リスクを「率」で見るか、「額」で見るか?
水瀬ケンイチ
リスクについて、山崎元氏の興味深いコラムがありましたので紹介します。
楽天証券 山崎元「ホンネの投資教室」
第151回 個人の運用計画は「比率」よりも「金額」が簡単
詳しくは上記コラムをご覧いただきたいのですが、無理やりまとめると、ポートフォリオのリスクを「率」ではなく「額」で把握すると、自分の生活へのインパクトを実感できてよいのではないか、という提案でした。
当ブログでもリスクについては度々取りあげてきました。
リスクを「率」で語る方が比較的多くのかたと話が噛み合いやすいのですが、リスクは「額」で見た方が本人にとってはイメージしやすいようです。
上記コラムでも、例えば100万円運用していたとすると、「期待リターン5%、リスク20%」ということは、1年後の想定最大損失額が-35万円、期待される稼ぎが5万円、ベストの稼ぎが45万円、といった具合に金額で把握した方が分かりやすいのではないかということです。
実際に、他の投資ブログを拝見していると、運用資金が1,000万円を超えたら「率」で見るリスクが自分の損得勘定と感覚があわなくなってきたというかたや、運用資金が3,000万円に達したところで「率」で見るリスクに耐えられなくなり、「額」で見て耐えられるレベルまでリスクを落とされたというかたがおられます。
運用資産の拡大に伴い、自分のリスク許容度が「率」ではなく「額」で縛られているということが分かったという例です。
ちなみに、私も投資を始めた頃は、資産の変動幅について「今日は牛丼○杯分儲かった」とか「○日間タダ働きするくらいの損だ」とか、リスクを自分の給料や小遣いの「額」と結びつけて考えていました。
しかし、運用資産額が大きくなってくるにしたがって、そのあたりの感覚が麻痺してきたのか、あるいは慣れてきたのか知りませんが、「額」はあまり気にならなくなりました。
「○%の利益だからこれは期待どおりだ」とか「○%の損失だからこれはかなり珍しい不運だろう」とか、金額にあまり関係なく淡々と「率」で考えられるようになりました。
これが良いことなのか悪いことなのか分かりませんが。
リスクを「率」で考えられると、資産額に関係なく一貫した運用方針を貫くことができ、資産運用がシンプルになります。
また、自分の運用を、他の投資家の運用や年金等機関投資家の運用と比較することができます。だから、資産額に関係なく、他の人と話が噛み合いやすいし、その運用を参考にすることもできます。
でも、リスクを「率」で考える人は、個人投資家では少数派のようです。
リスクを「額」で見た方が、自分の実感をともなって生活への影響を考えることができ、多くのかたにとって分かりやすく、間違えにくいというのなら、「額」で見るのもアリだと思います。
自分は自分、他人は他人であり、必ずしも他人の運用と比べる必要はないと考えることもできます。
ただ、ひとつ言えることは、「額」と「率」、そのいずれにしても、リスクを「数字」で把握することはとても重要だということです。
リターンの正規分布を前提とするリスク=標準偏差があくまで「目安」でしかないことを考慮に入れても、やはり数字で把握する重要性は変わりません。
「あなたは、何円までの損なら耐えられますか?」
「あるいは、何%までの損なら耐えられますか?」
もし、その質問のどちらにも答えられないとすると、もしかしたらあなたは、自分のリスク許容度を知らずに運用をしているのかもしれません。
例えるなら、スノーボードの滑り方を知らないのにゲレンデの頂上から直滑降しているような状態、あるいは、自分が飲める量を知らずに日本酒を一気飲みしているような状態かもしれません(例えが個人的趣味の範囲で申し訳ない…)。
たとえ今は気分が良くても、後でどうなるか分かったものではありません。
お気をつけを。
楽天証券 山崎元「ホンネの投資教室」
第151回 個人の運用計画は「比率」よりも「金額」が簡単
詳しくは上記コラムをご覧いただきたいのですが、無理やりまとめると、ポートフォリオのリスクを「率」ではなく「額」で把握すると、自分の生活へのインパクトを実感できてよいのではないか、という提案でした。
当ブログでもリスクについては度々取りあげてきました。
リスクを「率」で語る方が比較的多くのかたと話が噛み合いやすいのですが、リスクは「額」で見た方が本人にとってはイメージしやすいようです。
上記コラムでも、例えば100万円運用していたとすると、「期待リターン5%、リスク20%」ということは、1年後の想定最大損失額が-35万円、期待される稼ぎが5万円、ベストの稼ぎが45万円、といった具合に金額で把握した方が分かりやすいのではないかということです。
実際に、他の投資ブログを拝見していると、運用資金が1,000万円を超えたら「率」で見るリスクが自分の損得勘定と感覚があわなくなってきたというかたや、運用資金が3,000万円に達したところで「率」で見るリスクに耐えられなくなり、「額」で見て耐えられるレベルまでリスクを落とされたというかたがおられます。
運用資産の拡大に伴い、自分のリスク許容度が「率」ではなく「額」で縛られているということが分かったという例です。
ちなみに、私も投資を始めた頃は、資産の変動幅について「今日は牛丼○杯分儲かった」とか「○日間タダ働きするくらいの損だ」とか、リスクを自分の給料や小遣いの「額」と結びつけて考えていました。
しかし、運用資産額が大きくなってくるにしたがって、そのあたりの感覚が麻痺してきたのか、あるいは慣れてきたのか知りませんが、「額」はあまり気にならなくなりました。
「○%の利益だからこれは期待どおりだ」とか「○%の損失だからこれはかなり珍しい不運だろう」とか、金額にあまり関係なく淡々と「率」で考えられるようになりました。
これが良いことなのか悪いことなのか分かりませんが。
リスクを「率」で考えられると、資産額に関係なく一貫した運用方針を貫くことができ、資産運用がシンプルになります。
また、自分の運用を、他の投資家の運用や年金等機関投資家の運用と比較することができます。だから、資産額に関係なく、他の人と話が噛み合いやすいし、その運用を参考にすることもできます。
でも、リスクを「率」で考える人は、個人投資家では少数派のようです。
リスクを「額」で見た方が、自分の実感をともなって生活への影響を考えることができ、多くのかたにとって分かりやすく、間違えにくいというのなら、「額」で見るのもアリだと思います。
自分は自分、他人は他人であり、必ずしも他人の運用と比べる必要はないと考えることもできます。
ただ、ひとつ言えることは、「額」と「率」、そのいずれにしても、リスクを「数字」で把握することはとても重要だということです。
リターンの正規分布を前提とするリスク=標準偏差があくまで「目安」でしかないことを考慮に入れても、やはり数字で把握する重要性は変わりません。
「あなたは、何円までの損なら耐えられますか?」
「あるいは、何%までの損なら耐えられますか?」
もし、その質問のどちらにも答えられないとすると、もしかしたらあなたは、自分のリスク許容度を知らずに運用をしているのかもしれません。
例えるなら、スノーボードの滑り方を知らないのにゲレンデの頂上から直滑降しているような状態、あるいは、自分が飲める量を知らずに日本酒を一気飲みしているような状態かもしれません(例えが個人的趣味の範囲で申し訳ない…)。
たとえ今は気分が良くても、後でどうなるか分かったものではありません。
お気をつけを。
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