ノックイン型投信なんてまだ売っていたのか
水瀬ケンイチ
ノックイン型投信をめぐり高齢者が金融機関とトラブルになっているという記事です。
【毎日jp 2011/05/14より引用】
複雑金融商品:「もうかる」にトラブル多発 老後の資産運用、高まる関心 /奈良
◇購入の際「家族に相談」必要
年金制度への不安などを背景に老後の資産運用に対する関心が高まる中、高齢者が金融商品の仕組みを十分に理解しないまま購入し、大きな損失を出してトラブルになる事例が後を絶たない。県内でも、複雑な仕組みの投資信託を購入したことで約4000万円(10年11月末現在)の損失を抱えた70代女性が「元本欠損リスクなどについて十分な説明がなかった」として、販売した大手信託銀行に元本の払い戻しなどを求めて奈良地裁に提訴している。購入の際の注意点や家族の対処法を取材した。
【引用おわり】
記事では、日経平均のノックイン型投信を大手信託銀行から1億9000万円分(!)購入した70代女性の実例が紹介されています。
これを見てまず最初に思ったのは、「まだノックイン型投信なんて売ってたのか!」ということです。
【毎日jp 2011/05/14より引用】
複雑金融商品:「もうかる」にトラブル多発 老後の資産運用、高まる関心 /奈良
◇購入の際「家族に相談」必要
年金制度への不安などを背景に老後の資産運用に対する関心が高まる中、高齢者が金融商品の仕組みを十分に理解しないまま購入し、大きな損失を出してトラブルになる事例が後を絶たない。県内でも、複雑な仕組みの投資信託を購入したことで約4000万円(10年11月末現在)の損失を抱えた70代女性が「元本欠損リスクなどについて十分な説明がなかった」として、販売した大手信託銀行に元本の払い戻しなどを求めて奈良地裁に提訴している。購入の際の注意点や家族の対処法を取材した。
【引用おわり】
記事では、日経平均のノックイン型投信を大手信託銀行から1億9000万円分(!)購入した70代女性の実例が紹介されています。
これを見てまず最初に思ったのは、「まだノックイン型投信なんて売ってたのか!」ということです。
このノックイン型投信については、何年も前からトラブルが発生しており、新聞などでも度々取り上げられていました。
国民生活センターにも事例が公開されています。
国民生活センター WEBサイト
ローリスクと勧誘されたが、想定外に大きく元本割れする可能性が生じた「ノックイン型投資信託」
ネットで検索すると、何年か前のトラブル事例が続々出てきます。
けっこう騒がれていたので、金融機関ではもう売っていないのではないかと思っていましたが、まだまだ甘かったようです。
そもそも、ノックイン型投信とは、
「ノックインとはあらかじめ定めた水準(株価水準等)を下回ることをいい、ノックイン投信とは投信のリターンの決定に一定のノックイン条件が付されている投信のこと。ノックイン投信は、“リスク限定型”、“リスク軽減型”というキャッチフレーズを打たれているものがある。リスク限定型ノックイン投信の典型例としては、一定期間に日経平均がXXX円を下回らなければ4%の配当を支払うが、XXX円を一度でも下回ると、日経平均の動きに連動したリターンになるというった形態になる。(一定額以上値下がりした場合にのみリスクがあるという意味でリスク限定型と呼ばれる)」(exBuzzwordsより)
というもの。
リターンは限定&リスクはモロにくらうという、「なーにがリスク限定型だよ、アホか!」と思わずにはいられない、投資家にとって不利な条件の商品だと分かります。
デリバティブの仕組みを理解し相場の動向が読めるかたならあるいはアリなのかもしれませんが、私を含め普通の人とっては避けるべきダメ商品だと言えます。
仕組みが複雑な金融商品は、金融機関が高い手数料を隠すために使うものという認識ですが、このノックイン型投信については、手数料だけでなく投資家に不利な条件も隠している分、より悪質だと思います。
相手が高齢者となれば尚更、売り手の倫理感が問われます。
上記毎日jpの記事では、統合失調症の症状が出ている70代の高齢者に、1億9000万円分の日本株式クラスのリスクを負わせるという悪質極まりない例が紹介されていましたが、これは氷山の一角で、もう少し小さな数百万円レベルのトラブルはもっとたくさん起こっているのかもしれません。
私を含め、高齢になると判断力が鈍ってくることがあるかもしれませんが、
「自分が理解できない金融商品には手を出さない」
というたったひとつの教えだけは、決して忘れないようにしたいと思います。
この言葉は、きっと生涯にわたってあなたを守ってくれることでしょう。
P.S
「リスク限定型」「元本確保型」などという紛らわしい名称は金融業界で自主規制していたはず。このマジックワードが使えなければ、ノックイン型投信なんかに引っかかる投資家は少ないと思うんですが…。
金融庁WEBサイト
デリバティブ取引に対する不招請勧誘規制等のあり方について
国民生活センターにも事例が公開されています。
国民生活センター WEBサイト
ローリスクと勧誘されたが、想定外に大きく元本割れする可能性が生じた「ノックイン型投資信託」
ネットで検索すると、何年か前のトラブル事例が続々出てきます。
けっこう騒がれていたので、金融機関ではもう売っていないのではないかと思っていましたが、まだまだ甘かったようです。
そもそも、ノックイン型投信とは、
「ノックインとはあらかじめ定めた水準(株価水準等)を下回ることをいい、ノックイン投信とは投信のリターンの決定に一定のノックイン条件が付されている投信のこと。ノックイン投信は、“リスク限定型”、“リスク軽減型”というキャッチフレーズを打たれているものがある。リスク限定型ノックイン投信の典型例としては、一定期間に日経平均がXXX円を下回らなければ4%の配当を支払うが、XXX円を一度でも下回ると、日経平均の動きに連動したリターンになるというった形態になる。(一定額以上値下がりした場合にのみリスクがあるという意味でリスク限定型と呼ばれる)」(exBuzzwordsより)
というもの。
リターンは限定&リスクはモロにくらうという、「なーにがリスク限定型だよ、アホか!」と思わずにはいられない、投資家にとって不利な条件の商品だと分かります。
デリバティブの仕組みを理解し相場の動向が読めるかたならあるいはアリなのかもしれませんが、私を含め普通の人とっては避けるべきダメ商品だと言えます。
仕組みが複雑な金融商品は、金融機関が高い手数料を隠すために使うものという認識ですが、このノックイン型投信については、手数料だけでなく投資家に不利な条件も隠している分、より悪質だと思います。
相手が高齢者となれば尚更、売り手の倫理感が問われます。
上記毎日jpの記事では、統合失調症の症状が出ている70代の高齢者に、1億9000万円分の日本株式クラスのリスクを負わせるという悪質極まりない例が紹介されていましたが、これは氷山の一角で、もう少し小さな数百万円レベルのトラブルはもっとたくさん起こっているのかもしれません。
私を含め、高齢になると判断力が鈍ってくることがあるかもしれませんが、
「自分が理解できない金融商品には手を出さない」
というたったひとつの教えだけは、決して忘れないようにしたいと思います。
この言葉は、きっと生涯にわたってあなたを守ってくれることでしょう。
P.S
「リスク限定型」「元本確保型」などという紛らわしい名称は金融業界で自主規制していたはず。このマジックワードが使えなければ、ノックイン型投信なんかに引っかかる投資家は少ないと思うんですが…。
金融庁WEBサイト
デリバティブ取引に対する不招請勧誘規制等のあり方について
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