今年から「国外財産調書」の税務署提出義務。もしかして海外ETFも?
水瀬ケンイチ
今年から、「国外財産調書」を税務署へ提出しなければならない制度が始まったそうです。
税務署はここを見る 国外財産と「金」に照準 :日本経済新聞
今年2012年度の税制改正で、「国外財産調書」の提出制度が導入されました。
これにより、今年から、年末に5000万円を超える国外財産がある人は、翌年の3月15日までに種類、数量、価額などを税務署に提出しなければならなくなりました。
5000万円以上の資産を持っているかどうかは別にして、気になるのは、「国外財産」に該当する具体的商品です。
特に、インデックス投資家としては、海外ETFが該当するのかどうかが気になります。
上記の国税庁の記述をそのまま素直に読めば、外国株式(外国企業の個別株式)や外国社債(外国の生社債)は「国外財産」に該当すると読めます。海外ETFも、米国バンガードやブラックロックなど海外の運用会社が発行・運用しているので、発行法人の所在地が海外ということで「国外財産」に該当するように読めます。
ただ、日経新聞には、『国外で運用する投信はいろいろなタイプがあり「今後具体的に判断する」(国税庁)としており、範囲は広がる可能性もある』と書かれています。
今回のことに限らず、ETFは株式扱いなのか投信扱いなのか、解釈がもめる場合があるので、当局の具体的判断を待ちたいと思います。
上記の他にも「国財資産」と思われるものを5000万円以上保有されているかたは、国税庁がいう「国外財産」の中身について、当局の具体的判断をウォッチしておいた方がよいでしょう。
とはいえ、もし仮に「国外財産」扱いになったとしても、海外ETFへの投資は、別にうしろめたいことでもなんでもありません。該当する投資家は堂々と「国外財産調書」を書いて税務署に出せばよいだけですね。
税務署はここを見る 国外財産と「金」に照準 :日本経済新聞
今年2012年度の税制改正で、「国外財産調書」の提出制度が導入されました。
これにより、今年から、年末に5000万円を超える国外財産がある人は、翌年の3月15日までに種類、数量、価額などを税務署に提出しなければならなくなりました。
(概要)
その年の12月31日において、その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産(注)を有する方は、その財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した調書(以下「国外財産調書」といいます。)を、翌年の3月15日までに、所轄税務署長に提出しなければならないこととされました。
(注)「国外財産」とは、「国外にある財産をいう」こととされています。ここでいう「国外にある」かどうかの判定については、財産の種類ごとに行うこととされ、例えば次のように、その財産自体の所在、その財産の受入れをした営業所又は事業所の所在、その財産の発行者等の所在などによることとされています。
(例)
・「動産又は不動産」は、その動産又は不動産の所在
・「預金、貯金又は積金」は、その預金、貯金又は積金の受入れをした営業所又は事業所の所在
・「社債又は株式」は、その社債又は株式の発行法人の本店又は主たる事務所の所在
国税庁チラシ「国外財産調書の提出制度が創設されました」より
5000万円以上の資産を持っているかどうかは別にして、気になるのは、「国外財産」に該当する具体的商品です。
特に、インデックス投資家としては、海外ETFが該当するのかどうかが気になります。
上記の国税庁の記述をそのまま素直に読めば、外国株式(外国企業の個別株式)や外国社債(外国の生社債)は「国外財産」に該当すると読めます。海外ETFも、米国バンガードやブラックロックなど海外の運用会社が発行・運用しているので、発行法人の所在地が海外ということで「国外財産」に該当するように読めます。
ただ、日経新聞には、『国外で運用する投信はいろいろなタイプがあり「今後具体的に判断する」(国税庁)としており、範囲は広がる可能性もある』と書かれています。
今回のことに限らず、ETFは株式扱いなのか投信扱いなのか、解釈がもめる場合があるので、当局の具体的判断を待ちたいと思います。
上記の他にも「国財資産」と思われるものを5000万円以上保有されているかたは、国税庁がいう「国外財産」の中身について、当局の具体的判断をウォッチしておいた方がよいでしょう。
とはいえ、もし仮に「国外財産」扱いになったとしても、海外ETFへの投資は、別にうしろめたいことでもなんでもありません。該当する投資家は堂々と「国外財産調書」を書いて税務署に出せばよいだけですね。
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