未来には、それに値する謙虚さをもって接する

水瀬ケンイチ

私が楽しみにしているメルマガのひとつに、バンガード・ニュースレターがあります。

2011/09/27発行のバンガードレター<第26号>は、米国バンガードのビル・マクナブCEOに、最近の出来事についての意見と、事態を憂慮する投資家への指針を聞くという内容でした。
興味深かったので、一部を引用させていただきます。

◆今年は投資家にとって、控えめに言えば何かと興味深い年といえますが、ここ数ヶ月間を振り返って、私たちは何を学べたと思いますか?

特に際立っていたのは、世界全体でも金融市場の中でも、まったく予測不可能な出来事が起こっているということです。例えば、日本を襲った恐ろしい災害や中東での政情不安の発生を、誰も予測できませんでした。欧州の債務危機や米国の債務上限引き上げを巡る議論さえ、予想通りの展開にはなっていません。

ここから私たち投資家が学ぶべきことは、想定外のことが起こり得るのだ、と常に想定しておくということです。バンガードのチーフ・エコノミストを務める同僚のジョー・デイビスは、「未来には、それに値する謙虚さをもって接するべきだ」と語っています。言い換えれば、投資の判断を下す際に、将来の予測はとりたてて役に立たないということです。これまでの経験や、時の試練に耐えた堅固な投資原則に頼った方が賢明だと思います。


良さげなことが書いてありますが、「予想外のことが起こり得る、と常に想定しておく」というのは、一見、矛盾しているように思えます。
また、「未来には、それに値する謙虚さをもって接する」というのも、抽象的な表現でいまいちピンときません。
これらは、具体的に、どうすればよいということなのでしょうか。



私の個人的な解釈はこうです。
まず、リスク資産以外に生活防衛資金をたっぷり用意しておくこと(私は生活費の2年分以上を確保しています)、そして、リスク許容度をしっかりと把握し、リスクに対して余裕を持ったポートフォリオで運用をするということ(リスク資産への投資金額を控えめにする、最大損失額が2σで心配なら3σまで見ておく等)ではないかと思います。

将来が不確実なのは当たり前です。
不確実性に対して、それを予測して利益を取りにいくことで対応するのではなく、最悪ケースを安全サイドに倒して備えておくことで対応する方が、現実的だと思います。

「投資の判断を下す際に、将来の予測はとりたてて役に立たないということです。これまでの経験や、時の試練に耐えた堅固な投資原則に頼った方が賢明」というのは、もっともなことだと思います。
もちろん、世界の経済環境は目まぐるしく変わるので、過去に最適だった投資法が今後も最適とは限りません。
しかしながら、それに代わると思われる投資法が、過去の投資法よりも良いものであるという保証はどこにもありません。

その新しい投資法がどんなに素晴らしく見えても、少なくとも「時の試練」に耐えていない分、エビデンスが少ないことを忘れてはいけないでしょう。
現在の投資法のパフォーマンスが気に入らないからといって乗り換えた新しい投資法が、今よりももっと酷かった、なんてことにならないようにしたいものです。

それにしても、リーマン・ショックの時も、今回の世界同時株安の時も、バンガードは良いタイミングで良い情報を提供してくれます。


※言わずもがなですが、投資判断は自己責任でお願いします。
関連記事


投資判断は自己責任でお願いします。当ブログの情報により投資判断を誤ったとしても、管理人は責任を負えません。また、当ブログ内容の無断転載を禁じます。

Posted by水瀬ケンイチ