購買力平価が私に与えた影響

今朝の日経新聞に、為替についての良記事発見。

【日経新聞2011年7月4日朝刊17面より引用】
長期の外貨投資 「購買力平価」軸に
円が1ドル=80円前後と高値圏にある。「国力」が衰えているといわれる中で、なぜ円は長期的に上昇し続けてきたのか。「購買力平価」という考え方を視野に入れておくと、為替の長期的な値動きの背景がわかり、外貨投資の失敗を減らせる可能性がある。
【引用おわり】

当ブログでも何度も取り上げている、購買力平価のことが書いてあります。
大事なことは何度でも書きますが、購買力平価とは、「為替レートは2つの国の通貨の購買力(モノを買える価値)が同じようになるように決まるという考え方」です。
<関連記事>
2010/05/24 購買力平価は大正初期から成り立っていた

だから、

インフレ率の高い国の通貨は長期的には価値が下がる →多くの新興国など
インフレ率の低い国の通貨は長期的には価値が上がる →まさに日本

となります。
何度でも頭に叩き込んでいいくらい重要なことです。

日経記事によると、プロの間では「長期では為替は購買力平価を軸に動く」(大和総研熊谷亮丸チーフエコノミスト)は常識ですとのこと。「為替はモノとモノの交換価値なので、長期では当然インフレ率の差で決まる」(JPモルガン・チェース銀行の佐々木融・債券為替調査部長)とも。

購買力平価の考え方がわかると、「高金利通貨が得というわけではない」ということが理解できます。
私の拙い経験でも、高金利通貨は「じりじりと値を上げてある日突然ドスンと落ちる」(そしてロングしているFX投資家のおはぎゃああという叫びが…)を繰り返しているように見えます。

ちなみに、いま世界の消費者物価指数がどうなっているのか、わかりやすくまとめてくれているサイトがあったのでご紹介します。日本は対象国181か国中、堂々の179位です。これを見ると、昨今の円高はさもありなんという感じはします。

世界経済のネタ帳
世界の消費者物価指数ランキング


しかしながら一方で、購買力平価は短期~中期では、為替予測に役に立たないとも言われています。
たしかに今まで、ドル円で見ても、購買力平価に対してちょくちょく円高にも円安にもオーバーシュートしてきました。ユーロ円にいたっては、もっとダイナミックに数年単位で購買力平価から乖離しています。

だから、私は購買力平価を「為替動向の予測」に使うのではなく、自分の「資産運用の基本的考え方」に使うことにしました。
<関連記事>
2011/01/02 2011年の投資戦略、若干の修正

今日の日経記事にも、上記関連記事(2010/05/24)にも出ているグラフですが、過去30年の日本債券と外国債券の総合リターンはほぼ同じになっています。
購買力平価の考え方から、「日本債券と外国債券の期待リターンは同じ」という考え方に賛同し、期待リターンは日本債券と同じなのにリスクは高いという外国債券クラスの縮小(もしくは撤退)に向けて、少しずつアセットアロケーションを見直し中です。

この考え方を他人に押し付ける気はありません。
自分はこうしている、というだけです。
実際、私は資産運用を始めた10年くらい前に、米国ITバブル崩壊で日米の株価が暴落する中で、なんとなく買っていた外国債券ファンドの上昇におおいに助けられた経験があります。

それでもなお、外国債券クラスは縮小(もしくは撤退)します。
購買力平価という考え方は、マイポートフォリオにおける高い外貨比率に悩む私にとって、それだけ大きなインパクトを与えたということだと思います。


※言わずもがなですが、投資判断は自己責任でお願いいたします。
関連記事


  





コメント

良記事です

良い記事でしたよね。
為替のよりどころになる指標って、これくらいじゃないかな、と思ってました。
よく「過去に比べると最近は円高が行き過ぎ。いずれは元に戻る」、という主張を見聞きしますが、感覚的な主張であって、危険だと思います。

「インフレ率の低い国の通貨は長期的には価値が上がる」

これはほんと重要ですね
なんで円高なの?と疑問に思う人は多いようですが、市場の思惑が~などといったトンデモでなく、単純な理論で説明できるんだから


外貨投資を奨める書籍にもぜひ載せてほしいです

こんにちは。いつもブログ拝見しております。初めてコメントさせていただきます。

外国債権投資に関しては、特に最近の「欧州債権・ロールオーバー」などで正直投資しずらいジャンルだなと感じております。。

特に、債権価格-金利高低-通貨あげさげ+「オトナの力技」の関係が、「感覚として」つかみずらいというかなんというか・・

そんな中、

>インフレ率の高い国の通貨は長期的には価値が下がる →多くの新興国など
>インフレ率の低い国の通貨は長期的には価値が上がる →まさに日本

の観点は、「目からうろこ」でした。

今後もブログ(とつぶやきも)、楽しみにしています。

実質実効為替レートを使うと簡単

購買力平価は長期の為替レートを説明するのに最も適合すると言われますが、その一方で数年前の円安バブルや現在の豪ドルバブル、ブラジルレアルバブルをどうやって定量的に考えるのかは難しい課題があります。
やり方は実質為替レートをOECDのインフレ率のデータから計算する方法がありますが各通貨毎の計算は面倒です。
比較的簡単なやり方は各国の実質実効為替を見る方法です。
このやり方の欠点は貿易対象国の各通貨ウェイトによって通貨の強さを見るので、円だけではなくて世界的な通貨の強さで見ているので、対円だけではない点です。
現在の豪ドル1つ取っても、2007年に付けた100円台のレートは現在価値に直せば90円台になりますが、今の豪ドルレートはそれでも若干の円高と言えます。
しかし、実質実効為替レートでは豪ドルは過去最大級の強さになっています。
今、ある投信会社がアジアのソブリン債に投資するアクティブファンドが売られていますが、1998年当時のようなアジアの通貨安はほぼ解消されており、何故、今頃そんな物を出すのかが良く分かりません。
これも各アジアの実質実効為替レートを見ると分かりやすいです。
購買力平価の考え方を知っておくと、変な投資商品に掴まされる心配が無くなります。

まさに「軸」

今後、グローバル化や世界のボーダーレス化が進めば進むほど、購買力平価はより当たり前になりそうですね。
とてもシンプルで、そもそも普通に考えれば当たり前すぎるからこそ、この理論(説?)は外貨資産に投資する際の「軸」になりえるのだと思います。

短期・中期・長期の具体的なスパンや、各アセットクラス間の相関をどう考えるかによって、各人におけるアセットアロケーションは様々なものになるでしょうが、リスク資産への投資を行う際には決して無視してはならない大切な「軸」ですね。

こんにちは
水瀬さんの持つ国内債券クラスは金利が上がる事を見越して持っているようですが、今回の記事の内容通りですと今後円安に向かう可能性を水瀬さんは理解されていると思いました。だとしたら、外国債券も魅力だと思うのですが、どのようにお考えですか。

私も購買力平価は理解しているつもりですが、高金利通貨も
持っています。30年くらい円に戻さず延々と複利運用しますが
さてどうなるでしょうか?^^;分散の一環ですので全体の
10%未満ですけどね 遊び心?も入れた分散という感じです

>ひでさん

「為替予測はアナリストの墓場」らしいですから、短期的な為替予測は不可能と割り切っております。
一方で、長期的に効いてくる骨太の理論はおおいに参考にしたいと思っています。


>しゃかりきさん

新聞に出ている株価動向や為替動向の解説は、旬のワードをいくつか入れた自動文章作成プログラムで書いているんじゃないの?と思えることがあります。最近なら、

「円安を好感して」「円高を嫌気して」「商品価格の高騰により」「欧州債券信用不安により」「米国景気不安の後退で」「輸出関連企業が」「内需関連株が」「出遅れ株の物色で」「先物主導で」

あたりのワードを組み合わせれば、私にも書けるような気がします(もちろん冗談です・笑)


>ぽっぷMAXさん

購買力平価説は、短期~中期(数年)で見ると必ずしもそうならないことも多いので、ご活用は慎重にどうぞ。


>タカちゃんさん

ブログ記事では触れていませんが、実質実効為替レートについても日経記事本文にもしっかり出ていました。
日経田村氏に死角なし(笑)


>虫とり小僧さん

外債なし運用は誰にでもおすすめできるとは思っていないので、各人がよいと思うアセットアロケーションを作ってください。


>ymさん

私は将来の為替動向予測は不可能と割り切っております。
国内債券クラスの投資商品から何かが見えたとしても、それはお察しいただき、そっと胸のうちにしまっておいてください(^^;


>宮さん

ご自身が分かってやっておられるのであれば、どんな運用でもまったく問題ないと思います。

>購買力平価説は、短期~中期(数年)で見ると必ずしもそうならないことも多いので、ご活用は慎重にどうぞ。

そうですよね。そもそも対象のアセットクラスに「投資する事」に対して、

・何年スパンの投資をするのか
・そのスパンでの出口戦略は?
・そもそもその投資の目的(リカクしたら何をするのか?)

を「楽しく考えておく事」が必要なんだろうなと思いました(^^)

その中の投資方針or出口戦略をいろいろ検討する中のひとつの指針として
「購買力平価説」を取り入れて仮定してみる、とういう事だと、
改めていろいろ考えるきっかけになりました。

ありがとうございます。

教えてください

実は私も、外国債券クラスを減らす方向で考えています。
が、これだけ円高だと、円転するのがもったいないくて・・・
(株式が多いので、外国債券を国内債券にシフトしたい)

もう少し円安を待って・・ などと考えてしまい、そのままになっています。

よろしかったら、どのように縮小しているのか教えていただけないでしょうか?

3ヶ月ごとに1%ずつ、等、機械的に行うのが、最も良いような気もしますが・・・

>はるこさん

ご質問への回答を、新しいブログ記事の中に盛り込みました。
よろしければご覧ください。
http://randomwalker.blog19.fc2.com/blog-entry-1787.html

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