ETFの本数を増やしても売買代金は増えない?

水瀬ケンイチ

今月3月10日の「中国関連株50」(1556)の上場で、東証が3年前に立てた目標である「ETF100本上場」を達成したそうです。
まずは、おめでとうございます。
そして、東証は今後3年でETFの売買代金を10倍にするという中期計画を発表しました。
<関連記事>
2011/03/22 3年で国内ETFの売買は10倍になるか?

上記記事でも取り上げましたが、東証は、

・個別銘柄ごとのマーケットレポートの配信
・投資家向けセミナー・機関投資家向けプロモーション
・上場商品の品揃えの拡充

に注力するとのことでしたが、私はその中でも「機関投資家向けプロモーション」が重要なのではないかということを書きました。要は売買の活性化ですね(詳しくは上記記事をご覧ください)。
現在、投資家の資産運用のコアになるようなETF銘柄はひととおり揃ってきたと思います(バリュー型などスタイル別はほしいところですが)。今後は、数だけ増やしても、売買がともなわなければ、市場価格と基準価額の乖離などの問題から、結局安心して活用できないのではないかと考えています(日本株式クラスは除く)。

そんなことを思いつつ、ネットを見ていたら、ニッセイ基礎研究所のレポートにこんなデータが掲載されていました。



photo_20110325.jpg
ニッセイ基礎研REPORT2011年4月号より引用)

上記グラフは、米国、ドイツ、西欧(フランス・オランダ・ベルギー・ポルトガル)、イタリア、イギリス、カナダ、香港、韓国、そして日本のETF本数と売買代金を表しています。
ぱっと見て分かるように、米国だけは本数・売買代金ともに高く、まさに別格の「ETF先進国」です。
それに対して、ドイツ・西欧・イタリア・イギリスなどは、本数は多いのですが売買代金が米国と比べると圧倒的に少ないです。それらに比べて、本数は少ないものの同じくらいの売買代金なのが日本です。

こうして各国のETFの本数と売買代金を横並びで比較すると、米国は別格として、その他の国ではETFの本数と売買代金は必ずしも比例していないことが分かります。
やはり、いくらETFの本数を増やしても投資家のニーズに応える商品でなければ売買は増えない、ということだと思います。
東証・大証さんには、ぜひ投資家の資産運用のコアになるようなETF(日本株式ETF・先進国株式ETF・新興国株式ETFなど)の売買活性化に注力してほしいと思います。

もうひとつ、いち個人投資家として思うのは、やはりETFについては米国市場が別格であり、そこで取引する安心感というものはあるなということです。
(今の国内ETFを買うべきではないと言っているわけではありません。念のため)
私は今のところ、米国市場に上場されている海外ETFを資産運用のメインとして使っています。
もちろん、海外ETFにはメリット(コストが安い・資産規模が大きい・流動性が高いなど)と同時に大きなデメリット(為替手数料がかかる・売買手数料が高い・ネット証券では特定口座に入らないなど)もありますので、今後の国内ETFの活性化にも大いに期待しています。

国内ETF市場が満足できる状況になれば、海外ETFから乗り換えることも検討します。
東証・大証さんには頑張ってほしいと思います。
関連記事


投資判断は自己責任でお願いします。当ブログの情報により投資判断を誤ったとしても、管理人は責任を負えません。また、当ブログ内容の無断転載を禁じます。

Posted by水瀬ケンイチ