NTT・トヨタ・アステラス製薬など、年金基金が新興国投資を拡大

水瀬ケンイチ

企業年金が新興国投資を拡大しているとのこと。

【日経新聞2011年5月19日朝刊1面より引用】
年金、新興国投資を拡大
企業年金が新興国の株式など高利回りを目指す資産運用を拡大している。海外株式と、不動産やヘッジファンドなど「代替投資」と呼ばれる分野を合わせた投資額は、国内株式での運用額を超えた。NTTの年金基金が今年度に数百億円規模の新興国株投資を計画するなど、今後も一段と増える見込みだ。株安や低金利で積み立て不足が膨らむのを避けるため、各社とも運用内容の見直しを急ぐ。
【引用おわり】

元記事によると、新興国市場への投資比率はNTTで2~3%、トヨタ自動車で3%、アステラス製薬で4.6%と、実際はまだまだ控えめな印象です。
それでも、もともとの資金量が大きな年金基金ではそれなりの規模になる(NTTでは数百億円)でしょうし、公的年金のGPIFも新興国への投資開始を検討しているように、年金の世界の流れはだんだん新興国投資も加える方向のようです。



ただ、少し気になるのは新興国投資を始める理由が、「積み立て不足の拡大を防ぐため」「予定利率の確保」などとされている点です。

投資期間が半永久的にある年金だからそれが可能なのかもしれませんが、個人投資家の場合、必要なリターンを確保できそうにないからハイリスクな新興国投資を始めるというのは、泥沼への道になりかねません。
先に自分のリスク許容度を把握して、その範囲内でもっともリターンが高くなるようなアセットアロケーションを組むというのが、無難な順序です。

以前、「厚生年金基金の多額損失に学ぶもの」というブログ記事の中で、不動産ファンドに集中投資して多額の損失を出した某厚生年金基金の例を取り上げたことがあります。
ギャンブラーが破滅する多くの場合、損失を一発逆転で取り返そうとして致命傷を負うというパターンが多いそうです。
日経記事の年金基金の例では、まだまだ新興国への投資比率が小さいのでたいした影響はないと思われますが、これらの企業年金が今後どうなるのか、注視しておきたいと思います。

ちなみに、私自身も以前ポートフォリオの新興国株式クラスの投資比率を高めたことがありました。
その時には、自分のリスク許容度が増したわけではなかったので、リスクが低い日本債券クラスへの投資比率増加とセットで行ない、ポートフォリオ全体のリスクが急激に上がらないように調整しました。


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Posted by水瀬ケンイチ