしょうが、いつまでもそこに注力していては、将来ジリ貧になることは目に見えています。

せっかく、主要ネット証券が手を組み、資産形成のサポートをするということですから、ぜひ、将来につながる「資産形成層に向けた正しい知識」を広めてほしいと思います。
もしかしたら、現在おかしなことになっている日本の投資信託事情を正常な形に変えられる、大きな、そして最後のチャンスかもしれません。

以上、ネット証券4社共同プログラム『資産倍増プロジェクト』に求めたいことでした。
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Posted by水瀬ケンイチ