過ぎたるは及ばざるが如し

水瀬ケンイチ

楽天証券に興味深いコラムが掲載されていました。

楽天証券 レポート&コメント 山崎俊輔『なんとなく』から卒業!実践・資産形成術
2012/05/24 第22回 投資で「信者」に堕ちる危うさについて

山崎俊輔氏は、DCを得意とするファイナンシャルプランナーで、著書やコラム、ツイッター等を拝見する限り、投資において中立的なアドバイスをされていると思います。
(個人的にも知り合いです)

私の個人的な思いはさておき、コラムの内容についてですが、投資において「信者」に堕ちる危うさについて書かれています。「信者」の典型的パターンとして、

・「教祖」の発言に盲信
・断定的な見通しに固執
・得意な投資法に過信
・特定の投資法を否定
・特定の投資手法に盲信

の5つをあげています。なるほど、ごもっとも。



なのですが、個人的には、これは少々ズルい書き方かもしれないと思います。(山崎俊輔さん、ゴメンナサイ!)
なぜなら、各パターンの最後の単語が「極論」になっているからです。
具体的には、「盲信」「固執」「過信」「否定」「盲信」という単語が極論です。

なんでも極論として捉えてしまうのは、認知行動療法では「イチかゼロか思考」といって、ある意味危うい考え方だと思います。
なぜなら、文章を極論にすることで、文脈の方向性自体も否定してしまい、読者をかえって混乱させてしまう恐れがあるからです。

文脈の方向性って何?
試しに、上記5パターンについて、文脈の方向性を残しつつ「極論」を排除して、私なりに書きなおしてみます。

・「教祖」の発言に盲信 → 信頼に足る人物の発言を継続的にウォッチ
・断定的な見通しに固執 → ブレない信念を持つ
・得意な投資法に過信 → 自分に合う投資法を見つけて実践
・特定の投資法を否定 → 自分の頭で考えてダメなものにはハッキリNoと言う
・特定の投資手法に盲信 → 一度決めた投資法をフラフラ変更しない

いかがでしょう?
別に何の問題もない考え方に見えませんか。むしろ、投資の教科書に書いてある常識的なアドバイスにすら見えるのではないでしょうか。

私は山崎俊輔氏のコラムを貶めたいわけではありません。
このコラムで山崎俊輔氏が言いたいこと、私たち個人投資家が得るべき教訓は、『過ぎたるは及ばざるが如し』ということではないかと思います。

言うまでもなく、「何をするにも、行き過ぎになっていると、それがどんなに良いことでも、むしろ不足ぎみや不満足な状態と変わらない」という意味です。
決して、投資においてブレない信念を持つことや、自分の頭で考えてダメなものをダメと言うこと自体を、悪いと言っているのではないと思います。それはとても大切なことです。

何事も、過ぎたるは及ばざるが如し、です。


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Posted by水瀬ケンイチ