郵便局の投資信託セミナーでぼったくり商品をどう説明するか見てきました(その3)

水瀬ケンイチ

今回の記事は、一部表現がきついところがあります。お気を悪くされた方がいらっしゃいましたら、予めお詫び申し上げます。

前回までの話(その1その2)の続きです。
講師が郵便局をヨイショする中、話はいよいよ、僕にとっての本題、「大和ストックインデックス225ファンド」の説明に入りました。
配布された資料の「ファンド概要~お申し込みメモ~」に沿っての説明です。
「ファンド形態については、インデックス型といいまして、皆さんよくご存知の平均株価、日経225に連動しており……」
という具合に、各項目について、今まで同様、論理的でわかりやすく説明してくれます。

・ファンド形態 →追加型株式投資信託/インデックス型(日経225連動型)
・信託期間 →無制限
・買付単位 →1万円以上1円単位
・買付価額 →申込受付日の基準価額

「次に、申込手数料です」

ついに来ました!
いったいどんな詭弁的な言い訳が出てくるのか、全神経を講師の言葉に集中させます。

「このファンドは残念ながら2.1%の申込手数料がかかってしまいます。」

残念ながら……
残念ながら……
残念ながらってなんですか!?

今までずっと論理的モードで説明してくれていた講師でしたが、ここでいきなり不条理モードに突入します。
高コスト商品を作ったのは自分たちなのですから、それを自分で「残念ながら」と言うのはおかしいでしょう。例えるなら、泥棒が、「残念ながら盗みました」と感想を述べるようなものです。
残念なのはこっちでしょうが。

「例えば、100万円で買ったら2万円も手数料に取られちゃうのかよ、と思われるかもしれません」
……かもじゃなくて、そう思います。

「しかし、投資信託は長期保有が鉄則です。10年保有すれば、1年あたり2000円の手数料に過ぎません」
……「1日コーヒー1杯分の支払いです」と言って高額商品をローンで買わせる悪徳業者と同じ手口と違いますか。

「それに、基準価額が40%、50%と上昇すれば、手数料の2%くらい問題になりません」
……40%、50%と上昇するのですか。注釈付けないと捕まりますよ。


会場は、しーんと静まりかえっています。

「えー、次に決算日ですが」

これは酷い説明だと憤ったのも束の間、すぐに今まで同様の論理的モードに戻り、その他の項目を説明しました。

・決算日 →毎年9月19日
・収益分配方法 →次の方針(詳細省略)に基づいて収益分配を行なう
・信託報酬 →年率0.546%

「……というわけで、ぜひ「大和ストックインデックス225ファンド」のご購入をご検討いただき、お客様の資産形成のお役に立てれば幸いに思います。以上です。」

1時間半に渡った講師による講話がひととおり終わった後、司会の郵便局課長から「では、ご質問等ある方がいらっしゃいましたらどうぞ」との案内がありました。
なんとなくお互いの顔を見合わせる数名の参加者たち。
よし、ここでひとこと言ってやろうか。

「特にないようでしたら、ここからは私の個人的な考えという前提で、今後の相場予測を少しお話したいと思うのですがよろしいでしょうか?」

おいっ!!質問タイム3秒かよ!
魅力的な前置きに拍手などする参加者たち。あー…そうですか。
講師の相場予測内容はここでは割愛します。その後、アンケート記入(思いのたけを書き連ねておきました)後、セミナーはお開きとなりました。

なんとなく不完全燃焼感を抱えつつ帰路に着きました。
でも、セミナー参加目的は、ある意味で達成されました。なぜなら、やはり「ぼったくり商品のコスト部分はプロでもうまく説明できない」ことが分かったからです。
皆さんも、一見もっともらしい説明の中に、おかしな点を紛れ込ませて商品を勧めてくる業者には、お気をつけください。

それにしても、今こうしてブログを書きながら思い返してみても、講師の論理的モードと不条理モードの落差には驚かされました。
僕には明らかに不自然に見えました。もしかしたら何か理由があるんじゃないか。その理由を邪推してみました。

(次回に続く)
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Posted by水瀬ケンイチ