通貨選択型投信、特にレアル型がえらいことに…

水瀬ケンイチ

世界金融危機の後、世界中で自国通貨安競争をやっていましたが、一転、新興国が自国通貨安防止の介入競争になっているそうです。

WSJ日本版 2011/09/24より引用】
新興国が自国通貨安防止の介入競争に―金融市場混乱のドル高受け
【ロンドン】新興国を中心とした世界各国の通貨当局は23日、従来の国際競争力確保のための自国通貨安誘導競争から一転、今度は下落を防ぐための自国通貨買い介入競争に突入した。
世界同時株安など金融市場の混乱で、資金がここに来て米ドルに集中逃避、各通貨がドルに対して急落するのを受けた動きだ。
【引用おわり】

一生懸命自国通貨安に誘導してきたのを、今度は下がり過ぎたので自国通貨買いの介入までしているとは、為替の世界は忙しいですね。
為替リスクは、理論的にはリスクを取っても期待リターンは上がりません。
個人的には、できれば取りたくないリスクです。外国株や新興国株に投資したいので、渋々取っているリスクです。

為替リスクはただでさえ厄介なのに、外国債券や外国REITだけでなく、国内株式や国内REITといった国内資産に対してまで、わざわざ新興国通貨で為替ヘッジをするという変ちくりんな商品が、一時期、賑わいを見せていました。
通貨選択型投信です。人気はブラジルレアル型でした。

WSJの記事によると、そのレアルが4営業日で10%を超えて下落したそうです。
レアル型の投信は、基準価額が下落して、軒並みえらいことになっているようです。
一例を挙げると……


原資産が日本株のレアル型ファンドの状況を見てみます。
原資産が日本株のレアル型ファンド

青が「(ネット証券専用)新興市場日本株レアル型」、赤が「日本株厳選ファンド・ブラジルレアルコース」、緑が「野村日本ブランド株投資(レアル)毎月」という通貨選択型ファンドです。
いずれも、TOPIXに対して2倍以上下げています。
(厳密には比較対象がTOPIXで適当かどうかはひとまず置いておきます)

当ブログでも、通貨選択型投信の商品性の複雑さと高いリスクについて、何度も何度も警鐘を鳴らしてきました。
2010/08/13 債券投信はいいけど通貨選択型には気をつけて
2011/06/28 ネット証券4社共同プログラム『資産倍増プロジェクト』への落胆と期待
2011/07/21 毎月分配型投信や通貨選択型投信もいいけれど、売る方も買う方もしっかりしよう

ブログでは、複雑な商品性と高いリスクを分かって買っているのなら何も申しあげることはありませんが、よく分からないなら「自分が理解できないものには投資しない」の原則を守った方がよい、と繰り返し申しあげてきました。

もちろん、これらの投信は以前調子が良い時期もありましたし、存在自体を否定するわけではありません。
ただ、これら人気投信の購入者が、この事象に納得されていればいいのですが。

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Posted by水瀬ケンイチ