インデックスファンドからは東電株を外さなくてよい

水瀬ケンイチ

投資信託の東京電力外しが加速しているとのことです。

ロイター 2011/04/05より引用】
投信の東電株外しが加速、公共株としての安泰銘柄からちょう落
個人マネーを運用する投資信託の組み入れ銘柄から東京電力を外す動きが加速している。震災後の原発事故の長期化を受け、当初はウエートの引き下げで対応していた投信も、投資ユニバース(投資候補となる銘柄群)自体から外し、東電株をすべて売却するところも出ている。
(中略)
運用スタイルによって対応が異なるのも特徴だ。アクティブファンドは早い段階で東電株に見切りをつけている。一方でパッシブファンドでは「(東電株が)ベンチマークから外れるようなことがない限り、現時点では売却することはないだろう。ベンチマークに連動するよう運用しているファンドは、極力トラッキングエラーを小さくしようとしており、なかなか売却は難しい」(国内投信)との声もある。 
【引用おわり】

あれだけの事故を引き起こし、連日株価が暴落している状況では、無理もないことでしょう。
アクティブファンドでは早々に東電株に見切りをつけています。
住信アセットマネジメントやニッセイアセットマネジメントなど、いくつかの運用会社では東電株について、全株売却や投資ウェート引き下げを発表しているようです。

今後、東電株外しがパフォーマンス向上に貢献するかどうかは分かりませんが、各ファンドの運用方針に則って、それぞれが判断すればよいと思います。
しかし、インデックスファンドでそれをやってはいけません。


良くも悪くも、インデックスファンドはインデックスと連動することが目的のファンドです。
インデックスから外されたら除外すればいいのであって、それまでは、東電株下落によってインデックスが下がって損をするなら、それはそれでいい。
逆に、大方の予想に反して(往々にしてよくありますが)、何かのきっかけで反騰しインデックスが上がって儲かったなら、それはそれでいい。
インデックス投資家ならそういう腰の据え方をするべきで、企業選択のさじ加減を期待するなら最初からアクティブファンドを選択すればいいのだと思います。

これを見て思い出すのは、2007年の日興コーディアルグループの粉飾決算問題です(もう4年前か…)。
この時は、日興コーディアルグループは不正会計が明らかになり、株式は監理ポスト入りしていて、上場廃止懸念が広がっていました。そして、アクティブファンドだけでなくインデックスファンドまでも、日興コーディアルグループ株を外す動きがありました。
当ブログでも取り上げ、「インデックスファンドならインデックスに連動すべきであり、日興コーディアルグループがインデックスから外れていない限り、インデックスファンドからも外すべきではない」という主旨の記事を書いたところ、義憤に燃える読者さんから猛反発を受けました。
しかし、すったもんだの末、結果的に日興コーディアルグループ株は上場維持となり、早々に外してしまったインデックスファンドは買戻し、パフォーマンスを落とすことになりました。
<関連記事>
2007/02/06 日興コーディアルグループ株をインデックスファンドが除外?

念のため申しあげておきますが、私は大事故を起こした東電を擁護するつもりはまったくありません。ただ、どんな時もインデックスファンドの運用はインデックスに連動するという大原則を逸脱するべきではないと申しあげているだけです。
その結果、インデックス投資家として、インデックスに連動して被った損は受け入れるべきだと思っていますが、インデックスに連動できないで被った損に対しては、声を上げていきたいと思っています。
今回の東電株ではどうなるか、動向を見守りたいと思います。


※言わずもがなですが、投資判断は自己責任でお願いいたします。
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Posted by水瀬ケンイチ