東証、レバレッジ型・インバース型ETF上場へ。ちょっと注意点も

水瀬ケンイチ

東証にレバレッジ型・インバース型ETFが誕生するかもしれません。

Bloomberg.co.jp 2012/01/31より引用】
東証:レバレッジ型などETF活性化へ上場制度整備、3月上旬実施
1月31日(ブルームバーグ):東京証券取引所は31日、伝統的な指標にとどまらない新しい指標に連動する上場投資信託(ETF)が海外で上場、活発に取引されていることを踏まえ、国際競争力の維持、向上の観点からレバレッジ型・インバース型指数への連動を目的とするETFの上場を可能にする制度整備を行う、と発表した。レバレッジ型・インバース型指標は、ある指標の騰落に一定の掛け目を乗じることなどで、原指標の騰落を増幅あるいは反転させた指標を指す。
【引用おわり】

報道によると、レバレッジ型・インバース型のETFの上場を可能にする制度整備を行うそうです。
インデックスに対して2倍、3倍のレバレッジを利かせたレバレッジ型ETFや、インデックスが下がると逆に儲かるインバース型ETFは、今まで国内市場にはありませんでした。

こういう商品は、長期保有には向きませんが、特にインバース型ETFはピンポイントで使いたいという投資家のニーズはあると思います。



「インバース型ETFなんて待たなくても、既存のETFを空売りすればいいじゃないか」という意見もあろうかと思います。
ただ、空売りをするには、信用口座を開かなくてはいけなかったり(そうすると自動的にMRFが使えなくなる場合あり)、投信投資家にはあまり馴染みのない「逆日歩」というコストが掛かったりします。

私自身は昔は個別株投資でロングもショートもやっていたのであまり抵抗はありませんが、投信から入った投資家にとっては、空売りは意外と敷居が高いものです。
その点、インバース型ETFなら、今までどおりの証券口座で比較的気軽にショートポジションを持てます。

ただし、繰り返しになりますが、レバレッジ型・インバース型のETFは、長期保有には向きません。

なぜなら、レバレッジ型・インバース型ETFの大半は、インデックスの2倍やマイナス2倍といった「目標値」を「日毎」に達成するように設計されていて、2日以上離れた2時点間の騰落率は、インデックスの2倍やマイナス2倍といった「目標値」どおりにならないからです。
長期になればなるほど、またボラティリティが高ければ高いほど、インデックスに対する「目標値」から離れていく可能性が高くなります。

例えば、TOPIXが1年で50%下落したとして、インバース型ETFを1年保有していれば50%上昇するはずだから安心と思っていたら、実際は「全然上がってないじゃん!話が違うじゃないか!?」という事態になりえます。
同じことがレバレッジ型ETFにも言えます。
TOPIXが1年で50%上昇したとして、レバレッジ2倍型ETFを1年保有していれば2倍の100%上昇するはずだからしめしめと思っていたら、実際は「全然上がってないじゃん!読みは当たっていたのに…」という事態になりえます。

いずれのETFも、「前日」のインデックスの動きに対しては、目標値どおりの動きをしていますが、1年という期間を通して見ると、目標値どおりにならない可能性が高い。
要はタイミングを図って、短期的にピンポイントで利用する商品だということです。

こうした現象は、昔からある「ブル・ベアファンド」と同様の仕組みなので、詳しく知りたいかたは、その注意点が参考になると思います。
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/special/bull_bear/

もし、東証にレバレッジ型・インバース型のETFが上場されても、長期保有には向かないということと、ある程度相場観があるかたでないと使いこなせないということに、ご注意ください。

関連記事


投資判断は自己責任でお願いします。当ブログの情報により投資判断を誤ったとしても、管理人は責任を負えません。また、当ブログ内容の無断転載を禁じます。

Posted by水瀬ケンイチ