米国バンガードツアー報告会レポート

水瀬ケンイチ

先日、竹川美奈子氏による「バンガードツアー報告会」に参加しました。

第一印象は、いい意味で「やっぱりバンガードはバンガードだった!」です。
バンガードの理念や独特の組織形態については、当ブログでも何度か取り上げてきました。超低コストや巨大な資産規模については改めてここでは書きません。
<該当記事の一例>
2012/03/23 米国バンガードの超低コストの秘密

今回の報告会は、バンガードの理念を実際に確認してきていただいたように感じました。
以下、報告会の内容をピックアップします。

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最前列に陣取ってしまいました…(^^;



・設立から80ヶ月連続で運用資産が流出した
・ジャーナリストによる検証の結果、パフォーマンスがよいとわかってきて底打ち、口コミも広がった
・運用資産2兆ドル、4割はアクティブ、ETFは1割、200人弱のFP
・なぜアクティブを?顧客からローコストのアクティブFを求められたから。成績も悪くない
・販売チャネル:直販43%、年金経由34%、IFA経由23%
・日本の直販は対面重視だが、バンガードは低コストなWEB重視
・ニュースレターの開封率が25~30%と高い(日本のネット証券で数%)
・ボーグル「コミッションを取るFAは犯罪者だ」
・NPS(Net Promoter Score:あなたはその商品を家族や友人に勧めるか?を数値化したもの)がマイナスの企業が多いがバンガードは8割と高い
・工場には「kaizen」と掲示されており、日本の工場っぽい
・カイゼンサイトがイントラネットにあり、実績がグラフ化されている
・クルー(従業員)の改善提案が1回採用されると「kouhai」、3回採用で「senpai」、5回採用されると「sensei」と呼ばれる(英語ではなく日本語!)
・日本人スタッフもいる

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・アドバイスを求める投資家が増えている
・5万ドル以下(コア)、50万ドル以下、100万ドル以下、100万ドル以上(フラッグシップ)と4つのセグメントで顧客を管理
・人数はコアが全体の46%を占めるが、金額はフラッグシップが全体の45%を占める
・フラッグシップサービスには担当者がつきCFPのアドバイスが無料(節税やポートフォリオ・マネジメントの相談が多い)
・他社よりサービスが悪いという評価の反省からアドバイスを始めた
・当初はロジカルなアドバイスだったが、今はエモーショナルなアドバイスをして満足度が高い
・○○ショックの時にはなるべく話をするようにする。当初のアセットアロケーションを守るよう話す

・DCのターゲットデートファンドとETFに伸び代がある
・ETFの参入が遅れたのは慎重に判断していたから(投信と食い合い、頻繁な売買を促進してしまう可能性)
・7年かけて調査実施、クラスシェア導入、ビジネス特許取得後、参入
・結果、食い合いは起きなかった。客層が違う(投信は直販、ETFはIFA経由)
・日本の海外ETF残高は、意外にも世界4位と高い(機関投資家が買っている?)
・新商品は、20~30年の長期にわたって本当に必要なのか何度も自問して作る

・インデックスはコンセプトはシンプルだが運用は大変
・たとえば、エマージング市場で現地株とADRのどちらを使うか?コストと乖離を見て判断
・ターゲットデートファンドは株:債券=9:1から始まり、毎年1.8%ずつ、60才を超えると毎年3.6%ずつ債券比率をアップ、最終的に株:債券=3:7に
・バンガードでも資金流出入は相場の影響を受ける。DCは継続して流入するのでありがたい

・社員の給料は高くない。インセンティブは理念への誇り
・オランダのノベコがファンドが株主という形態でやっていたが今はバンガードのみ

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・コストの過当競争の懸念意識は?→バンガードではローコストと言わず「アットコスト」(適正コスト)と言う。スケールメリットが出たら投資家に還元。無理はしていない。
・日本への国際展開は?→話なし
・敷地内のビルの名前がすべて船の名前(Goliathなど)
・IT化に注力、予算の3割を配分
・投信は運用会社が主役
・若手の育成は?→社内インターン制度が活用されている
・バンガードはどういう世の中を作りたいとか応援したい企業とかはないのか?→いろいろな形があってよいが、これは投資家の利益を最優先するというひとつの形


竹川さんのお話をお聞きして、「インデックス・ファンドの時代―アメリカにおける資産運用の新潮流」(ジョン・ボーグル著)に書かれていたバンガードの理念は本当かつ継続しているのだなと分かり、安心しました。
クライアント・ファーストという理念を、口だけでなく、信託報酬値下げという行動で表してきたバンガードにグッジョブ!を捧げたいと思います。

いつかは私も米国バンガードを訪問したいとの思いを新たにしました。
竹川さん、貴重な情報提供ありがとうございました。

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Posted by水瀬ケンイチ