国内ETFの「基準価額と市場価格の乖離問題」がまた元通り?

水瀬ケンイチ

上場以来、個人投資家の期待を集めながらも、ETFの基準価額と市場価格の乖離の大きさが課題と言われてきた国内ETFの「上場MSCIコクサイ株」(1680)・「上場MSCIエマージング株」(1681)の乖離率がプラスマイナス0付近まで縮小したという記事を4月下旬に書きました。(参考記事

その後の動向をウォッチしていたのですが、ここで一旦再整理しておきます。
以下が、「国内ETFの基準価額と市場価格の乖離率」の推移を表したグラフです。

国内ETFの基準価額と市場価格の乖離率

あらら…。
11年4月にプラスマイナス0付近にまで下がっていた乖離率が、再び拡大しています。


以前の記事の繰り返しになりますが、ETFの基準価額と市場価格の乖離は、出来高不足とか、先物中心の運用では裁定が働きにくいとか、マーケットメーカーの意向が関係するとか、海外資産対象のETFの場合は、原資産と為替の価格評価時点のズレがあるために乖離率はどうしても発生するとか、様々な要因が複雑に絡み合っているようです。
その乖離率のうちどの要因がどれだけプレミアム(ディスカウント)要因になっているのか個人投資家側では判断がつきません。

しかし、複雑な要因により乖離があることは許容したとしても、それが常にプラス圏(プレミアム状態)で推移し続けているというのは何かがおかしい。個人投資家にとって、不利益になる大きな何かがあると考えていいと思います。
ごくシンプルに考えれば、いろいろあって乖離はするが、それは長い目で見て0をまたいでプラスマイナス0付近を行ったり来たりするのが自然ではないでしょうか。

1680と1681に関しては、4月にやっと自然な乖離レベルになってきたのですが、残念ながら定着しませんでした。
逆に、5月は1550が乖離率を縮小してきて、1680といい勝負になってくるかとも思われたのですが、8月はともに乖離率を拡大する結果になっています。

国内ETFは、海外ETFと比べてコスト面と利便性でポテンシャルは高い(関連記事)ので、期待はしているのですが、個人的には残念な結果です。

国内ETFの基準価額と市場価格の乖離は、低コストを志向する個人投資家にとって重要なポイントなので、これからも注目していきます。
しばらくしたらまたご報告したいと思います。

<追記>2011/08/18
現役ファンドマネージャーのActiveIndexさんからトラックバックをいただきました。
プロの考察、必見です!
http://activeindex.blog101.fc2.com/blog-entry-19.html
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Posted by水瀬ケンイチ