ついに国内ETFの「基準価額と市場価格の乖離問題」が解消レベルに?

水瀬ケンイチ

上場以来、個人投資家の期待を集めながらも、ETFの基準価額と市場価格の乖離の大きさが課題と言われてきた国内ETFの「上場MSCIコクサイ株」(1680)・「上場MSCIエマージング株」(1681)の乖離率が縮小傾向にあるという記事を以前書きました。(参考記事

4月末時点でもう一度調べてみたら、とうとう乖離率がプラスマイナス0付近まで縮小していました。
以下が、「国内ETFの基準価額と市場価格の乖離率」の推移を表したグラフです。

国内ETFのNAVと市場価格の乖離率推移
モーニングスターのデータを使い筆者が作成)



1680と1681の乖離率が順調に縮小してきているのが分かると思います。
1680の4月の平均乖離率はわずか+0.01%、1681にいたっては平均乖離率が初のマイナス圏(ディスカウント)▲0.27%を記録しています。

当初、ETFの基準価額と市場価格の乖離は、売買高が大きくなってくれば裁定が働いて落ち着いてくると考えられていましたが、海外資産対象のETFの場合、原資産と為替の価格評価時点のズレがあるために乖離率はどうしても発生するとか、マーケットメイカーの意向が関係するとか、様々な要因が複雑に絡み合っているようです。
そのため、その乖離率のうちどの要因がどれだけプレミアム(ディスカウント)要因になっているのか個人投資家側では判断がつきません。

しかし、複雑な要因により乖離があることは許容したとしても、それが常にプラス圏(プレミアム状態)で推移し続けているというのは何かがおかしい。個人投資家にとって、不利益になる大きな何かがあると考えていいと思います。
ごくシンプルに考えれば、いろいろあって乖離はするが、それは長い目で見て0をまたいでプラスマイナス0付近を行ったり来たりするのが自然ではないでしょうか。

そういう意味では、1680と1681に関しては、やっと自然な乖離レベルになってきたと思われます。
運用会社の日興アセットマネジメントも東京証券取引所も乖離縮小の努力を続けているようで、それが成果となって現れてきているのかもしれません。
これが継続するようになると、いよいよ投資可能レベルになると個人的には思います。

何故継続することが必要かというと、買う時に適正価格で買っても、何十年後かに売る時に割安価格で売ることになっては台無しだからです。
買う時、売る時の両方が適正価格であってこそ、国内ETFの超低コストが活きてくるというものです。

その点、新顔の「MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信」(1550)はまだまだ+3%強で推移しています。
信託報酬を年0.1%単位で節約しても、買う時に3%も割高に買ってしまっては、それを取り返すだけで何十年もかかってしまいかねません。

国内ETFの基準価額と市場価格の乖離は、低コストを志向する個人投資家にとって重要なポイントなので、これからも注目していきます。
先日上場した「上場インデックスF世界株式(MSCI ACWI)」(1554)もある程度期間が経ったら、グラフに追加しようと考えています(こちらは割と良い滑り出しのようです)。
しばらくしたら、またブログで報告したいと思います。お楽しみに!


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Posted by水瀬ケンイチ