消費税増税が投資信託・ETFのコストに与える影響

水瀬ケンイチ

消費税増税のお話が、だいぶ現実味を帯びてきたように見えます。

野田首相のもと、民主党税調が2011年12月末に2014年4月に8%、15年10月に10%などとする案を了承したと報道されています。
まだどうなるかは分かりませんが、もしもの時に備えて覚悟はしておいた方がいいかもしれません。

そこで、(過去にも取り上げましたが)あらためて消費税増税によって投資信託・ETFのコストにどう影響するか、押さえておきたいと思います。

基本的に、「高コスト商品ほど消費税増税の影響が大きくなる」と覚えておけば、よろしいかと思います。



具体的に見てみます。
投資信託・ETFにかかる主なコストには、(1)販売手数料(ETFの場合は売買手数料)、(2)信託報酬、(3)信託財産留保額があります。
※厳密には、信託財産留保額はコストではなく、他の投資家のためのお互いさまの解約ペナルティですが、支出という面ではここではコストと同等と捉えて説明します。

(1)の販売手数料(売買手数料)と(2)の信託報酬には消費税がかかりますが、(3)信託財産留保額には消費税はかかりません。

(1)の販売手数料(売買手数料)は、イニシャルコストであり、長期保有により年率のコスト負担を薄めらるし、ノーロード(販売手数料0%)の商品であれば、消費税もかからないので、影響は比較的小さいと考えられます。
(もちろん、短期売買を繰り返せばその限りではありませんが)

それに対して、(2)の信託報酬は、毎年かかるランニングコストで、長期保有でも年率のコスト負担を薄められないので、影響が比較的大きいと考えられます。
そして、信託報酬は高いほど消費税増税の影響も大きくなります。

実際に、消費税が5%から10%に上がった場合の影響を、私が保有している商品で見てみます。

・TOPIX連動型上場投資信託(1306)
 信託報酬年0.1155%→年0.121%(値上がり幅 年0.0055%)
・MHAM株式オープン
 信託報酬年0.7665%→年0.803%(値上がり幅 年0.0365%)
・DIAM 中国関連株オープン
 信託報酬年1.68%→年1.76%(値上がり幅 年0.08%)

当たり前といえば当たり前ですが、高コスト商品ほど「値上がり幅」が大きいのが分かって嫌ですね。
この増税による値上がり幅は、その分確実にパフォーマンスを押し下げます。
税金が上がったからといって、運用が上手くなるわけではありません。

今後20年、30年先を考えると、もしかしたら更なる消費税増税があるかもしれません。
その場合は、高コスト商品ほど、更にパフォーマンスを押し下げられることになります。
世の中には、「高コストでもそれに見合うパフォーマンスをあげていれば良い」という考え方もありますが、消費税が上がれば上がるほど、この手の商品は苦しくなっていくはずです。

それに対して、低コスト商品は、将来の増税に対する抵抗力も強く、頼りになるというお話でした。

* * *

ここで、少しだけイイお話も。
上記記事でのETFは「国内ETF」を指していますが、「海外ETF」の信託報酬はどうなのでしょうか?

私がメインビークルとして投資しているIVV・EFA・VWOといった米国ETFについて、以前証券会社に確認したところ、信託報酬に消費税はかからないそうです。
消費税増税の影響なし!意外なところに海外ETFのメリットがあるもんですね。

P.S
日本の消費税の影響を受けない代わりに、米国の税制の影響は受けるので、そっちの影響でコストが上がる可能性はなくはないですが。

※投資判断は自己責任でお願いいたします。

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Posted by水瀬ケンイチ