国内ETFの「基準価額と市場価格の乖離」をチェック(2011年12月末時点)

水瀬ケンイチ

上場以来、個人投資家の期待を集めながらも、ETFの基準価額と市場価格の乖離の大きさが課題と言われてきた国内ETF。
「上場MSCIコクサイ株」(1680)・「上場MSCIエマージング株」(1681)・「MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信」(1550)の乖離率を2011年12月末時点でチェックしてみます。

以下が、「国内ETFの基準価額と市場価格の乖離率」の推移を表したグラフです。

国内ETFの「基準価額と市場価格の乖離」の推移
(モーニングスターのデータを使い水瀬が作成)

1680・1681・1550いずれも、2011年12月には乖離率が、いちおう1%以内に収まっています。
ただし、2011年を通して見ると以下の特徴が見られました。



  1. 全期間を通して、ほぼ常にプラス圏で乖離している傾向に変わりなし
  2. 1680・1681については、2011年4月に±0%近辺まで乖離が縮小したが、その後再び拡大してしまった
  3. 1550は、ひときわ乖離レベルが大きかったが、2011年後半で1680・1681と同等レベルに落ち着いてきた
  4. 1680・1681・1550いずれも、2010年と比較すれば2011年は乖離水準が小さくなってきた

国内ETFの基準価額と市場価格の乖離は、出来高不足とか、先物中心の運用では裁定が働きにくいとか、マーケットメーカーの意向が関係するとか、海外資産対象のETFの場合は、原資産と為替の価格評価時点のズレがあるために乖離率はどうしても発生するとか、様々な要因が複雑に絡み合っています。
その乖離率のうちどの要因がどれだけプレミアム(ディスカウント)要因になっているのか個人投資家側では判断がつきません。

しかし、複雑な要因により乖離があることは許容したとしても、それが常にプラス圏(プレミアム状態)で推移し続けているというのは何かがおかしい。個人投資家にとって、不利益になる大きな何かがあると考えていいと思います。
ごくシンプルに考えれば、いろいろあって乖離はするが、それは長い目で見て0をまたいで±0%付近を行ったり来たりするのが自然ではないでしょうか。

その点では、(1)に書いたように、ほぼ全ての期間プラス圏で推移していることは、まだ不自然な状況だと思います。
ただ、(2)(3)の状況はあるものの、長い目で見れば(4)に書いたように、1680・1681・1550いずれも、2010年と比較すれば2011年は乖離水準が小さくなってきたとは言えそうです。

国内ETFは、海外ETFと比べてコスト面と利便性でポテンシャルは高いので、期待はしています(個人的にはまだ様子見ですが…)。
ちなみに、インデックス投資アドバイザーのカン・チュンド氏は昨年、ご自身が運用するポートフォリオにおいて、海外ETFのTOK・EEMから国内ETFの1680・1681に乗り換えられたそうです(該当記事)。

国内ETFの基準価額と市場価格の乖離は、低コストを志向する個人投資家にとって重要なポイントだと思います。
今後も注目しつつ、しばらくしたらまたご報告したいと思います。

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Posted by水瀬ケンイチ