企業が配当を増やしていますが、まだまだです!

水瀬ケンイチ

2005年度は、企業が配当を増やした結果、過去最高の配当課税額になったそうです。
役人の皆さまはさぞかしお喜びのことと思います。
だいたい、役人が喜ぶことは、庶民が嫌がることと相場が決まっているのですが、こと、株式の増配に関しては、役人も庶民も両方が喜ぶ珍しいケースではないでしょうか。

【NIKKEI NET 2006/04/28より引用】
国税収入、配当課税増え47兆円大幅超過・05年度見通し
 2005年度の国税収入が47兆円を大幅に上回る見通しとなった。企業が株主への配当を増やした結果、株式配当への課税額が過去最高となり、予定額の47兆420億円を3000億円超上回るのは確実。法人税も順調に伸びており、最終的な税収決算額は47兆円台半ばに達する公算が大きい。
 税収見込みは当初予算から増額補正され、これをさらに上回ることになり、景気回復が税収面にも及んできた格好だ。財務省が28日に発表した税収実績によると、3月末までの累計税収は予算額の77.3%。04年度の3月時点よりも約2ポイント上回っている。
 05年度の当初見込み額は44兆円。今年2月の補正予算の段階で47兆420億円に上方修正したばかりだが、財務省は「税収実績が予算額を上回るのは確実」と見る。
 税収増の原動力は配当課税だ。すでに年間予算額の1兆9760億円を約3000億円規模で超えた模様だ。日本経済新聞の調査によると、3月期決算の上場企業の06年3月期の経常利益は7.8%増え、過去最高益となる見通し。 (22:04)
【引用終わり】

しかしながら、この程度でありがたがってはいけないと思います。
えっ、そりゃ強欲過ぎだろう!と思われますか?
いえいえ、それがそうでもないのです。なぜなら……


今までの日本の配当利回りが、欧米に比べて異常に低過ぎたからです。
例えば、主要国の年間配当利回りはこんな感じです。

日本 1.0%
米国 1.8%
イギリス 3.4%
フランス 3.3%
ドイツ 2.1%
オーストラリア 3.8%
(2004年8月末・野村アセットマネジメントHPより)

今回の増配を受けて、配当利回りがどれだけ改善したのかは統計の集計を待たないといけませんが、主要企業をかいつまんで見ている限り、配当利回りが2倍・3倍になっているわけではないと思います。

歴史的に、日本では企業同士で株の持ち合いをしていて、経営者の都合のいいように、企業経営が行われてきた経緯があります。
それが企業の成長にとって最も良い時代もあったようですが、時代は変わりました。経営優先で株主軽視を続けてきた悪影響のひとつが、現在の日本株の全般的な低配当なのだと思います。

今回の増配は、日銀の量的緩和解除ではありませんが、「非常事態から通常時に戻った」程度なのではないでしょうか。また、現在は好景気が続いていますが、今後、景気が悪くなってきたら、企業はあっさり元の低水準に減配しないとも限りません。

日本企業の配当戦略を、今後も注視していきたいと思います。
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Posted by水瀬ケンイチ