「アルファ」(市場平均を上回るリターン)はもう見込めない?

水瀬ケンイチ

会員限定ですが、日経電子版に気になる記事が掲載されています。

日経電子版 > マネー > コラム > 日経ヴェリタスセレクト 2011/12/18より引用】
カリスマ投資家の挫折 巨星退場、逆張りの鬼は大損
マクロ環境激変、アクティブ運用苦境に

 欧州危機などマクロ環境の変化に市場が翻弄された2011年。米国の運用業界ではカリスマ投資家たちが苦杯をなめた。かつて独自の嗅覚で個別株を選別して市場平均に勝ち続けてきたが、そのアクティブ投資に限界論がささやかれている。
【引用おわり】
(大人の事情で記事に直接リンクできません。上記リンクを辿ってください^^;)

記事では上記リード文の後に、米国を代表する運用会社レッグ・メイソンのビル・ミラー氏と、米投信大手フェアホルム・ファンドの創業者、ブルース・バーコウィッツ氏を例に挙げて、かつてインデックスを上回る運用を続けていたアクティブ投資家のパフォーマンスが悪化していることを取り上げています。
両氏とも今はインデックスを大幅に下回っています。
そして最後は、『アクティブ投資家が収益の源泉にしてきた「アルファ」(市場平均を上回るリターン)はかつてのようには見込めない』と結んでいます。

インデックス投資家の私ですら、この記事を読んでかなり脱力しました。



記事では、両氏の退場と、

・マクロ要因の変動に合わせて、投資家が「リスクオン」で株式を買い、「リスクオフ」で株式を売るという行動を取り、個別の材料にはあまり反応しない
・株式の銘柄間の相関が、世界恐慌時と同じレベルにまで高まっている
・ETFの普及もこの傾向に拍車を掛けている

といった要因から、アルファはかつてのようには見込めないと指摘しています。

アクティブ運用の肩を持つわけではありませんが、この記事はひどいと思います。
たしかに、アクティブ運用は「平均的には」インデックス運用に負けています。
これは過去の歴史とデータが証明しています。

しかし、インデックスはあくまで平均です。
そして、その平均を大きく下回ったアクティブ投資家が紹介されました。
ということは、それを上回るアクティブ投資家が「必ず」存在しなければ辻褄が合いません。
ふたりの大物アクティブ投資家が失敗したり(たった2例です)、株式銘柄間の相関が高まった(過去にも同じ状況があったことを奇しくも著者が自分で述べています)からといって、もうアルファが見込めないなどということはありえません。

アクティブ運用が難しいのは、平均を上回ること自体ではなく、平均を上回ることを「継続すること」です。
ある時期に有効だった投資法が、ある時期になると有効ではなくなった、なんて話は古今東西いくらでもあります。
いくらカリスマ投資家でも、投資環境が大きく変化したので、平均を上回り続けることが難しかった。
ただそれだけのことだと思います。

アクティブ投資家の皆さんには、こんな記事にめげることなく、ぜひアルファを目指して頑張ってほしいと思います。
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Posted by水瀬ケンイチ