日本の経常黒字が過去最小に。経常赤字になるとどうなるのか?

貿易収支に続いて、経常収支もあやしくなってきました。

【日経電子版 2012/08/08より引用】
経常黒字、上半期で過去最少 燃料輸入増が影響
財務省が8日発表した2012年1~6月の国際収支状況(速報)によると、経常黒字は前年同期比45%減の3兆366億円だった。黒字額は比較可能な1985年以降、上半期ベースで過去最少になった。原子力発電所の稼働停止に伴う原粗油や液化天然ガス(LNG)の輸入増加や価格上昇に伴い、貿易赤字が拡大したことが大きく影響した。
【引用おわり】

経常収支はまだ黒字ですが、前年同月比45%減というのはけっこうインパクトを感じます。
1年前の今頃、東日本大震災の影響もあり貿易収支が31年ぶりにマイナス(該当記事)、というニュースを取り上げました。その時は、読者の方から「貿易収支より経常収支、大事なのは全体」とのご意見をいただきました。
繰り返しになりますが、経常収支は4つの構成になっています。

1)貿易収支=モノの輸入と輸出のバランスを示す
2)サービス収支=旅行や運送などサービス取引を表す
3)所得収支=対外直接投資や証券投資の投資収益の結果を表す
4)経常移転収支=政府開発援助(ODA)のうちの医薬品など対価をともなわない現物援助を表す
([ビジネス用語集]All Aboutより)

これらの合計を表す経常収支が、大きく落ち込みピークの4分の1以下になったということです。
原発の稼働停止に伴う原油や天然ガスの輸入増加や価格上昇が大きく影響しているとの解説ですが、それはエネルギー政策そのものに関わる問題であり、一朝一夕には解決できないと思われます。
このままの勢いで経常収支が悪化すると、いずれ赤字に…なんてことも想定しないといけないのかもしれません。

経常収支が赤字になるとどうなるのか?
「経常黒字であることは、国内貯蓄で日本の経済活動がまかなえていることを示す。毎年の国債発行も何らかの形で、国内貯蓄で賄える。しかし、経常赤字になると、国内貯蓄だけで国内投資と国債発行などの財政赤字の合計をまかなうことはできず、海外の資金が必要になる」(ニッセイ基礎研究所レポートより)

日本国債の金利がとても低いのは、その殆どを国内の投資家で賄っているからだ、なんて説明を聞かされてきましたが、今後はそうもいかなくなる方向にあるのでしょうか。もしそうなら、金利上昇圧力になるかもしれません。

現在、個人の資産運用において、日本債券クラスの安定性はポートフォリオのリスク低減に大きく貢献しています。しかしそれも、絶対のものではありません。
金利に影響を与える経常収支については、インフレ率とともに、重大な関心を持って継続ウォッチしていきたいと思います。
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