ポートフォリオのプラ転前後で考えておくべき重要なこと

最近の株価上昇で、ポートフォリオの損益がプラ転したというインデックス投資家さんの話を、ブログやツイッターで散見するようになりました。
おめでとうございます!

でも、中にはそわそわと落ち着かない気分になっているかたもおられるようです。
それどころか、この株価上昇局面の序盤で早々に、いわゆる「やれやれ売り」(株式を高値でつかんでいた人が相場の上昇によって売却すること)をしてしまい、後悔しているかたもおられるようです。

どういうタイミングでファンドを売買しても個人の自由です。
しかし、もし「バイ&ホールド」という戦略を採用したのであれば、上昇局面で利益確定したくなる気持ちを抑えることも、安値で売却してしまわないこと以上に大切なことだと思います。

さて、バイ&ホールド戦略のインデックス投資家にとって、こんな時は、ひたすら我慢してじっとしているしかないのでしょうか?
実は、ひとつだけあることをするベストタイミングでもあります。
それは……

リレー投資です

リレー投資とは、信託報酬がやや高いインデックスファンドから、信託報酬がより低いETF等に買い換えることです。

ETFは、分配金再投資コースが選べないので自分でやる必要があるなど、インデックスファンドよりも手間がかかるので、みんなにおすすめできる方法だとは思いません。ただ、現在はインデックスファンドよりもETFの方が信託報酬水準が低く、今後何十年も運用することを考えると、信託報酬の差分はバカにできない重要性があることも事実です(関連記事)。
ちなみに、私はeMAXISやCMAMのインデックスファンドから、海外ETFのIVV(VTI)・EFA・VWOの3本にリレー投資しています。
(最近はVT1本でもいいかなと思い始めていますが…)

このリレー投資、「どのタイミングでリレーすればいいですか?」というご質問をたくさんお受けします。
一般的には、「海外ETFの売買手数料や為替手数料がやや高いので、乗り換え時に手数料負けしないくらいのまとまった額(例えば、海外ETF1銘柄につき100万円など)になったら乗り換えを検討してもいいのでは」とお答えしてきました。

それはそれで間違ってはいないと思っているのですが、実は、「課税」の観点では、ベストタイミングというものが存在します。
それが、乗り換え対象のインデックスファンド群の損益が「プラスマイナス0」の時です。

リレー投資時に損益がプラスだと、その時点で利益に課税されて、投資元本が減ってしまいます。基本的に、税金はできるだけ将来に繰り延べる方が有利ですから、これはあまりうれしくありません。
一方、リレー投資時に損益がマイナスだと、より低い価格で買いなおしたことになり、将来の売却時の課税対象額が増えてしまうことになります。これはこれであまりうれしくありません。
(細かい話をすると、確定申告をすれば損失は3年間だけ繰り越せますが)

その両方のデメリットがないリレー投資のベストタイミングが、乗り換え対象のインデックスファンド群の損益がプラスマイナス0、ないし、その前後というわけです。

これは、相場動向は予測不能と考えるインデックス投資家にとって、狙ってできることではありません。
もし、たまたま、自分の乗り換え対象インデックスファンド群の損益がプラ転直後、あるいは直前という時であれは、リレー投資の絶好のタイミングであることも、ちょっと頭に入れておくと良いかもしれません。

もちろん、前段で申し上げたように、そもそも少額での海外ETFへのリレー投資は手数料負けしてしまうので、その辺の兼ね合いを考慮して、リレーするかしないかは各人で判断する必要はありますのでご注意を。

関連記事


  





コメント

リレー投資について

いつも興味深い内容のブログをありがとうございます.

今回,リレー投資についての内容でありましたので,少し疑問に思っていたことを書かせて頂ければと思います.
CMAMやeMAXISを使って日ごろ積み立てを行っているのですが,いずれはまとまった額(やはり最低で50万,できれば100万程度)をVT等にリレーしようかと考えています.
ですが,海外ETFの取引手数料は片道数十ドルで,これは一回の取引額を多くすればその分全体の額に占める割合は減りますが,加えてドル⇔円の変換に伴う為替手数料も証券会社によりまちまちですが,片道0.3%~0.4%程度かかるかと思います.
するとどうしても将来「円」で利益を受け取ろうと考えると合わせて0.6%程度不利になってしまいそうな気がします.
このため,純資産額と市場価格の乖離が比較的多いものの,国内ETFを使用したり…という状況です.
為替手数料はこれは仕方のないものと考えるしかないのでしょうか?

海外ETFの分配金への海外税率(外国税額)でお訊きします

>私はeMAXISやCMAMのインデックスファンドから、海外ETFのIV(VTI)・EFA・VWOの3本にリレー投資しています


私の実例では、海外ETFの分配金に海外税率が30%(東証場"1557"SPDR500)と10%(NY上場"SPY")の源泉徴収(これにプラス国内税率7%+3%=10%)があるので、確定申告での還付申請方法を税務署に訊きました。


Q1.IVV等の海外税率は何%なのでしょうか? 海外ETFの銘柄別に分配金への海外税率一覧はどこで見られます   か?
  海外税率に何故30%と10%の2通りあるのか不思議です(税務署もこれについては“わかりません”と。そり  ゃそうでしょうナ)。

Q2.税務署には「外国税額控除に関する明細書」なる説明&提出用紙が用意されてはいるが、これが難解至極!。
 
  確定申告書の海外税額控除欄の窓口担当者の計算では、外国税額控除は源泉徴収額の≒10%程度しかならないようです。
  
  この分配金への海外税額について、先達諸兄のご意見を聞かせていただけませんか。

税制を考慮した実現損益戦略

 譲渡所得と配当所得の損益通算が可能ですから、税金を払いたくないなら、配当所得に見合う分だけ譲渡損失を出すのも一法かと思われます。

 また、現在は特例で10%の税率がそのうち20%になることを考慮すれば、税率が低いうちに含み益を実現しておき、将来高い税率が適用されるときの平均取得価格を引き上げておくという戦略もあるでしょう。
まあ、何だかんだ言って特例は延長され続けていますが。

 それにしても一般口座の海外ETFの平均取得価格の計算は面倒ですね。バイ&ホールドにしても、将来の売却に備えて、買い増すたびに平均取得価格を計算し直さなければなりません。それもあって、私は昨年にTOKとVWOを全て売却して1680と1681に乗り換えてしまいました。ちなみにこれは、3年間しか使えないという繰越損失を無駄にしないためあえて益出しをしたという理由もあります。

≫為替手数料はこれは仕方のないものと考えるしかないのでしょうか?

実は、SBI証券と楽天証券の場合、為替手数料を節約する裏技があります。
詳しくは拙書「ほったらかし投資術」の「実践編」に書きましたので、立ち読みでもいいので見てみてください。


≫Q1.IVV等の海外税率は何%なのでしょうか?

私が投資している楽天証券のIVV・EFA・VWOの分配金の海外税率は10%です。

≫海外ETFの銘柄別に分配金への海外税率一覧はどこで見られますか?

そのようなものは見たことがありません。

≫Q2.税務署には「外国税額控除に関する明細書」なる説明&提出用紙が用意されてはいるが、これが難解至極!。

申し訳ありませんが、何のご質問なのかよく分かりません…。
関連するアドバイスとしては、「外国税額控除に関する明細書」については、国税庁WEBサイトの確定申告書等作成コーナーで作成すると、今年は割と丁寧な手引きが付いていたのと、合計や控除限度額の計算を自動でやってくれるので楽です。


≫現在は特例で10%の税率がそのうち20%になることを考慮すれば、税率が低いうちに含み益を実現しておき、将来高い税率が適用されるときの平均取得価格を引き上げておくという戦略もあるでしょう

なるほど!そういう手もありますね!
優遇税率の終了を見越しての売買ですか。気が付かなかったです。
ありがとうございます。

インデックスファンド群の損益が「プラスマイナス0」の時に乗り換えるなら、そもそもインデックスファンドに投資しなくてもよいのではないでしょうか。

≫インデックスファンド群の損益が「プラスマイナス0」の時に乗り換えるなら、そもそもインデックスファンドに投資しなくてもよいのではないでしょうか。

申し訳ありませんが、ご質問のご趣旨がわかりません。
投資ですから、儲かることも損することもあるというのが大前提です。
リーマン・ショック以降、多くの投資家がマイナスになっていました。それが最近プラ転してきたようだという状況を冒頭でご紹介したうえでの本記事です。

株の利益はガマン料

≫上昇局面で利益確定したくなる気持ちを抑えることも、
≫安値で売却してしまわないこと以上に大切なこと
「苦難は共にできるが富貴は共にできない」と古典にありますが、ファンドからすると、下落局面でも我慢強く保有・積立てを続けてくれていた人が、小利が出たとたん判断を狂わせて「やれやれ解約」したりしたらそんな感慨を抱くでしょうね。(中の人でも、身内に金融人がいるわけでもないですよ)
まあ、画面を眺めながらいつかはこの日を迎えることを長い間すごく期待して待っていた人も多いでしょうし、何か変わったことをしたいと体がうずうずしてくる気持ちもよく分かりますけど。
ただ、水瀬さんお勧めのリレー投資をうまくやり切れる人ならいいですが、投資歴や気の短い人が損益分岐点のあたりでプラ転、マイ転を繰り返すと、ポートフォリオを見ているだけで疲れてしまい、嫌気が差して思い切りすぎた選択をしてしまい後悔することになるので注意ですね、株の利益は一種のガマン料なんですから。
と自分に言い聞かせつつ、私も耐える毎日なんですけどね……いきなり1000億円の増資とか orz

>> ≫インデックスファンド群の損益が「プラスマイナス0」の時に乗り換えるなら、そもそもインデックスファンドに投資しなくてもよいのではないでしょうか。
>> 申し訳ありませんが、ご質問のご趣旨がわかりません。

推測ですが、「プラマイ0 = 投資元本と同額 = 同額の投資元本が現金で貯まってから直接ETFを買うのと同じ事 ⇒ あれ?ファンドをわざわざ経由した意味なくね?」って感覚になっておられるのでは?

回答としては、「稲妻の輝く瞬間に市場に居合わせるためには、少額から投資できるファンドでまず積み立てておくしかないから」ですかね?
積み立てておけば「元本50万の時、稲妻が来て評価が100万になってそれをETFへリレー」ということもありうる、この場合課税されるけど、稲妻に乗れたことの方が大きい。まあ理想は「プラマイ0で100万の評価の時、課税されずにETFへリレーした直後、稲妻が来て評価が200万に跳ね上がる」という場合でしょうが。後者は「現金で100万貯まってからETFを直接購入後、稲妻!」という流れでも起こりえますが、前者はそもそも現金で貯めてるだけでは出会えない事態です。

まあ私の勝手な推測なので、全く別の疑問なのかもしれませんが。

≫株の利益は一種のガマン料なんですから。
≫と自分に言い聞かせつつ、私も耐える毎日なんですけどね……いきなり1000億円の増資とか orz

長期投資においては、ガマン料かもしれませんね。

それにしても、私も個別株投資していた頃は、経営陣が全く悪びれず増資の発表とか、腹立って仕方なかったです。
頑張りましょう(;´∀`)


≫推測ですが、「プラマイ0 = 投資元本と同額 = 同額の投資元本が現金で貯まってから直接ETFを買うのと同じ事 ⇒ あれ?ファンドをわざわざ経由した意味なくね?」って感覚になっておられるのでは?

なるほど、そうかもしれませんね。
実はツイッターでも同じような質問を受けましたが、こちらは「だったらキャッシュを貯めておいて一定額になったらETFを買えば良いのでは?」と質問の趣旨がかなり明確だったので、
「ETF購入までの間、まったく投資しなくて構わないのであればそれでもよいと思います。私は市場に居続けることが大切だと考えているので、ポジションを常に持っておくためリレー投資をしています」
と答えることができました。

模範解答

「ファンドをわざわざ経由した意味なくね?」
に対する答えは
「事前にそうなることがわかっているなら、ファンド買わずに預金やMMFが正解だった」
ですね。

水瀬さんのは「すでに投資した分のマイナス分が回復してプラマイゼロになりそうな時期だから、税金のことを考えると乗り換えのタイミングとしてはちょうどいいかもしれない」なので、似ているようでかなり違うのです。
プラマイゼロになることを期待してファンドを買うわけじゃなく、あくまで結果的にそうなったという話だもの。

≫アルビレオ師匠

仰るとおりです。
そのような模範解答がスラスラと書けるようになりたいです。

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