【特別寄稿】 世界でいちばん割安なのはどの国?世界各国のバリュエーション表(2013年5月版)

水瀬ケンイチ

ご好評いただいている、読者のタカちゃんさんによる特別寄稿「世界でいちばん割安なのはどの国?世界各国のバリュエーション表」、2013年5月版が寄せられました。

PERだけでなく、PBR、ROE、実質実効為替レート、長期金利、配当利回り、益回り、配当成長率、名目経済成長率予想といった複数指標を網羅的にまとめたデータは貴重です。個人的には、日本株のPERがいちばん高いのがちょっと気になります…(゚A゚;)

以下、特別寄稿「世界でいちばん割安なのはどの国?世界各国のバリュエーション表(2013年5月版)」です。




世界各国のバリュエーション表
タカちゃん作成)
photo20130619.jpg
(クリックで拡大します)


バリュエーション表の使い方の留意点
タカちゃん作成)

★積立投資のリスクについてその1

注意:今回は日本株式インデックスの積立投資のリスクについて企業サイドの問題のみを挙げて問題解決の方法も考えてみます。
実際にはもっと面倒な問題もあるのですが、書ききれないのに加えて問題解決が難しいので企業サイドだけにしておきます。
次回は外国株式の積立投資の問題を取り上げる予定です。

☆日本企業の過剰な内部留保は株式価値を著しく毀損している
1:ある政党は企業の内部留保を賃上げに活用すべきだと主張しています、これによって景気が刺激されて内需にも良いとしています。
2:コモンズ投信の伊井哲郎さんの本【「普通の人」が「日本株」で年7%のただひとつの方法】で注目して欲しい点を引用します。
配当利回りで株を買うのは正解か(P89)で【配当利回りの高い会社は高配当という魅力が下支えになり、株価が下がりにくい傾向にあります】と述べられています、日本株投資に興味がある方は是非読んでみてください。
3:配当割引モデルによれば株主の要求収益率に比べてROEが低い企業の場合は内部留保率を高めると株価が下がります。

今の日本企業の内部留保は潤沢だがそれが利益向上につながっていないのです。
だからROEが低く株価に良い影響を与えていない。
半年前に比べるとROEは少し上がっていますが、内部留保の活用ではなくて円安で利益が増えた為だと考えられます。
ならば話は簡単で企業側は「労働者への分配を増やす」または「配当性向を大きく上げる」で良い筈です。
例えば配当性向を大きく引き上げて配当利回りが魅力的になれば株価上昇につながる筈です。
どちらの方法も最終的には株価を上げる事になるので余分な内部留保はしない方が良いでしょう。
特定の立場が大量にお金を抱え込んでいる状況は良くないので、そのお金を経済の現場に還流した方が株価にはプラスになる筈です。

☆2008年6月8日におきた秋葉原通り魔事件は長期的な日本株式投資のリスクに対する重要な警告

これは一見、株式とは関係ないように見えますが、人間は経済的に貧しくなると悪い事を考えるようになるのです。
そうなれば日本株式のリスクを急激に高める恐れが出てきます。
この問題に対しては鎌倉投信の結い2101で投資されている企業を見てみると解決策が分かる筈です。

☆社員の発明、会社に特許権
これは長期的には日本企業の国際競争力を著しく低下させる恐れがあります。
今の日本人は英語に弱く外国企業へ飛び出すには難しい事情がありますが、将来、日本人が英語に強い民族になれば簡単に国境を越えて就職するようになる筈です。
そうなれば発明に対して正当な対価を与えない日本企業へ就職する理由は無くなります。
今でも少しずつではありますが、日本企業でリストラされた理由から外国企業に就職して活躍しライバル企業である日本企業を苦しめている現状がありますが、これは将来加速する可能性があります。
対策は企業側が技術者の発明に対する対価を正当に評価して高い賃金を与えれば良いだけです。
優秀な人材が集まるような魅力的な給与体系にして労働生産性を大きく上げていけば株価も上がります。

☆スウェーデンやデンマークでは考えられない事例も
「出産ハラスメント」の深刻な実情 連合の電話相談で働く女性が次々と訴え(東洋経済オンライン)
http://news.livedoor.com/article/detail/7779405/
日本企業はここまで酷い事をやっているのだ、こんな事では日本の少子高齢化は急激に加速し株価が長期下落トレンドの温床になりかねない点です。

☆「労働者VS株主」の構図ですが・・・
ありがちなのは「労働者への配分を増やすと利益が減る」と言う事ですが、我々は「企業で働く人がいるからこそ株主にも利益が回ってくる」と言う単純な事実を理解しておく必要があるのです。
それならば日本企業で働いている人はできる限り優秀で労働生産性を高めて欲しいと考える筈です、だから労働者に対して正当な対価を払う必要があります。

どうやら企業サイドの問題は各ステークホルダーへの利益配分が適切でないのが一番大きのではないか?と思われます。
日本企業全体がこの問題を解決するだけでも日本株式インデックスのパフォーマンスは大きく改善される筈です、そうなれば積立投資のパフォーマンスが改善されるでしょう。
関連記事


投資判断は自己責任でお願いします。当ブログの情報により投資判断を誤ったとしても、管理人は責任を負えません。また、当ブログ内容の無断転載を禁じます。

Posted by水瀬ケンイチ