郵便局の投資信託セミナーでぼったくり商品をどう説明するか見てきました(その2)

水瀬ケンイチ

今回の記事は、一部表現がきついところがあります。お気を悪くされた方がいらっしゃいましたら、予めお詫び申し上げます。

前回の記事の続きです。
気持ちよく晴れた朝、郵便局の投資信託セミナーの日を迎えました。
郵便局まで行くと、制服を着た職員さん2名が入り口で丁重なお出迎えです。中に入ると、更に大人数でお出迎えです。
それにしても……参加者少なっ!僕を入れて4~5人(ちなみに僕以外は全員中高年層)です。聞けば、参加予定だった主婦グループが、天気がいいので全員お花見に行ってしまったそうです。下町らしくて実にグーです(笑)。参加者よりも、主催者側の人数の方が多いという、少々イタい雰囲気の中、セミナーは始まりました。

まずは、郵便局課長さんのご挨拶。
「本日はこのような晴天の中…」から始まり、講師の紹介をしてくれたのですが、「大和証券投資信託委託株式会社」がどうしても言えません。「講師として、えー大和証券委託…大和信託委託…大和証券の大和…」
おいおい、のっけからこれですか。自分たちのビジネスパートナーでしょうが。
「もう“大和投信さん”でいいですから!」と心の中で叫んでしまいました(笑)。
続いて、大和投信さんの講話に入りました。
かつてファンドマネージャーの経験があるという初老の講師の方は、訥々として理論的な話し方が、いかにも中高年受けしそうな感じです。

・将来(年金)への不安 →もう年金には頼れない
・日米の家計資産構成の違い →日本は預貯金偏重
・リスクとは →「危険」ではなく「予想通りにならない可能性」
・資産分散・銘柄分散 →卵はひとつの籠に盛るな、ドルコスト平均法
・長期保有 →日経平均は20年保有すれば元本割れの可能性ゼロに
・投資信託を活用 →小口・分散・専門家による運用
・投資信託の安全性 →委託会社(投信会社)・受託会社(信託銀行)・販売会社の何れが破綻しても安全
・トレンド転換へ動く日本株 →設備・雇用・債務の過剰解消、株式持合構造の解消、PERは米国並みPBRは割安

という一般的な投資入門をソツなく説明してくれます。
正確に言うとちょっと違うんだけどなーという突っ込みどころは少々感じながらも、良心的な説明だと思えました。なにより、話し方が論理的でわかりやすいので、隣の席のおばちゃんも、しきりに頷いていました。

しかし、トレンド転換の話の際に、講師が「余談ですが」と前置きして、このような話を始めました。


「正直言って、郵便局さんは非常にいいタイミングで投資信託販売を開始したと思うのです。」
ん?何の話だ?と思って聞くと、僕ら参加者でなく、部屋の後ろに並んでいる郵便局職員スタッフたちに語りかけているようです。
「バブル崩壊から13年、株価が下がり続ける中で、証券会社がお客さんに株を勧めるという苦労は並大抵のものではありませんでした。そこへいくと郵便局さんは、投資信託販売開始から右肩上がりで株価が上昇しています。販売も順調と聞いています。本当にいいタイミングで始められました!」
部屋の後ろから、どっとスタッフ笑いが起こりました。

そんな内輪話は後で控え室でやってくれよ、と思いました。
販売会社に対する投信会社の露骨なヨイショを、お客さんの前でする必要があるのでしょうか。
マスコミ報道によれば、郵便局は投資信託の取り扱いを開始するにあたって、投信会社を募集・選定(コンペ)したようです。つまり、大和投信からすれば、郵便局も「ヨイショすべきお得意様」なのでしょう。そして、郵便局側からすれば、冒頭の課長さんの挨拶からも分かるように、大和投信は「選んでやってる業者」の一社に過ぎないのでしょう。
以前読んだ「投資戦略の発想法」(木村剛著)は「販売が主で運用は従、これが日本の投信の実態だ」と言っています。更に、「販売優先の理論で、投資家の立場など配慮されていない場合が少なくなかった」と指摘しています。
下町の郵便局の一室からも、日本の投資信託が抱える問題点のひとつが垣間見えたような気がしました。

そして、話はいよいよ僕にとっての本題、「大和ストックインデックス225ファンド」の説明に入ります。ゴクリ……。

(次回に続く)
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Posted by水瀬ケンイチ