山崎元氏、大学授業で「ウォール街のランダム・ウォーカー」をテキストに

水瀬ケンイチ

山崎元氏が、今年の4月から、獨協大学の学生との授業で「ウォール街のランダム・ウォーカー」(バートン・マルキール著)をテキストにしているそうです。

楽天証券 山崎元「ホンネの投資教室」
第195回 「ウォール街のランダムウォーカー」の読書会

本書は、言わずと知れたインデックス投資のバイブルです。当ブログのタイトルも本書からいただいております。世の中に数多ある投資法のうち、一投資手法に過ぎないインデックス投資を学生に教えるとは何事か?と思われるかたがいらっしゃるかもしれません。

しかし、本書はインデックス投資以外の主要な投資理論についても、その歴史や特長と弱点がまとめられていたり、過去に世界中の市場で起きてきたバブルの歴史も詳細に書かれており、たしかに大学のテキストとしても使えそうです。学生が資産運用の全体像を把握するのに有用だと思います。



面白いのは、一章ずつ読書会形式で授業を進めるというところ。本書は内容的に素晴らしいのですが、ハードカバーで483ページもあり、読みきるのになかなか骨が折れるボリュームです。多くの人が読み切ろうとして挫折しています。それを、授業という強制力がある場で、みんなで少しずつ理解しながら読むというのは、素晴らしい取り組みだと思います。

余談ですが、本書はアンチ・インデックス派たちの投資ブログで、しばしば批判的に取り上げられます。でも、何十回も繰り返し読んでいる私から見ると、「あ、この人、本当は全部読んでないな」と分かることがよくあります。書かれている「内容」に対してではなく、勝手に抱いている「イメージ」に対して批判しているだけということがバレてしまうのです。

授業では、以下のスケジュールが組まれているそう。

  1. 投資理論の学説とマルキールの立場(第1章)
  2. 過去の「バブル」と日本のバブル(第2、3章)
  3. 金融危機とバブルのパターン(第4章)
  4. テクニカル分析について(第5章、6章)
  5. アナリストとファンダメンタル分析(第7章)
  6. リスクとリターンの考え方(第8章)
  7. CAPMなどの現代ポートフォリオ理論(第9章)
  8. 行動ファイナンスと伝統ファイナンス(第10章)
  9. 「効率的市場」をいかに考えるか(第11章)
  10. デフレ・インフレと資産運用(第12章)
  11. ライフサイクルと個人の運用戦略(第13章)
  12. 金融のプロの使い方(第14章)
  13. J.M.ケインズの市場観と投資哲学(「一般理論」12章)

うーむ、私もぜひ受講したい内容です。これを山崎元講師のもと、みんなで学んでいける獨協大学の学生さん、羨ましいです!
大学を卒業してずいぶん経つ私たちおっさん投資家は、この授業を受けることはできませんが、せめてこの機会にもう一度、「ウォール街のランダム・ウォーカー」を読み返してみてはいかがでしょうか。

イメージだけで、「マルキールは効率的市場仮説の原理主義者だ」などと得意げに主張して、学生たちの失笑を買わないように。

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バートン・マルキール 井手 正介

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Posted by水瀬ケンイチ