投資に適さないと診断されても諦めない!「生活防衛資金」で家計改革

当ブログでは、投資を始める前にまず「生活防衛資金を生活費の2年分確保」しようと提唱してきました。

生活防衛資金っていかつい名前だけどいったい何?

生活防衛資金とは、ひとことで言うと、何が不測の事態が起きても(リストラ・長期入院・災害など)自分と家族の生活をしっかり守るためのお金です。

これは、10年前に読んだ本「投資戦略の発想法」(木村剛著)で述べられていた考え方です。「職を失うというリスクに対しては、最低2年は見ておきたい」という目安から、「生活費の2年分」を銀行預金など流動性の高い金融商品で確保することが望ましいとしています。6ヶ月分で十分だという専門家もいますが、実際に、2年分を確保していた私の友人が失職した際に、転職するまでに要した期間は8ヶ月で、後に「2年分の余裕があってよかった」と彼は語っていました。

しかも、生活防衛資金は私たちの生活を守ってくれるだけでなく、投資期間中の心の安定も守ってくれるという副次的効果もあります。実際に、リーマン・ショックの時には私自身、精神的に大いに助けられました。
(詳しくは、こちらの関連記事参照)

「家計診断」から見た生活防衛資金

ところで、前回の記事『投資を始める前の「家計診断」を自分でやる方法』には多くのアクセスが集まりました。投資を始めるのに適しているかどうか「家計診断」してみようということで、5つの家計のパターンをバランスシートと損益計算書を使って説明しました。
今回は、この「家計診断」のアプローチから、「生活防衛資金を生活費の2年分確保」することのの意義を説明してみたいと思います。
いちばん投資に適している家計のパターンは、以下の形でした。
特徴としては、バランスシートに(3)短期負債がなく(X)自己資本が厚いこと、損益計算書の(6)年間支出が抑えられ(Y)年間余裕額がプラスであることです。
元気な現役世代の家計

生活防衛資金は持っていない人にこそ重要

一方、投資に適さない家計のパターンは、カードローンやキャッシングなどの(3)短期負債が大きかったり、住宅ローンなどの(4)長期負債が大きかったりして、(X)自己資本が小さく、(Y)年間余裕額がほとんどない家計でした。

短期ローンで不健全住宅ローン残高が多い家計

生活防衛資金は、預貯金なので(1)金融資産です。
ここを大きくしていくわけですが、投資に適さないパターンの家計と診断された方々のなかには、
「金融資産が多い家計が投資に適してるなんて当たり前じゃないか!我が家には関係ない話だ」
「うちは住宅ローンを抱えているから関係ないな」
と思われるかたもいらっしゃるかもしれません。
でも、実は関係大アリです。

この預貯金は突然わいて出てくるものではありません。
預貯金を貯めるためには、まず、(5)年間収入よりも(6)年間支出を小さくする必要があります。そして、少しでも(Y)年間余裕額を捻出し、それを時間をかけて貯めるというステップがあるはずです。

その過程も考慮に入れた場合、生活防衛資金の話は、むしろいまその資金を持っていない人にこそ重要な話かもしれません。


まず最初にやるべきこと

もし、あなたの家計がカードローンやキャッシング残高といった(3)短期負債を抱えているとしたら、それはそもそも生活費が足らないからでしょう。
また、(3)短期負債はなかったとしても、(Y)年間余裕額がまったく残らないということであれば、やはり生活費がギリギリなのではないでしょうか。

「収入が増えれば万事解決」と思われるかたがいらっしゃると思います。
でも、同時にそれがなかなか難しいことも分かっていらっしゃるはずです。しかも、家計における生活費は、収入の増加に合わせて同じように増加する傾向があることがよく知られています。これは洋の東西を問わない、人間の本質的な傾向です。

ここで求められるのは、生活を見直し生活費を下げる努力、つまり「節約」です。
節約というと、1円でも安い食材を買ったり、風呂の湯量を少なめにしたりとか、細々としたものを思い浮かべるかたが多いかもしれません。しかし、節約の達人たちは、まず大きな削減金額が見込める項目から順番に手を付けます。

例えば、FPの花輪陽子氏は、「住居」「保険」「自動車」「教育費」の4大固定費をまず見直すことを勧めています。
・住宅費 ―賃貸と持ち家で1300万円の差
・保険料 ―30年で900万円
・自動車代 ―保有有無で30年で2250万円の差
・教育費 ―私立と公立で750万円の差 総額5200万円の差

花輪氏は、月額15万円削減することも可能なケースがあると指摘しています。
もちろん、各家庭がおかれている環境によって違うでしょうが、ひとつ言えるのは、これらの節約は削減金額が大きいだけでなく、日々の努力というよりも、一度見直してしまえば効果が継続するということです。取り組む意義はありそうです。
<参考書籍>
貯金ゼロ 借金200万円! ダメダメOLが資産1500万円を作るまで」(花輪陽子著)
お金とつきあう7つの原則(山崎元著)


年間余裕額が捻出できるようになったらやるべきこと

このように、生活を見直し(6)年間支出を削減できて初めて、(Y)年間余裕額を捻出できるようになります。
(3)短期負債がある場合、年利が十数%と“ありえない”くらい高いので、投資云々の前にまずは最優先で返済してしまいましょう。
その後、(Y)年間余裕額を少しずつ貯めていきます。

また、(1)金融資産が貯まりだしまとまった額になってくると、今まで考えもしなかったことにはたと気付きます。
「あれ?このまま預金で100万置いておくより、住宅ローンを繰上返済した方がよくね?」

詳細な説明は前回の記事に譲りますが、預貯金がある程度貯まった場合、早めに住宅ローンを繰り上げ返済した方が効率的です。住宅ローンの繰り上げ返済は、住宅ローンを抱えた状態に比べ、ローン金利分まるまるリターンを得て資産運用をしている(しかも無リスクで)のと同じ効果があるからです。

頭では分かっていても、人は日々の生活に追われ易きに流れがちです。繰り上げ返済をしなくてよいとか、しない方がよいという一部の情報を見て、「やっぱそうだよな」と信じたくなる気持ちもわかります。
実際に返済できる立場になって初めて、返済した方がいいかどうかを真剣に考えることができるようになるものです。

でも、借金を返済しながら生活防衛資金を貯めるなんて、いったい何百年かかるんだよ……と凹んでしまうかたがいらっしゃるかもしれません。

ここでひとつ朗報があります。
生活防衛資金は「年収」ではなく「生活費」の2年分です。節約して生活費を下げれば、必要な生活防衛資金もぐっと下がるということです。
例えば、月20万円で暮らしている世帯が必要な生活防衛資金は480万円(20万×24ヵ月)にもなりますが、節約して月15万円で暮らせるようになれば、それが360万円(15万×24ヵ月)で済むようになります。
節約の力は偉大ですね。

知らないうちに家計の構造改革が行われる!?

こうして見ると、投資の前に「生活防衛資金を生活費の2年分確保」することは、単なる、投資してもよいかどうかの判断基準ではありません。

確保するための過程で、生活を見直し、損益計算書の(6)年間支出を削減し、(Y)年間余裕額を捻出できるように家計が改善されます。これは企業で言えば「収支の改善」です。
そして、(Y)年間余裕額を貯めていく過程で、バランスシートの(3)短期負債・(4)長期負債を減らし、(1)金融資産を増やすことにより、(X)自己資本が拡大します。これは企業で言えば「財務体質の強化」です。

つまり、家計全般にわたる「構造改革」が行われるわけです。
バランスシートでは、資産と負債・資本は相互につながっており、資産が増えれば連動して負債が減り(または資本が増え)、家計パターンは劇的に改善します。
仮に、前回の記事の「家計診断」で、「投資に適さない」パターンの家計であったとしても、「生活防衛資金を生活費の2年分確保」を目指して行動していくことで、自然に「投資に適している」パターンへ向けて家計は変わっていきます。

家計のパターンは、決められた運命ではなく、自分たちの意志で変えていくことができることを覚えておきたいですね。


P.S
投資を始める目的で生活防衛資金を貯めても、貯まった頃に必ず投資しなくてはいけないということはありません。投資をしていようがいまいが、生活防衛資金はあなたと家族の人生を守ってくれるでしょう。
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