大半の投資家はインデックスファンド利用を-エール大スウェンセン氏
水瀬ケンイチ
米エール大学の寄付基金のデービッド・スウェンセン最高投資責任者(CIO)は、大半の投資家はインデックスファンドを利用すべきだと指摘しています。
【Bloomberg.co.jp 2012/01/31より引用】
大半の投資家はインデックスファンド利用を-エール大スウェンセン氏
1月31日(ブルームバーグ):米エール大学の寄付基金のデービッド・スウェンセン最高投資責任者(CIO)は、一流の資産運用者と接点がない投資家はインデックスファンドを利用すべきだと指摘した。同CEOは、プライベートエクイティ(PE、未公開株)や不動産といった代替資産を活用する投資スタイルの先駆者。
スウェンセン氏は31日、ブルームバーグ・リンクが主催した会合で、「投資への賢明なアプローチは2つある。100%アクティブ、100%パッシブのいずれかだ」と述べた。
また、投資家は「極めて有能な専門家」と接点がない限り、「100%パッシブとなるべきだ」と言明。こうした投資家には「ほぼすべての個人投資家と大半の機関投資家が含まれる」と述べた。
【引用おわり】
興味深い記事ですが、ポイントは2つあると思います。
ポイントの1つ目は、「なぜインデックスファンドを利用すべきなのか?」という点です。
これは、記事の続きに明確に書かれています。
「アクティブ運用の大半の投資信託は投資家のリターンを押し上げることよりも手数料の確保に関心がある」
ごもっとも。
このブログでは今更インデックスファンドの優位性を書くまでもないとは思いますが、上記記事のデービッド・スウェンセン氏は、数年前に「イェール大学CFOに学ぶ投資哲学」という本の中で、米国のアクティブファンドをこれでもかというほど叩きのめして、インデックスファンドを勧めています。
この本は、米国のミューチャルファンドが抱えている問題の数々(みかじめ料、プライシングゲーム、ソフトダラー等)を、日本の商習慣にはない部分も含めて指摘していて、たいへん勉強になりました。(もしかしたら、私が知らないだけで日本の投資信託にも同様の問題があるのかもしれませんが…)
ポイントの2つ目は、「なぜ100%アクティブ、100%パッシブのいずれかなのか?」ということだと思います。
エール大学の基金の運用は、かなり早くからオルタナティブ投資を積極的に採り入れてきたことでも有名です。
そのCIO(当時CFO)が100%インデックス投資を勧めているのは、それ以外に投資に値するアクティブファンドは、ほとんどないという事実を端的に示していると思います。
記事でスウェンセン氏が言っている「一流の資産運用者」「極めて有能な専門家」というのは、おそらくそこら辺の証券会社で買えるような一般的な運用会社のアクティブファンドのことではなく、属人的に運用が行われている投資ファンドのことではないでしょうか。
そしてそれは、私たち個人投資家だけでなく大半の機関投資家にも接点がないということなので、インデックスファンド100%を勧め、逆説的にそういう資産運用者に接点があるのならば、そのアクティブファンドに資産を100%集中させるのが合理的ということなのでしょう。
なお、幻想を抱かれては困るので補足しておきますが、いち早くオルタナティブ投資を採用し、資産運用の先駆者と見られていたエール大学やハーバード大学の基金も、その分、リーマン・ショックでの損失が大きかったと言われています。(出典:三菱UFJ信託銀行「米国における資産運用の最新動向」)
彼らの言う一流の資産運用者によるオルタナティブ投資は、「必ず儲かる夢の商品」ではないことは付け加えておきます。
私は、いわゆる「コア&サテライト戦略」のサテライト部分の商品を探し続けています。
なかなかよいものが見つからないのですが、中途半端なサテライト商品に投資するくらいなら、このままほぼコア戦略のみで行くのも悪くないのかなとも思いました。
【Bloomberg.co.jp 2012/01/31より引用】
大半の投資家はインデックスファンド利用を-エール大スウェンセン氏
1月31日(ブルームバーグ):米エール大学の寄付基金のデービッド・スウェンセン最高投資責任者(CIO)は、一流の資産運用者と接点がない投資家はインデックスファンドを利用すべきだと指摘した。同CEOは、プライベートエクイティ(PE、未公開株)や不動産といった代替資産を活用する投資スタイルの先駆者。
スウェンセン氏は31日、ブルームバーグ・リンクが主催した会合で、「投資への賢明なアプローチは2つある。100%アクティブ、100%パッシブのいずれかだ」と述べた。
また、投資家は「極めて有能な専門家」と接点がない限り、「100%パッシブとなるべきだ」と言明。こうした投資家には「ほぼすべての個人投資家と大半の機関投資家が含まれる」と述べた。
【引用おわり】
興味深い記事ですが、ポイントは2つあると思います。
ポイントの1つ目は、「なぜインデックスファンドを利用すべきなのか?」という点です。
これは、記事の続きに明確に書かれています。
「アクティブ運用の大半の投資信託は投資家のリターンを押し上げることよりも手数料の確保に関心がある」
ごもっとも。
このブログでは今更インデックスファンドの優位性を書くまでもないとは思いますが、上記記事のデービッド・スウェンセン氏は、数年前に「イェール大学CFOに学ぶ投資哲学」という本の中で、米国のアクティブファンドをこれでもかというほど叩きのめして、インデックスファンドを勧めています。
![]() | イェール大学CFOに学ぶ投資哲学 デイビッド・スウェンセン 瑞穂 のりこ 日経BP社 2006-08-18 売り上げランキング : 197708 Amazonで詳しく見る 楽天ブックスで詳しく見る ![]() |
この本は、米国のミューチャルファンドが抱えている問題の数々(みかじめ料、プライシングゲーム、ソフトダラー等)を、日本の商習慣にはない部分も含めて指摘していて、たいへん勉強になりました。(もしかしたら、私が知らないだけで日本の投資信託にも同様の問題があるのかもしれませんが…)
ポイントの2つ目は、「なぜ100%アクティブ、100%パッシブのいずれかなのか?」ということだと思います。
エール大学の基金の運用は、かなり早くからオルタナティブ投資を積極的に採り入れてきたことでも有名です。
そのCIO(当時CFO)が100%インデックス投資を勧めているのは、それ以外に投資に値するアクティブファンドは、ほとんどないという事実を端的に示していると思います。
記事でスウェンセン氏が言っている「一流の資産運用者」「極めて有能な専門家」というのは、おそらくそこら辺の証券会社で買えるような一般的な運用会社のアクティブファンドのことではなく、属人的に運用が行われている投資ファンドのことではないでしょうか。
そしてそれは、私たち個人投資家だけでなく大半の機関投資家にも接点がないということなので、インデックスファンド100%を勧め、逆説的にそういう資産運用者に接点があるのならば、そのアクティブファンドに資産を100%集中させるのが合理的ということなのでしょう。
なお、幻想を抱かれては困るので補足しておきますが、いち早くオルタナティブ投資を採用し、資産運用の先駆者と見られていたエール大学やハーバード大学の基金も、その分、リーマン・ショックでの損失が大きかったと言われています。(出典:三菱UFJ信託銀行「米国における資産運用の最新動向」)
彼らの言う一流の資産運用者によるオルタナティブ投資は、「必ず儲かる夢の商品」ではないことは付け加えておきます。
私は、いわゆる「コア&サテライト戦略」のサテライト部分の商品を探し続けています。
なかなかよいものが見つからないのですが、中途半端なサテライト商品に投資するくらいなら、このままほぼコア戦略のみで行くのも悪くないのかなとも思いました。
- 関連記事
-
-
鶏を買った男と、株式ETFを買った男の話 2021/01/25
-
まとまった資金がある場合、一括投資か分割投資のどちらがよいのか? 2021/01/23
-
インデックス投資家でもある厚切りジェイソンさんがアナザースカイIIに出演。言葉が心にズバズバ刺さる! 2021/01/21
-
自分がやっている投資はバイ&ホールド戦略なのか、トレンドフォロー戦略なのか 2021/01/09
-
個人投資家の9割が株で負けている理由と「信用取引評価損率」の推移 2021/01/06
-
2020年12月末の資産配分(アセットアロケーション)と主な投資商品、今後の投資方針 2021/01/02
-