辣腕投資銀行家が亡くなる前に伝えたかったこと

水瀬ケンイチ

「投資とお金について最後に伝えたかったこと」(ダニエル・C・ゴールディ&ゴードン・S・マレー著)を読みました。

投資とお金について最後に伝えたかったこと投資とお金について最後に伝えたかったこと
ダニエル・C・ゴールディ ゴードン・S・マレー 漆嶋 稔

日本経済新聞出版社 2011-10-22
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先週は、気になる著名人の逝去や、尊敬しているかたの大手術など、人間の生と死について考えさせられた一週間でした。そんな中、手にとって読んでみたのが本書です。

「ダニエル、CTスキャンの結果が出た。別の腫瘍が見つかったよ。あと半年の命らしい」

というショッキングな出だしで始まる本書は、脳腫瘍で余命いくばくもない辣腕投資銀行家ゴードン氏(ゴールドマン・サックス、リーマン・ブラザーズ、クレディ・スイス等で活躍)が、亡くなる前にどうしても伝えたかった「投資とお金」の知恵をまとめたというものです。執筆後、刊行直前に著者は亡くなり、本書は遺作となりました。その内容は、どのようなものだったかというと……



「バランスの良いポートフォリオで広範な分散化投資という手法を用いれば、グローバル資本市場の平均収益率が誰でも達成できる」
「主観的な予測や銘柄選択や売買タイミングに悩む必要はない」

どこかで聞いたことがあるフレーズではないですか!
驚いたことに、ウォール街で25年間活躍した辣腕投資銀行家が、亡くなる前にどうしても伝えたかったのは、「インデックス投資」そのものでした。逆に、亡くなる前だからこそ書けたのかもしれません。ウォール街の投資銀行の投資手法(バリバリのアクティブ運用)とは正反対の投資手法ですから。

インデックス投資論が、わかりやすい言葉でコンパクトにまとめられています。リスク(標準偏差)、リターン、分散効果、リバランス等、オーソドックスな内容ですが、バリュー効果や小型株効果をどう考えるか、オルタナティブ投資を採用すべきかなど、新しいエッセンスもしっかり入っています。

死期が迫る中、ゴードン氏はどんな気持ちでこれを執筆したのか、思いを馳せながら読んでいると目頭が熱くなってしまいました。個人投資家だけでなく、金融業界の方々にも読んでほしい一冊です。
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Posted by水瀬ケンイチ