バンガードが考える「投資の世界で最も一貫性のある現象」

水瀬ケンイチ

先週末、「バンガード・ニュースレター 第31号」が届きました。

そこに興味深いことが書いてありました。
バンガード曰く、「投資の世界で最も一貫性のある現象」についてです。

【バンガード・ニュースレター 第31号より引用】
●ここ10年間市場のパフォーマンスは以前の平均以下ですが、それでもまだ「投資をし続ける」ことがよいアドバイスだと思いますか?

ご質問の答えは「Yes」です。実際、株式に対するポジティブなリターンがこの先あと10年ないとしても、私自身は可能な限り株式市場に投資し続けるつもりです。それは、これまでの歴史を振り返ると、私たちは大きな上げ相場に乗り遅れる傾向があるからです。

投資の世界で最も一貫性のある現象のひとつは、数学者が「平均回帰性」と呼んでいるものです。市場低迷期の直後にしばしば非常に強い反発が起こるのは、これでだいたい説明できます。2009年初頭、市場が「底を打った」後で株式投資家が経験したリターンを思い出して下さい。S&P 500インデックスやダウ平均は米国株式のパフォーマンスを計る良い指標ですが、この2つのインデックスはその年の4月から12月までには30%以上上昇しました。
【引用おわり】

なるほど。
投資の世界で最も一貫性のある現象のひとつとして、「平均回帰性」があげられています。そんなに一貫性があるの?そもそも、平均回帰性とは何でしょう?それは……



「1回目の試験結果が偏っていた(特別に良かった、悪かったなど)対象について2回目の試験結果(時間的には逆でもよい)を調べると、その平均値は1回目の測定値よりも1回目全体の平均値に近くなるという統計学的現象をいう」(Wikipediaより)

んー、なんだかよくわかりませんか。
それでは、私たちに馴染みのある投資関連のグラフで見てみましょう。

株式と債券の実質リターン
(「株式投資」ジェレミー・シーゲル著 P.10より引用・クリックで拡大)

これは、名著「株式投資」(ジェレミー・シーゲル著)に掲載されている、過去200年にわたる米国の「株式と債券の実質トータルリターン」を表す有名なグラフです。
このグラフからはいろいろなことが読み取れるのですが、今回は、株式の折れ線グラフに着目してください。

始点から終点まで一直線に引かれた統計的トレンドラインに付かず離れず沿うような形で推移しているのがお分かりいただけると思います。
1802年からの長い調査期間中には、二つの世界大戦がありました。その後の急なインフレ、大きな景気後退などを経てもなお、同じように推移しています(ただし、縦軸が対数目盛になっていることには注意。実際の振れ幅はもっと大きいはず)。
この現象を前出の「株式投資」では、「短期的な価格の変動も、長期投資では相殺され、非常に安定した利回りを生み出す。これを平均への回帰という」と説明しています。

冒頭のバンガード・ニュースレターでは、この「平均回帰性」を、投資の世界で最も一貫性のある現象のひとつとして紹介していました。
たとえ大暴落が起こっても、長期的に見れば、その後は平均レベルに回帰していく方向性が存在する。
私たちが今後長く資産運用を継続していく上で、頭の片隅に置いておく価値はある情報だと思います。

関連記事


投資判断は自己責任でお願いします。当ブログの情報により投資判断を誤ったとしても、管理人は責任を負えません。また、当ブログ内容の無断転載を禁じます。

Posted by水瀬ケンイチ