【特別寄稿】 世界でいちばん割安なのはどの国?世界各国のバリュエーション表(2012年8月版)

水瀬ケンイチ

前回、特別寄稿いただき大好評だった「【特別寄稿】 世界でいちばん割安なのはどの国?世界各国のバリュエーション表(2012年7月版)」ですが、読者のタカちゃんさんがアップデートして2012年8月版を作ってくれました。

PERだけでなく、PBR、ROE、実質実効為替レート、長期金利、配当利回り、益回り、内部留保率、配当成長率といった各種指標を網羅的にまとめたデータは貴重です。

以下、特別寄稿「世界でいちばん割安なのはどの国?世界各国のバリュエーション表(2012年8月版)」です。




世界各国のバリュエーション表
タカちゃん作成)

世界各国のバリュエーション
(クリックで拡大します)

バリュエーション表の使い方その2
タカちゃん作成)

今回はバリュエーション表を使って、期待リターンの推定と予想配当を計算する方法について書いてみます。
なお、期待リターンの推定方法は専門家によって考え方が大きく異なり、万人に共通する回答は無い点に注意してください。
恐らく、この期待リターンの推定方法は異論を唱える人も出てくると思うので、そんな方は是非、ご自身で期待リターンを推定してみてください。
ここではスウェーデン株式のケースで考えます。

期待リターンを推定します。
まずは現地通貨建ての期待リターンを推定します。
現在の為替レートを1SEK=12JPYとして、120000JPYを10000SEKに換えます。
仮に10000SEKを株価100SEKのETFに投資します。
株数=100株
1年後の株価  = 100SEK x 1.0560 = 105.6SEK
1年後の1株配当 = 105.6SEK x 0.0385 = 4.0656SEK
株式を売却して現金に換えると・・・
105.6SEK x 100 + 4.0656SEK x 100 = 10966.56SEK
これを円に換える操作をすると・・・
10966.56SEK x 12JPY/SEK x 1.00797 / 1.0144 = 130764JPY
本当は残存1年国債金利同士でやる方が良いのですが、ここでは長期金利同士で金利平価で計算しています。
利回り=130764JPY / 120000JPY ≒ 1.0897
高いROEによる年5.60%の配当成長率と比較的割安なPERの効果で、期待リターンは年8.97%になりました。
現実的にはコスト、税金、国民健康保険などがある為、ここまでのリターンを得る事は無いでしょう。
スウェーデン株式インデックスの例としてEWDがあります、これを設定来から投資をした場合はドル建てで4倍以上にもなっています。

配当を推定します。
今度は分かり易くする為、1000000JPYを上記の為替の金利平価を適用して配当を計算します。
配当再投資はしない仮定で計算します。
1年後の配当 = 1000000JPY x 0.0385 x 1.0560 x 1.00797 / 1.0144 = 40398JPY
2年後の配当 = 42390JPY
5年後の配当 = 48974JPY
・・・・・・・・・・・・・・
10年後の配当= 62299JPY
配当成長が起こる事で長期的には配当は増えていくと考えられます。
現実的にはコスト、税金、国民健康保険などがある為、ここまでの配当を得る事は無いでしょう。

注意点は・・・
スウェーデン・クローナはSEK、日本円はJPYです。
上記では、信用リスクが全く無いと仮定しています、ですから信用リスクが高い国では注意が必要です。
実際のリターン、配当には変動があります、ですから確実にリターン、配当が得られる訳ではありません。
リタイヤ後に社会保険から国民健康保険に切り替わる人も出てきます、その時には国保が上がるケースがあります。
金利の高い国では長期的に為替レートは下落していきます、高金利国の株式市場を使う場合は十分な注意が必要です。
期待リターンの差に注目して、ヘッジファンドを作る事もできますが、この場合はツールが必要で、インタラクティブ・ブローカーズ証券の海外金融取引口座などを使う必要があります。
ROEが低くかつ不安定な市場では長期的なリターンを得る事が難しいかも知れません、時系列でROEを確認する方法などが良いでしょう。
新興国は期待リターンが高くなる傾向にありますが、リスクも高くなる傾向にあります。

ここに書かれた情報は最終的な判断は自己責任でご利用をお願いします。
関連記事


投資判断は自己責任でお願いします。当ブログの情報により投資判断を誤ったとしても、管理人は責任を負えません。また、当ブログ内容の無断転載を禁じます。

Posted by水瀬ケンイチ