インデックス投資への「過剰期待」と「過小評価」 その2

水瀬ケンイチ

前回の記事「インデックス投資への「過剰期待」と「過小評価」 その1」の続きです。

「過剰期待」に続いて、インデックス投資の簡単な説明がひきおこす、インデックス投資に対する「過小評価」について、個人的によく見聞きする例を列挙してみます。

≪インデックス投資に対する過小評価≫

(1)日経平均はこの20年間下がりっぱなしだったのでインデックス投資はだめ
→日本という単一国だけを見てインデックス投資を判断するのは視野が狭い。国際分散投資をするのだから、例えば先進国・新興国を含んだMSCI ACWIなどカバレッジの広いインデックスを見てみよう

(2)銘柄選択の努力をしないで儲けられるわけがない
→プロでも運の良い素人には勝てないのが市場であり、努力と利益は必ずしも比例しない。手間なく常に市場の平均を取れることの意義は大きい

(3)インデックスを上回るアクティブファンドは存在するのだからそれを選べばよい
→インデックスを上回るアクティブファンドはある時点で見れば一定数存在するが、それが継続するかどうかは別問題。また事前にそれを選べる合理的手段はないのが現実

(4)グローバル化の進展により分散効果はなくなった
→各アセットクラス間の相関係数がすべて1にならない限り(たとえ正の相関が強くても)分散効果はある。相関係数は日々変動しているので実質的にすべてが1になり続けることはない

以下、ちょっとマニアックになりますが、せっかくなので整理しておきます。



(5) ※現在検証中のため一時伏せさせていただきます

(6)そもそも「株価はランダムウォークする」のに「期待リターンがプラス」というのは論理的におかしい
→理解不足、もしくはランダームウォークの定義の違い。ランダムに動きながら基本的な方向性を持つことは両立する(ウィーナー過程とドリフト項)

そして、いちばんよくあるのが、以下のもの。

(7)少なくとも私は個別株投資でインデックスを上回っているのでインデックス投資なんて(以下略
→素晴らしい!これからも頑張ってください!ただ、そのインデックス超過分を生み出すための費用(時間)対効果はどうでしょう?短い人生、時間や手間をほとんどかけずに常に市場の平均を取れるとなると、QOL(Quality of Life)が上がるかもしれませんね。いや、投資がライフワークなら大いに結構ですけど(^^;


といったところでしょうか。
前回の記事とあわせて、インデックス投資への「過剰期待」と「過小評価」を整理してみました。

世の中にインデックス投資情報が増えることはよいことだと思います。
手間がかからず簡単な投資法なので、初心者向けに分かりやすくキャッチーな言葉で説明されることも多いでしょう。
でも、そのキャッチーな言葉がひとり歩きして、誤解や反発を招くことがあればそれは不幸なことです。
インデックス投資について、過剰期待でもなく過小評価でもない、「いいあんばい」の理解(要するに正しい理解)をしていたいものです。
自戒をこめて。

※言わずもがなですが、投資判断は自己責任でお願いいたします。
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Posted by水瀬ケンイチ